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ご注意

「雑録 顔面痙攣」では、患者の視点で収集した情報をご紹介しています。記述には慎重を期したつもりですが、私は医師・薬剤師ではありません。「参考情報のひとつ」としてご利用いただき、ご自身の責任で専門家にご相談くださるよう、お願いいたします。


製品名リスト

 私自身が処方された薬、顔面痙攣の患者仲間でネット上の話題にのぼった薬について、便覧や薬理学の教科書を参考に、私自身のエピソードも交えて紹介します。有効成分名ごと(または分類ごと)に記載しましたが、病院や薬局では製品名で説明されることが多いので、代表的な製品名を50音リストにしました。文中には関連する薬へのリンクも挿入しました。より専門的な情報を入手したい方は こちらをご参照ください

アーテンアトロピンアロンアルファAイソゾールインダシンインテダールインテバンエトレンエナデールエバミールエリスパン
ガスターカリクレインカルナクリングラマリールグランダキシンコンスタンコントール
サリドンザンタックジアゼパムセデスGセニランセパゾンセフメタゾンセボフレンセルシンセルベックスセレナミンセレナールセレンジンソナコンソラナックス
チトゾールティシールディプリバンテグレトールデパステレスミンドルミカムトレミン
ナウゼリンノベクタンL
バキソバランスビオボンドピラミスチンフェルデンフォーレンプレドニゾロンプレドニンプロハンスベリプラストボトックスホリゾンボルタレンボルヒールポンタール
マグネビストマスキュラックスミオブロックメイラックスメチコバール
ラボナールランドセンリスミーリーゼリップフェンリボトリールレキシンレキソタンレンドルミンロキソニンロピオンロラメット
ワイパックスワゴスチグミン

ご注意

古くから使われている薬の場合、多くの製薬会社から独自銘柄で供給されている場合があります。この資料では、代表的な銘柄を選びましたが、同成分他銘柄が処方されることもあります。


痙攣に関連する薬

ベンゾジアゼピン系の薬剤

 ベンゾジアゼピン系の薬には共通して、抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用があり、これらの作用のバランスや維持時間の異なる多くの種類があります。程度の差こそあれ、眠気を伴うことがあるので、車の運転などには注意したいものです。抗痙攣薬としては、クロナゼパムジアゼパムが主に使われてきましたが、近年はエチゾラム(製品名デパスなど)も処方されるようです。

 他にも、アルプラゾラム(製品名ソラナックスコンスタンなど)、ロフラゼプ酸エチル(製品名メイラックスなど)、トフィソパム(製品名グランダキシンなど)、クロチアゼパム(製品名リーゼなど)、ブロマゼパム(製品名レキソタンセニラン)、オキサゾラム(製品名セレナールなど)、ロラゼパム(製品名ワイパックスなど)、フルジアゼパム(製品名エリスパン)、クロルジアゼポキシド(製品名コントールバランスなど)、クロキサゾラム(製品名セパゾンエナデール)などが、抗不安薬(マイナートランキライザー、俗に精神安定剤)として神経症、心身症(自律神経失調、胃・十二指腸潰瘍など)、鬱病などに対して使われており、顔面痙攣の症状を和らげるとも言われています。

 また、維持時間の短いロルメタゼパム(製品名ロラメットエバミール)、塩酸リルマザホン(製品名リスミー)、ブロチゾラム(製品名レンドルミン)などは睡眠導入剤として使われ、更に維持時間の短いミダゾラム(製品名ドルミカム)は注射剤として麻酔前投薬や麻酔導入に使われます。


クロナゼパム

 製品にリボトリールランドセンがあります。ベンゾジアゼピン系の抗痙攣薬で、主に癲癇(てんかん)に対して用いられます。クロナゼパムの副作用として、眠気の頻度はやや多いようです。

ジアゼパム

 セルシンホリゾンセレナミンセレンジンソナコンなど多くの製品があり、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(マイナートランキライザー)のスタンダードです。ジアゼパムは古くから使われていることもあってか、神経症や心身症(自律神経失調など)、脳脊髄疾患に伴う筋痙攣、手術時の麻酔前投薬など、広範囲に保険適応が認められています。


カルバマゼピン

 製品にテグレトールテレスミンレキシンがあります。癲癇(てんかん)に対する代表的な抗痙攣薬のひとつで、三叉神経痛、躁病、統合失調症にも用いられます。副作用として、眩暈(めまい)、ふらつきの頻度はやや多いようです。

