流星の科学的側面に関し概説します。
流星(流れ星)は通常の星(恒星、惑星等)と異なり、夜空に突然出現しある程度の早さで移動し消滅するように見ることが出来ます。出現から消滅までの継続時間は通常1秒以下の短い時間ですが、数秒〜数十秒に及ぶ場合があります。明るさは肉眼で見た場合4等星ぐらいからー10等以上の満月や太陽に匹敵する明るさを有するものまで大きく分布しています。大雑把に明るい流星ほど出現頻度は稀になります。また、暗い流星は肉眼で認識するのが困難になるため頻度が少なくなっていきます。一般にー3等より明るい流星を火球と呼ぶことがありますが実体は流星です。極稀に流星体が地表、海面まで到達することがありますがその場合が隕石です。
流星の元となる物質は通常は0.1〜1グラム位の非常に小さく軽いものです。が太陽系の軌道より地球の上層大気に突入するときに大気との作用を起こし流星物質の周囲は高温のプラズマ状態となりそれが流星として肉眼でも見えるように輝きます。流星物質はその過程で消耗し大気に散逸するため有限の時間で消滅することになります。隕石の場合は初期の質量が大きく消滅せずに地球表面に到達する場合です。通常明るい流星ほど大きな質量の流星物質を伴っている場合が多く、火球が隕石落下を伴う可能性が出てくるため注目されます。
流星を見るには
最近は街灯の影響や広告照明などにより夜空が明るくなり、星を見ることさえ難しくなっていますが、その影響で流星を目撃することはさらに難しくなっているのは事実です。条件としては街灯が周りになく都市部から離れた地域で空が開けていて、実際に星がたくさん見える場所が好条件となります。また月が明るいときも見にくくなります。このような条件で1時間ほど夜空を眺めていれば数個程度の流星を確認することが出来ます。標高の高い山地では大気の影響が少なくなりさらに好条件となります。夜半過ぎの方が出現が多くなる傾向があります。また、1年の後半8〜12月が出現が多くなります。流星群の活動期も流星の出現が多くなるため見やすくなります。火球では頻度は少なくなりますが明るいため都会地でも見ることができ、多くの人に目撃され、話題になることがあります。流星の観測は条件さえ良ければ肉眼で可能で何も機材は必要ありません。ただ、夜間の人通りの少ない場所での観測となるケースが多いため安全面から単独での観測は避けるべきです。
流星物質の起源の一つとして彗星があります。彗星は太陽系内の天体群で時折太陽に近づき太陽風の影響を受け尾を生成し明るくなると地上からもその姿が観測されます、ヘールボップ彗星、百武彗星等。尾が生成されるときに彗星物質の一部が本体より粒子状に分離しこれが流星体の元になるという考えです。彗星の起源に関してはまだ解明されていないことが多いのですが、太陽系生成時に出現した微惑星のかなりの部分が集積し地球などの惑星が創られ、取り残された微惑星の一部が彗星へ進化し太陽系内に分布したとされています。彗星の軌道が地球の軌道と接近する場合、地球が彗星より放出された流星物質が軌道に沿って分布した領域を通過し、その期間多くの流星が出現します(流星群)。流星物質は地球に対し並行運動となるので、天空上の同一収束点(輻射点)から放射するように流れます。流星群に属する流星体は太陽輻射、惑星による摂動などにより軌道が次第に変化し流星群がやがてばらけていきます。こうして特定の群に属さなくなったようにみえる流星が散在流星となります。
流星の起源に関して、小惑星との関連が議論されています。小惑星の多くは火星と木星の軌道の間(メインベルト)に存在しますが、小惑星の軌道が地球を横切るようなものも存在します(アポロ型)。地球に衝突した場合流星、隕石として観測されます。小惑星の起源に関しても微惑星より進化し、何種類かの生成過程を経て現在に至ったと考えられています。また、活動が終了した彗星核との関連性も指摘されています。その生成過程の違いにより隕石の種類が決ってくるのではとの仮説もあります。実際隕石には鉱物学的分類でコンドライト,鉄隕石その他の種類があることが知られています。
流星はその由来により、太陽系の謎に関する情報を多く持つため、様々な形で観測・研究がなされています。
参考図書