解法網羅型参考書の効果的な使い方
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第8章 解法網羅型参考書の効果的な使い方

 

【参考書と問題集の違いとは?】

「受験数学」の学習目標を「ある程度定められた範囲から出題される入試問題の問題解法を網羅的かつ体系的に学び、それを自らの知識として使いこなせるようにする事」とするならば、その「問題解法を網羅的かつ体系的に学ぶ」というのはどのような「手段」で実行すれば良いのでしょうか?

まず、一般的に行われていると想像される「学習方法」を考えてみます。

通常、学校の授業では「検定教科書」「傍用問題集」などを使って「高校生が学ぶべき」と定められた範囲の学習事項は授業で学習し、家庭では学校指定の「問題集」を使って、授業で学んだことの「反復練習」をして知識を定着させ、知識を使いこなせるように「問題演習」する、という勉強の風景が想像されます。(すごい優等生的勉強法ですけどね(^^ゞ)

このような勉強方法を取れていて、日常学習を通じて、網羅的に身につけるべき知識の習得がなされ、使いこなせるように訓練も欠かしていない学生が、「網羅型参考書」に手を出す必要性に疑問を持つのは当然だと思います。

「同じ事の繰り返しじゃないか?」と、思うでしょうから。

確かに、こういった学習方法を実践していて、知識を習得できていて、使いこなすことができるのであれば「網羅型参考書」の出番は少ないといえるのかもしれません。

「網羅型参考書」を使うということは、まさに「問題解法を網羅的かつ体系的に学ぶ」ための手段であるのですから。

しかし、一方でこのような学習方法を通じて本当に「網羅的にかつ体系的」に知識が習得できているのかという疑問は残ります。(これが受験生の不安の要因なんだと私は思っていますが・・・)

そこで「参考書」と「問題集」の違いを考えて見ましょう。

 

「参考書」というのはその項目の代表的な問題を「例題」として順序良く、体系立てて並べてあります。

また、その「例題」に対する「考え方」や「注意点」などが「解説」され、「解答」としてその問題の模範的な解答例が示されています。

だから、その順序に沿って勉強し、「例題」を本当によく理解できれば、それを応用する範囲も広げることが出来るはずです。

 

「問題集」というのは、普通ずらずらと問題が並んでいて、「解答」には結論である「答え」に至るまでの「式変形のプロセス」が示されています。

つまり、「こうすれば解けるよ」ということしか書いていない場合が殆どだと思います。

また、「そういった解法をなぜ思いつくのか」ということや「他の問題にもその解法は適用可能なのか」という「本来の意味での解説」は示されていない場合が多いと思います。

言い換えるなら、近年「解答」が詳しいことがウリの問題集が多数出版されていますが、それらは「解答」の「式変形のプロセス」が詳しいというだけで、「解説」が詳しいとはいえないものが多いようです。

またその問題を学習することがいったい何を示しているのか、ということも整理がつかないと思います。

 

数学の場合、参考書と問題集の差異はあまり多くはありません。

数学は、他の教科のように扱う対象が具体的ではなく、どちらかというと抽象的かつ一般的なことを扱う学問です。

だから、どちらも「問題」を中心に扱っているのです。

ただ、「参考書」はその一般的な法則などの「解説」をするために必要な代表的な問題を扱うのに対し、「問題集」はそれらの一般化された法則を使いこなすことに習熟するために、必要な問題の量を提供する、という「問題」に対する姿勢が異なります。

実は、「参考書」と「問題集」の違いはここにあります。

故に、「参考書」に法則の使いこなすことに習熟するに足る「問題量」を求めること、「問題集」に法則の詳しい「解説」を求めること、この2つはナンセンスだと管理人は思います(^^ゞ

 

さて、数学学習において「体系性」というのは非常に重要な位置をしめていると思います。

なぜなら、数学の問題解法というのは、単発的な一問一答型の知識ではなく、複数のプロセスを経て論理的に実行される複合型の技術であるため、互いが関連しあっているからです。

ですから、バラバラに「個々の問題の解法」を覚えていくというやり方「のみ」では実力には繋がりにくいのではないかと思います。

しかし、学校や予備校というところは普通、天下り的な「問題の解き方の解説」しかしてくれません(そうでないところもたくさんあるのでしょうが・・・)

バラバラの知識を寄せ集めて「体系立てる」などというのは、多くの受験生にとって、それこそ「難事」だと思います。

 

【解法網羅型参考書を使うことの意義】

だからこそ私は「網羅的にかつ体系的」に知識を習得できる「解法網羅型参考書」を一度は使うことが必要なのではないかと考えます。

「解法網羅型参考書」に収録された例題から、「問題を解くための考え方・着眼点」「式変形の手法」「解答で使う言葉使い」「問題の分類」などを覚え、それを頭の中に入れて体系化しておきましょう。

