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教育問題

一貫教育の研究校指定

 文部省は15日までに、「幼稚園・小学校」と「小学校・中学校」のそれぞれで一貫教育を施す研究開発指定校を2000年度から指定する方針を固めた。各学校段階で連携してカリキュラムを策定するとともに、子どもの発達状況についての情報交換を促進するため、教員の人事交流を行う考えだ。文部省は、将来的には学校教育法を改正し、「幼・小」「小・中」の一貫教育の創設につなげる方針だ。

 一貫教育は、次の学校段階への接続を円滑にし、学級崩壊など学校現場の抱える様々な問題の解決に役立てたいというのが狙い。中学と高校の一貫教育は、既に99年度から三重県や宮崎県などに、新たに学校制度として中等教育学校などが設置されている。

 今回、文部省としては、さらに「幼・小」「小・中」の連携を進めて、画一的な「6・3・3・4」制のバイパスを作り、多様な選択肢を提供することで、子どもたち一人一人の個性を伸ばす教育ができると説明している。文部省は来年度、新たに25校の開発校を指定するが、このうち「幼・小」「小・中」の開発校を数校ずつ指定する。

 このうち「幼・小」の開発校は、幼稚園からしつけや道徳心を養う教育を重視し、集団生活に対応できるようにする。小学校低学年から見られる学級崩壊の原因には、文部省の昨年2〜7月の教師に対する調査で、「子どものしつけ」(13.7%)、「就学前教育との連携・協力不足」(10.8%)などが指摘された。このため、幼稚園段階から、教科に分かれる小学校の学習形態を見据え、集団生活の大切さを教えるとともに、自然・生活経験を強化したカリキュラムを策定する。

 ただ、就学前に幼稚園に通う子どもは6割程度で、3割以上が保育所に通っていることから、保育所に対しても幼稚園に準じた教育を施すよう求める。

 一方、「小・中」の開発校は、中学入学後に不登校や非行が顕在化することから、中学校の教員が小学校段階からの個々の子どもの発達状況、家庭環境を把握することで、個別の生徒指導を充実させることができるとしている。学級担任制の小学校でも、高学年からは中学校の教科担任制を導入することも考える。

 また、小学校の社会科の歴史は、中学校で日本史と世界史に分けて教えるなど、教科によってはレベルは高くなるが、内容が重複しているものもある。2002年度からの完全学校週休5日制で授業時間数が削減されることから、無駄な学習を省くカリキュラムも検討することにしている。

2000(平成12)年1月16日(日曜日) 讀賣新聞

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