塩酸トリヘキシフェニジル

 製品にアーテントレミンピラミスチンなどがあります。神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える薬で、パーキンソン病に特徴的な振戦(ふるえ)や筋強剛に対して有効とされています。パーキンソン病に対しては神経伝達物質ドパミンの補充療法が主ですが、トリヘキシフェニジルは特発性(原因不明の意)や向精神薬副作用などのパーキンソン症候群(パーキンソン病類似の病像を示す一群の疾患)に対して用いられるようです。


塩酸チアプリド

 製品にグラマリールなどがあります。神経伝達物質ドパミンの働きを抑える薬で、パーキンソン症候群(パーキンソン病類似の病像を示す一群の疾患)に伴うジスキネジア(不随意運動)を改善するとされています。鎮静作用の少ない緩やかな抗精神病薬として、脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為や精神興奮などに対しても用いられるそうです。

A型ボツリヌス毒素

 製品名ボトックス、筋肉注射として用いられ、神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制して筋弛緩作用を示します。片側顔面痙攣に対する新しい治療選択肢として注目されています。


手術に関連する薬

麻酔前投薬

 術前の不安・緊張に対して、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(マイナートランキライザー)が使われます。私の場合、塩酸リルマザホン(製品名リスミー)が手術前夜の睡眠導入剤として処方されただけでしたが、手術室に向かう前にジアゼパムミダゾラム(製品名ドルミカム)などを筋肉注射することもあるようです。麻酔による分泌物増加を抑制するなどの目的で、硫酸アトロピンなどが注射されることもありますが、これは「まな板の鯉」になってからの出来事でしょう。

静脈麻酔薬

 全身麻酔に導入する注射薬として、チオペンタールナトリウム(製品名ラボナール)やチアミラールナトリウム(製品名チトゾールイソゾール)などのバルビツール酸系がスタンダードでしたが、近年ではプロポフォール(製品名ディプリバン)やミダゾラム(製品名ドルミカム)がよく使われるようです。何れも静脈注射で速やかに意識を失います。


吸入麻酔薬

 全身麻酔を維持する吸入薬として、笑気・酸素混合ガスがスタンダードでしたが、近年ではセボフルラン(製品名セボフレン)、イソフルラン(製品名フォーレンなど)、エンフルラン(製品名エトレン)などの揮発性麻酔薬がよく使われるようです。吸入で麻酔導入する場合もあるそうですが、たいていは前項の静脈麻酔で眠った後の出来事でしょう。

筋弛緩薬

 全身麻酔では、気管チューブを挿入し易くしたり、手術操作の障害となる筋肉の緊張を解くために、臭化ベクロニウム(製品名マスキュラックス)や臭化パンクロニウム(製品名ミオブロック)などの筋弛緩薬を注射しますが、眠っている間の出来事です。目覚める前にはネオスチグミン(製品名ワゴスチグミン)などの注射で筋弛緩薬の作用を中和するそうです。


手術用接着剤

 生体組織用の接着剤として、シアノアクリレート系のアロンアルファAビオボンドがあります。私が主治医から受けた説明について、本編では「シアノアクリレート系と思う」と当時の想像を書きましたが、血液が固まる仕組みを利用した接着剤(フィブリン糊)を使う場合もあると後に知りました。過去に一部の血液凝固剤がフィブリン糊に流用されていたことが2001年に問題になりましたが、フィブリノーゲン加第XIII因子(製品名ティシールベリプラストボルヒール)はフィブリン糊として承認されています。

輸液

 手術中から回復期にかけては、輸液(点滴)で水分、塩分、糖分などを補い、体液のバランスを整えます。私の場合、手術当日のことはよくわかりませんが、翌日は乳酸リンゲル液1000mLと維持液500mL、2日目はそれぞれ500mLずつ、3日目は維持液のみ500mLでした。


抗生物質

 感染症を防止するために、術後は抗生物質を使うのが普通ですが、術前から予防的に使うこともあるそうです。注射剤、飲み薬とも、非常に多くの種類があります。私は手術当日の午後(術中のことはわかりませんが)と術後3日までの朝と夕方に、セフメタゾールナトリウム(製品名セフメタゾンなど)の点滴がありました。