これは言い換えるなら、

「問題文の意味をきちんと理解する」

「与えられた条件などを読み取り、整理する。必要なら図やグラフを実際に書いてみる」

「何を求めるのかはっきりさせる」

「与えられた条件を使って展開し、論理的に正しく結論に導く」

という「問題解法」の一連のプロセスの構造や手法を学ぶということに他なりません。

また、「体系化」を図るに当たって、天下り的に問題解決の筋道だけ示す「解答」だけでなく、「解説」も十分に読み込み、「問題解法のアルゴリズム」の理解にとどまらず、そこで使われている、問題解決のための背景についても理解を深めましょう。

あとは、その「解法網羅型参考書」を通じて習得した知識を「土台」として、「問題集」を使って類問を多数こなすことで「土台」を補強したり、更に発展的な内容を扱う「参考書」を使って「発展的な知識」を付け足していけばよいわけです。

これが「数学」が積み上げ型の教科と呼ばれる所以です。

「土台」がしっかりしていない人というのは、数学に苦手意識を持ち続け、不安感から闇雲に次々に違った問題集に手を出したり、「難しい問題」や「範囲外の知識」にすがり付こうとすることが多いのではないかと思います。

しかし、やってみたけどそれらが身に付かずに入試本番を迎えてしまう、ということが多いのではないでしょうか。

「たくさん問題をやってみたけどちっとも出来るようにならない」というやつです。

こうなってしまっては「受験」は失敗に終わるでしょう。(>_<)

そうならないためにも、私は受験数学を学ぶなら、 教科書+傍用問題集で基本的な公式や定理、定義を身に付けるのと平行して、またはそれらの上乗せとして、一度は「解法網羅型参考書」を使い、網羅的かつ体系的に学習する、という経験をするのをオススメします。(^^)

 

【数学参考書・問題集の効果的な使い方のまとめ】


まず最初に、高校数学の学習において「基礎・基本をおろそかにして、無理な背伸びをしないことが大切です (このことは数学に限らないかもしれませんけどね)

「基礎・基本」という土台がしっかりしていなければ実力などつくはずがなのです。

何と言っても生活のなかで多くの時間を過ごす学校(塾・予備校)での授業を大切にし、これ学習計画の中心に据えるべきで

また、試験前にあわてて行う「詰め込み学習」は実力を向上させるという観点からすると無意味です。

その場しのぎの学習を繰り返しても、知識は積み重なっていきません。

時がたてば一時的に詰め込んだ知識などはすぐ忘れてしまい、別分野とのつながりや体系的な理解ができなくなります。

そうすると、入試などで差がつくであろう様々な分野の知識や方法を用いた考え方ができなくな り、融合問題などが解くことが出来なくなってしまうと思います。

 

理解を深めるために数多くの問題を解くことは、数学の学習法として良い方法です。

多くの 問題を解くことを通して「考える」ことで、理解が深まるからです。

しかし、「基礎・基本」を大切にせず、試験前の詰め込み学習などを繰り返すような状態を何度もしていたら、いつまでたっても数学の力はつかないでしょう。

たくさん問題を解いたけどちっとも実力が向上しないというのはこのような状態を指すのではないでしょうか?

予習と授業で、その学習段階レべルのことは完全に理解し、わからないことや未消化の内容を積み残さないよう、普段から計画的に学習するよう心掛けましょう。

 

そこで以下に、計画的な自学自をする際のポイントを具体的に示してみます。


1:問題を解くにあたっては、答案で自分の考え方の筋道を簡潔かつ明確に表現するように常に心掛け ましょう。

「答案」というものは自分以外の人が見て も理解できるように丁寧に記述して、後で見直したとき有効利用できるようにするべきです。

なぜなら試験における「答案」というものは他人に採点してもらうものだからです。だから常に「他人が読みやすい答案」を心がけることが大切なのです。

2:「問題演習」するときは、多少時間がかかっても、まずは自分で考えて問題を解くようにしましょう。

問題文を読んで一見して題意がとれないからといってもいきなり解答を見てはいけません。

最終的に解答を見るにしても、多少(5分〜10分程度)は時間をとって、図やグラフを描いてみるとか、なんらかの試行錯誤をしてからにしましょう。

それをするのとしないのとでは解答を見たときの理解度、定着度がまるで変わってきてしまうからです。

3:「あの参考書・問題集は良い(悪い)」とか根拠のない変な噂などに惑わされて、何冊も参考書や問題集を使うなど、手を広げ すぎないようにしましょう。

このようにいたずらに手を広げすぎたあげく、何も身に付かず失敗する例を管理人は多く見てきています。

こういったことは、苦手意識のある科目ほどその傾向が強いようです。

そんな悪しき前例を繰り返すことがないように、まず、手元にある教科書・参考書・問題集を十分に消化することを心掛けましょう !

また、日常学習を有効活用できないか、冷静に考えて見ましょう!

 

以上、ご参考まで!(^o^)/

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