蝉雑記帳2010

1、鯨波

 5月22日、ハルゼミの観察に都合のよい場所を探して、夏場、首都圏からの海水浴客でにぎあうという日本海側の鯨波へ行ってみた。鯨波へは上越新幹線の長岡から信越線でおよそ45分。信越線は昼間2時間に一本ぐらいしかない。駅は無人駅だが周辺は以外に開けていて、まとまった松林は駅の裏のほうにある御野立公園と海水浴場の付近ぐらいしか見当たらなかった。海水浴場付近の松林ではハルゼミの声は確認できなかったが、御野立公園では普通に鳴き声を聞くことができた。しかし、木が高く観察には不向きである。松枯れは多少見られるが、若い松の木も見受けられるのでそれほど深刻ではない印象だった。また、駅のホームにいながらハルゼミの声を聞くことができた。

鯨波駅
鯨波駅
御野立公園
御野立公園


2、悠久山公園

 インターネットでハルゼミの情報を調べていると、長岡市の悠久山公園にハルゼミが多いらしいことが書いてあった。そこで、6月4日に行ってみた。長岡駅から車で10分とあったので歩きでもいけるだろうと思い、歩き始めたが、一向につかない。しかたなくタクシーで向かった。例によって逆方向に歩いていたわけである。
 悠久山公園は小動物公園や歴史資料館がある庭園のようなところと池をはさんで赤松が混じる雑木林に分かれている。松の木はやはり高く、松枯れも多少はある。ツツジの花がまだ残っていて、今年はハルゼミの発生が遅れているのかもしれないが、ハルゼミの声はまばらに聞こえてくる程度、抜け殻をひとつ見つけただけだった。
悠久山公園
悠久山公園
ハルゼミの抜け殻
ハルゼミの抜け殻


3、夏至南風

 6月25日、旅費も何とかなり、会社が不景気で臨時休業日のこともあって、この日の午後、直行便で石垣島へ向かった。
 翌26日は、朝食前に泊まっていたホテルに比較的近い新栄公園でクマゼミのビデオ撮影をした。天気は曇り、6時ころからクマゼミが鳴き出した。本土のクマゼミと比べると、なんとなくおっとりとしている。
 朝食後、時化気味で、やたらと揺れる高速船で西表島大原に渡った。大原周辺はイワサキクサゼミが少しと神社の所々枯れているリュウキュウマツ林でヤエヤマニイニイが少数鳴いていただけ、山に行かないとほかのセミはいそうになかったので昼過ぎには石垣島に戻り、レンタサイクルでバンナ公園へ向かった。山には登りたくなかったので、比較的自転車が走りやすい裏の方の道を行くことにした。しばらく行くと車道と歩道の間に若いリュウキュウマツが植えてあり、その松の木に点々とヤエヤマニイニイが鳴いている。ヤエヤマニイニイはいつも大木の上のほうで鳴いている印象があったがここでは少し違うようで、鳴いている姿をビデオカメラで撮影することができた。その横を「カンムリワシがいた」と言って車に乗った人が通り過ぎて行った。また、広葉樹の低いところで2個体並ぶヤエヤマニイニイも見ることができた。
 ツマグロゼミとイワサキヒメハルゼミは声だけ確認。ツマグロゼミは敏感で近づくとすぐに鳴きやみ、同じ場所で鳴くことはなかった。カラスがしきりにクマゼミを追い出していた。午後5時ころまでいたが、タイワンヒグラシの声は聞かなかった。
バンナ公園
バンナ公園
ヤエヤマニイニイ
ヤエヤマニイニイ

 27日もクマゼミの撮影のためにまだ暗いうちから新栄公園に向かっていたところ、新栄公園の隣にある図書館の木で意外にもツマグロゼミが鳴いていた。ずいぶん前に竹富町役場の近くにツマグロゼミがいて、植木といっしょに運ばれてきたのではないかという話を聞いていた。新栄公園は竹富町役場の隣である。天気は晴れ、クマゼミの鳴き出しは5時55分。
 この日は小浜島に渡ってみた。波は穏やかだったが、小浜島はイワサキクサゼミしか鳴いていない。地理的に見ても小浜島は西表島の続きのようである。クマゼミもおそらく一月遅れと思われる。その後、新栄公園でツマグロゼミの声を確認して那覇へと向かった。
 28日は浦添の城跡へ行くつもりだったのだが、タクシーの運転手がよくわからないというので、浦添大公園で降りたのが間違いだった。城跡まではかなり距離があった。リュウキュウアブラゼミの撮影や採集に都合がよければ、どこでもよかったのだが、なかなか都合のよい場所がなく、例によって道に迷ったりして、2時間もさまよってしまった。沖縄ではクマゼミの発生が遅れているらしく、リュウキュウアブラゼミの天下である。浦添大公園ではクロイワニイニイはかなり少なく、城跡付近では比較的多く鳴き声を聞いた。クロイワニイニイはクロイワツクツクとも減少傾向にあるらしい。


