蝉雑記帳2016

1、 7年ぶりの伊良湖岬

 松枯れが進んだ伊良湖岬は今はどうなっているか気になったので、4月30日から5月1日にかけて7年ぶりに伊良湖岬に来ていた。休暇村付近は松がまばらに残っているだけで、じつにさっぱりしていた。近くにある公園「西ノ浜海浜の森」寄りに松林が残っていて、ハルゼミの合唱が少し聞こえていた。

休暇村伊良湖付近
休暇村付近

西ノ浜海浜の森付近
クロマツ海岸林の再生が試みられていた
ハルゼミ
ハルゼミ

「西ノ浜海浜の森」付近ではクロマツ海岸林の天然更新試験が行われていた。2〜3メートルほどに育ったクロマツからもわずかにハルゼミの声がしていて、久しぶりにハルゼミの姿を見ることができた。
 灯台のある岬の先端付近では松林はほとんど消え、道沿いにわずかに痕跡をとどめる程度になっていて、ハルゼミの声は確認できなかった。



2、葛尾山

ネットで偶然低い松がありそうな写真を見つけたので、ここにハルゼミでもいれば、撮影に都合がよさそうだと思ったので、5月21日、6月4日、長野県、戦国時代村上氏の居城であった葛尾山へ行ってみた。しなの鉄道坂城駅から歩いて10分で坂城神社、葛尾山への登山道は坂城神社の裏にある。

葛尾山
坂城駅付近から見る葛尾山
馬の背
馬の背

 登山道は登りがきつい、登り始めると雑木林に混じって、アカマツ増えてくるが、例によって松枯れが目立つ。比較的直線的だった登山道が右に曲がるところがあり、細い松が多いがハルゼミは木の上の方でしか鳴いていない。登山道はさらにきつくなり、少し登った後、少し下り、再び急な登りになり、登りきるとネットで見つけた”馬の背”が現れた。松茸が採れるためか、松林には立ち入り禁止のビニールのひもが張られている。さらに急こう配で砂地のような道を進んで、山頂に近づくと広葉樹が増えてくる。葛尾城址、海抜805メートル。ハルゼミは5月21日の方が多かったが、思ったほど多くなく、至近距離で鳴いていたのは”馬の背”で1個体いただけ。エゾハルゼミは5月21日には1個体しか聞かなかったが、6月4日は多少増えたもののまばらにしか鳴いていなかった。

3、安房天津

 7月10日、ここ数年安房小湊ばかり行っているので、今年は一駅先の安房天津へ行った。安房天津駅の周辺ではヒメハルゼミの声はしていない。少し内陸の清澄養老ライン沿いの丘陵からヒメハルゼミの合唱が聞こえてきた。ヒメハルゼミの観察に都合のよい場所は見つからず、浪切不動尊まで行って戻ろうとした時、道路沿いに植えられていた、若い桜の木でヒメハルゼミが鳴きだした。 これ今回見た唯一のヒメハルゼミになった。
 7月17日は海岸へ出て、安房小湊方向へ戻り、少し内陸の集落付近を山の方へ歩いていたら、道に迷ってしまい、草刈りをしていたおばさんが鎌をふりふり教えてくれた道を進んでいくと林道天津線の入口へ出た。林道は麻綿原高原へと続いているがセミの声が途切れたところで引き返した。
 海岸付近の丘陵はニイニイゼミがほとんで、時折、ツクツクボウシ、ミンミンゼミの声がする。ヒメハルゼミは単独で鳴いているのを聞いただけ、内陸に入るとヒメハルゼミが増えてゆき、林道天津線周辺はヒメハルゼミの合唱が連続して聞こえていた。結局観察に都合のよい場所は見つけられなかった。草の中で鳴いているのが1個体いただけ。

安房天津駅
安房天津駅
ヒメハルゼミ
ヒメハルゼミ
林道天津線
林道天津線

4、クマゼミ

 8月11日、藤代町へ、今年も駅の周辺ではクマゼミは鳴いていない。そこで、藤代町庁舎の裏側に隣接する住宅地を歩いてみると点々とクマゼミが鳴いている。庁舎の西側だけはクマゼミが多少なりとも広がっているようだ。
 8月12日はクマゼミがいるという東京メトロ東西線木場駅から歩いて5分ほどにある木場公園へ行ってみた。 広場や施設の周りに木が生い茂る公園で、多いのはアブラゼミ、次にミンミンゼミ、クマゼミは広範囲に散らばっている感じで、それほど多くない。葛西臨海公園の感じに似ている。