鎮痛・解熱薬

 術後の痛みや発熱に対する薬として、インドメタシン(製品名インダシンインテバンインテダールなど)、ジクロフェナクナトリウム(製品名ボルタレンなど)、ロキソプロフェンナトリウム(製品名ロキソニンなど)、ピロキシカム(製品名フェルデンバキソなど)、メフェナム酸(製品名ポンタールなど)などの非ステロイド性消炎鎮痛薬の坐剤、フルルビプロフェンアキセチル(製品名リップフェンロピオン)などの注射剤があります。飲み薬としては、前出の非ステロイド性消炎鎮痛剤の他、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリンなどがあります。私の場合、手術当日にインドメタシン坐剤を1回、術後1〜5日にかけてイソプロピルアンチピリン配合剤(製品名サリドンセデスGなど)を頭痛の程度に応じて1日1〜3回(計9回)使いましたが、薬袋にだいぶ残ったので、痛みは軽く済んだ方なのでしょう。
 なお、私が処方されたイソプロピルアンチピリン配合剤は、長期連用した場合に腎障害を生じることのあるファナセチンを成分に含んでおり、2001年に供給中止になりました。フェナセチンの代わりにアセトアミノフェンを配合したイソプロピルアンチピリン配合剤は、一般用医薬品(製品名セデスハイ)として供給されていますが、2003年7月に医療用医薬品(製品名SG顆粒)も発売されました。


プラスチック包帯剤

 アクリル系の樹脂と殺菌剤を配合したスプレー(製品名ノベクタンL)があります。私の場合、術後7日の抜糸から退院するまで2日間だけ使用しました。


その他の薬

MRI造影剤

 頭部MRI検査のコントラストを向上させるために、ガドペンテト酸メグルミン(製品名マグネビスト)またはガドテリドール(製品名プロハンス)を静脈注射することがあります。気管支喘息の方は検査時に申し出て下さい。前者は投与後24時間は授乳を避けることが求められていますが、後者の乳汁移行に関するデータは蓄積不充分とされています。私がMRIを受けたときは造影剤なしでした。

メコバラミン

 メチコバールなど多数の製品があります。ビタミンB12の一種で、神経繊維の随鞘(ズイショウと読み、神経細胞を包み込む鞘です)形成を促進するとされ、末梢性神経障害に対して用いられます。私は初診時の2週間分だけの処方でしたが、顔面痙攣の手術後に処方された方もいらっしゃるようです。


カリジノゲナーゼ

 製品にカリクレインカルナクリンなどがあります。血液中のキニノーゲンという体内物質に作用する酵素で、末梢血管の血流を改善するとされています。私は初診時に2週間分だけ処方されました。

プレドニゾロン

 飲み薬としてはプレドニンなどの製品があります。副腎皮質ステロイドで、抗炎症作用を中心に幅広い薬効を示し、様々な疾患に対して切り札的に用いられています。一方、副作用も多岐にわたるので、医師・薬剤師とのコミニュケーションを大切にしたいものです。ちなみに、皮膚炎などに用いられるステロイド外用剤としては、プレドニゾロン製剤はごくマイルドな部類です。


ファモチジン

 製品名ガスター、H2ブロッカーというタイプの胃酸分泌抑制剤です。「胃の薬」の中では作用がシャープで、主に胃潰瘍、急性胃炎などに用いられます。同じタイプの薬として塩酸ラニチジン(製品名ザンタック)などがあります。

テプレノン

 製品にセルベックスなどがあります。胃粘膜を保護する薬で、「胃の薬」としては前項のH2ブロッカーよりも作用は穏やかです。


ドンペリドン

 製品にナウゼリンなどがあります。脳および胃で神経伝達物質ドパミンの働きを抑える薬で、吐き気・嘔吐に対して広く重用されていますが、妊婦さんは禁忌です。私には年来の吐き気があり、初診時に相談したところ、顔面痙攣とは関係ないストレスによる自律神経失調との診断で、次項のロラゼパムとともに2週間分が処方されました。

ロラゼパム

 製品にワイパックスなどがあります。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(マイナートランキライザー)で、主に神経症や心身症(自律神経失調など)に用いられます。私は、自律神経失調による吐き気に対して、前項のドンペリドンとともに初診時に2週間分が処方されました。


ロフラゼプ酸エチル

 製品にメイラックスなどがあります。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(マイナートランキライザー)で、主に神経症や心身症(自律神経失調など)に用いられます。維持時間が極端に長く、連日服用で体内薬物量を一定に保つのに適しているようです。私は、手術後3ヶ月余りたっても術前同様の痙攣が続いていたとき、不安が辛かったのでマイナートランキライザーをリクエストし、本品が処方されました。数日しか服用しませんでしたが、その後も抗不安薬が手元にあるという安心感は絶大でした。


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Modified on Oct 27, 2004