4、クマゼミの鳴く公園めぐり

 8月7日、埼玉県蕨市、ネットで西日本の公園並みにクマゼミがいると噂されている市民公園へ行ってみた。クマゼミを見に行くのは南下する一方なのだが、蕨市は日暮里から北上することになり、違和感がある。日暮里駅のホームではほとんどセミの声を聞かなかったが、西日暮里から東十条あたりまでは、ミンミンゼミの合唱が聞こえていた。西川口駅の方が近そうだったので電車を降り、京浜東北線に沿って歩いて行くと線路の反対側の林(地図で見ると中学校になっている)から少数のミンミンゼミとクマゼミの声が聞こえてきた。さらに北上するとクマゼミの合唱が聞こえてきたので、迷わず市民公園につくことができた。中央に芝生の広場があり、それを取り巻くように、サクラ、ケヤキなど軒が植えられている。クマゼミは木一本あたり、1〜2雄程度鳴いている感じで、個体数としては普通の範ちゅうだと思う。

蕨市市民公園
蕨市市民公園

 ほかはクマゼミに関係なく鳴いていたミンミンゼミが少々、ニイニイゼミ1雄、アブラゼミが普通に見られ、クマゼミの合唱に誘発されて鳴き出したアブラゼミが2雄いた。
 その後、葛西臨海公園へ向かった。京葉線の葛西臨海公園駅のすぐ前なので迷うことはない。すでに10時ころだったので、クマゼミは公園全体に散らばっている感じで、あまり鳴いていなかった。ほかのセミは、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミの声を聞いたがどれもあまり多くない。一応一回りしてから平和島公園に行った。
 昨年クマゼミの雌を見つけたアキニレ(ケヤキかと思ったらアキニレだった)を見てみると日照りのせいか葉がだいぶ落ち枯れそうだった。奥にあるもう一本にアキニレを見ると低いところにクマゼミの雄がとまっていた。都堀公園の帰りに再び見るとまだ低いところにクマゼミの雄がとまっていたので、手で採集して飼育用に持ち帰った。東京でもクマゼミが手で採れるようになったのは喜ぶべきか複雑な心境である。
 8月13日は再び葛西臨海公園、前回見ていなかった場所を回ってみた。やはりクマゼミは全体に散らばっているように鳴いており、ミンミンゼミの方が数は多い。公園のはずれで、キリギリス、ヒメスギの鳴き声を聞いた。次に新木場で降りてみた。駅前のサクラで、ミンミンゼミが少し鳴いていた。夢の島公園も少し見てみたがセミが少ないので、りんかい線に乗り換えて、東京テレポートで下車、お台場海浜公園へ高台の歩道を通っていってみた。歩道は工事中の場所が多く、数は少ないが、ミンミンゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミが鳴いている。お台場は人が多い、場所によってはクマゼミがまとまって鳴いていたが、気にしている人はいないようだった。お台場海浜公園に着いたときは午前10時を回っていたので、クマゼミの声はしておらず、アブラゼミ、ミンミンゼミが普通に見られ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミの声がしていた。最後に平和島公園によって見たが、前回クマゼミがとまっていたアキニレも枯れそうになっていてクマゼミは見当たらなかった。
お台場海浜公園
お台場海浜公園



5、スジアカクマゼミの受難

 8月28日、金沢のつつみ公園へ行ってみるとしだれ柳の一部が伐採されていた。スジアカクマゼミの駆除が本格化したらしい、昨年は羽化ができないような装置をつけて、試験的に駆除を行っていたようだが、効果が薄いと判断したのか、スジアカクマゼミの最も好むしだれ柳の伐採に踏み切ったらしい、競馬場のしだれ柳はすでになく、つつみ公園のほかのしだれ柳に印がないところから近々伐採されそうである。しかし、そこまでしてスジアカクマゼミを駆除しなければならないのかは疑問に思う。スジアカクマゼミの生態系への影響はまずないだろう、同じ環境にいるアブラゼミは今のところ減っていない、生枝産卵の影響も公園などでは剪定によって失われる可能性が高い。スジアカクマゼミは弱っている木には産卵しないし、産卵によって枯れた木は見たことがない。ほかの昆虫にたとえるならば、アオマツムシ程度である。それに自宅の庭から羽化してこないので(たまたまかもしれないが)、水辺から離れられない可能性も出てきている。
 駆除によって簡単には根絶やしにはならないだろうが、個体数の減少は避けられないだろう。スジアカクマゼミの調査も今回で一応終了せざる得ない。しだれ柳やアブラゼミもとんだ災難であろう。スジアカクマゼミにとっては発見されない方がよかったのかもしれない。発見されなければ今後も人知れず、夏を謳歌できたことだろう。