木場公園
木場公園

5、金沢

 北陸新幹線が開業したので、新幹線で行ってみようと思っていたが、昨年は行きそびれ、今年も9月3日になってしまった。スジアカクマゼミも終盤でもうあまり残っていないのかと思ったが、今年は発生が遅れたのか 意外に残っていて、合唱が聞こえていた。つつみ公園では川沿いに種類のわからない木が増え、その木にスジアカクマゼミが複数鳴いていた。 競馬場から北部公園の間にも点々と単独でスジアカクマゼミが鳴いているところがあった。それがすべて複数鳴く状態になっていた。以前はまばらにしか鳴いていなかった北部公園でも競馬場周辺に匹敵するスジアカクマゼミの合唱が聞こえていた。2004年以来聞かなかった南森本町でも3個体スジアカクマゼミが鳴いていた。そのうち2個体は高台で鳴いていた。スジアカクマゼミは水辺から離れられなかったのではないのか?ここ数年つつみ公園ではスジアカクマゼミの駆除おこなわれていたようだが、駆除どころか分布が拡大しているように見える。

スジアカクマゼミ
スジアカクマゼミ

6、自宅付近のセミ

 ニイニイゼミの初聞きはつくば市6月30日、自宅は7月5日、終聞きは8月11日(自宅)、9月10日(つくば市)、ヒグラシは初聞き、7月9日(自宅)、終聞きは9月23日(自宅)、アブラゼミの初聞き7月13日(勤め先)、7月17日(自宅)終聞きは9月18日(自宅)、10月2日(つくば市)、ミンミンゼミ7月17日(安房天津)、7月23日(自宅)、終聞き9月10日(自宅)、勤め先付近の人為的と思われるクマゼミは7月27日に合唱が聞こえ、8月26日まで確認できた。ツクツクボウシの初聞きは7月10日(安房天津)、8月7日(自宅)、終聞きは9月25日(自宅)10月2日(つくば市)、クロイワツクツクが8月26日に鳴きだし、9月4日まで確認できた。クロイワツクツクは今まで偶然発生することは、何度もあり、いずれも単独だったが、今年は8月31日に2個体鳴いていた。このほか、8月11日の日中だけスジアカクマゼミが鳴いていた。今まで人為的に何度も導入を試みてはきたが、かすりもしなかったのにどこからやってきてどこへ行ったのか全くの謎である。
自宅の庭で見つかった脱皮殻はアブラゼミ5個(2雄、3雌)、ミンミンゼミ5個(1雄、4雌)、ツクツクボウシ3個(2雄、1雌)と少ないが、調査範囲外から多数羽化して、ミンミンゼミも7月末には5個体以上の声が聞こえるようになり、8月上旬の最盛期には早朝からやかましく鳴いていた。



表1 アロエから羽化したセミ 2016年

セミの種類 羽化日 羽化数 幼虫期間
アブラゼミ 7月30日   1雌 3年
ミンミンゼミ 8月3日 1雄   3年
クロイワツクツク 8月12日 1雄   2年
オオシマゼミ 8月18日
8月20日
8月25日
8月30日
8月31日
9月4日
9月5日
9月6日
9月11日
9月13日
9月19日
9月26日
9月30日
1雄  
1雄  
1雄  
2雄  
1雄  
1雄  
1雄  
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年
3年


 アロエから羽化したセミは表のとおり、久しぶりにアブラゼミが羽化した。オオシマゼミの羽化は主に早朝に行われることが多かった。
オオシマゼミの成虫は庭にある一番細いたよりないミズキで飼育したところ、木がほぼ完ぺきに合ってオオシマゼミの声を堪能することができた。
 相変わらず妨害は続いており、今年で13年になる。ツクツクボウシと来年羽化するであろうと思われていたクマゼミが全滅させられた。オオシマゼミも半分ぐらいはつぶされたと思う。



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