しだれ柳の伐採が始まったつつみ公園
しだれ柳の伐採が始まったつつみ公園



6、自宅付近のセミ

 ニイニイゼミの声を今年初めて聞いたのは聞いたのは7月4日、つくば市高崎自然の森で、すでに複数の鳴き声だった。自宅の庭でニイニイゼミが鳴き出したのは、7月6日、3日でいなくなり、7月11日に再び声が聞こえるようになり、やはり3日で声がしなくなり、その後、7月17日から8月2日まで鳴き声が聞こえ最高2個体だった。終聞きは自宅が8月18日、つくば市高崎自然の森では9月26日。ヒグラシの初聞きは自宅の庭で、7月18日で7月28日まで、一時鳴かない日もあったが、ほぼ毎日声を聞いた。終聞きは8月19日、つくば市高崎自然の森では9月18日。アブラゼミの初聞きは自宅の庭で7月19日、終聞きは9月20日、つくば市では10月17日。ミンミンゼミの初聞きも自宅の庭で7月29日、9月5日で一応鳴き声は聞かなくなったが、終聞きは10月3日と今まででもっとも遅く、つくば市での終聞きは10月11日。人為的と思われるクマゼミは勤め先付近で、7月26日から8月23日まで鳴き声を聞いた。自宅の庭では8月4日と22日に鳴いている。ツクツクボウシの初聞きはつくば市高崎自然の森で8月1日、自宅の庭が8月3日、終聞きが9月20日、高崎自然の森が10月17日だった。つくば市高崎自然の森周辺では今年はヒグラシが少なめだった。昨年は9月中旬頃まで昼間でも鳴き声を聞くことができたが、今年は8月下旬に聞かなくなってしまった。
 自宅の庭で見つかった脱皮殻はアブラゼミ14個(3オス、11メス)、ミンミンゼミ10個(6オス、4メス)、ツクツクボウシ8個(2オス、6メス)で、ミンミンゼミは8月中旬に7〜8個体程度鳴いていた。その中に”ミーンミンミンミンミー”の”ミー”の部分が対馬のミンミンゼミのように尻上がりになりやや伸ばすものがいた。
 幼虫の飼育妨害を何とかかわしたので、アロエがセミの幼虫によってしおれ始めたり、ツクツクボウシが羽化してきた。


しおれ始めたアロエ
しおれ始めたアロエ 9月20日
しおれたアロエの脇に新しいアロエを追加
    しおれたアロエの脇に新しいアロエを追加、左の写真と同じ飼育装置 10月23日


表1 アロエから羽化したセミ 2010年

 
セミの種類 羽化日 羽化数 幼虫期間備考
ツクツクボウシ 8月22日
8月27日
8月28日
8月29日
8月30日
9月 3日
9月 5日
9月10日
9月11日
9月27日
1雄
2雄
1雄
   1雌
   1雌
   1雌
   1雌
   1雌
   1雌
   1雌
1年
1年
1年
1年
1年
1年
1年
1年
1年
1年
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 飼育妨害犯は昨年のセミの会談話会で防犯カメラを仕掛けたと言っておいたので来なかったようだ。もっとも猛暑でアロエが腐ってきたり、アロエ飼育装置を隠しておける場所を確保できたので、温室の中にはアロエはなかった。
、 犯人は誰なのか推理してみることにする。飼育妨害のほかに、この蝉雑記帳ホームページが検索サイトで、検索されない状態が長く続いていた。そこで、セミとは直接関係ないホームページを作り、リンクを張ってみたところ一応検索されるようになってきた。現在ではヤフーでは蝉雑記帳のトップページが表示されるが(最近ではヤフーもグーグルと同じ検索エンジンを使っているため、蝉雑記帳のトップページは表示されない)、グーグルではサブメニューの一部しか表示されないので、アカウントを取って再審査を申し込んだところである。
 蝉雑記帳ホームページが検索されなかったのは、おそらく飼育妨害犯と同一人物が意図的に検索されなくしたものと思われる。飼育妨害犯は蝉雑記帳ホームページを検索サイトから削除することからはじめた。それは蝉雑記帳ホームページを多くの人に読んでもらいたくなかった(特に飼育関係は)のと自分のホームページへのアクセス数を上げるためと推測される。なぜ犯人はこの段階でやめなかったのか?。やめていれば、アロエ飼育装置の被害はなかったはずだ。やめなかった理由は犯人もセミの幼虫のことを書きたかったからだ。セミの幼虫のことを書こうとすると、アロエを使ったセミの幼虫の飼育結果も書かなければならない。犯人はそれだけはしたくなかった。アロエを使ったセミの幼虫飼育が注目を浴びてしまうからだ。犯人にしてみれば、アロエを使ったセミの幼虫飼育はなかったことにしたかった。だからつぶしにかかった。犯人はセミの会の会員で筆者と面識があり、セミ関係のホームページを持っていて、アロエを使ったセミの幼虫の飼育を認めたくない人物ということになる。自己中心的で、陰険で、卑劣な人物であることは確かだ。

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