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アイコン探偵 【ミステリMEMO−ミステリ賞の秘密】 -HOME- アイコン探偵
欧 米 の ミ ス テ リ 賞

 ミステリを選ぶ上で”賞”を気にする読者は多いようです。しかし、受賞作だからといって安心はできません。たとえミステリを銘打った賞でも各賞の特徴により、選ばれる作品は様々なのです(賞にもれた作品の中にも秀作がある事も事実です)。
 欧米の賞は作品自体を評価しようとする趣が強く、良い作品さえ書けば一人の作家が何度でも表彰されます。受賞すれば世界各国で翻訳・出版され、その市場価値は莫大なものとなります。
 また、欧米で「ミステリ」といえば、日本で言うところの”サスペンス”または”ハード・ボイルド”が主流で、日本の”本各物”のような位置づけはありません。探偵物は欧米でいう”ハード・ボイルド”にあたるようです。

MWA賞PWAシェイマス賞アガサ賞CWA賞ダシール・ハメット賞マカヴィティ賞アンソニー賞
─詳細は公式サイトでご確認ください─

 ■ MWA賞 主催:アメリカ探偵作家クラブ(Mystery Writers of America) 通称:MWA
【 公式サイト: http://www.mysterywriters.org/
 MWAは、1945年に、ミステリーの普及とミステリー作家の地位向上・利益保護の目的で設立された。
 MWA賞は、アメリカで最も権威のあるミステリー賞で、推理小説の生みの親(エドガー・アラン・ポー)に敬意を表し「エドガー賞」とも呼ばれる。
 毎年、春に行われる年次大会で発表・授与が行われ、受賞者には、ポーをかたどった胸像が贈られる。
 対象は、作家及び作品の国籍は問わず、その年度に初めて合衆国で発行された本。(U.S.A以外の本は、英語に翻訳された年度が対象となる)
* MWA賞の種類
 ・最優秀長編賞
   その年度に発表された長編の中で、最も優れた作品に贈られる。
 ・最優秀処女長編賞 (新人賞)
   新人作家を対象に、その年度に発表された作品で、最も優れた作品に贈られる。
 ・最優秀オリジナル・ペーパーバック賞
   その年度に出版されたペーパーバック本で、最も優秀な作品に贈られる。
 ・グランドマスター賞 (巨匠賞)
   ミステリーの発展・普及のために、多大な貢献をした作家に贈られる。
   この賞のみ、作品ではなく作家個人に贈られる。
※現在は文学作品以外にも、児童文学や脚本など、全部で12部門(種類)ほどある。

* 過去のグランドマスター賞受賞者
 アガサ・クリスティー/エラリィ・クイーン/J・D・カー/ジョージ・ハーマン・コックス
 レックス・スタウト/E・S・ガードナー/ジョルジュ・シムノン/ディック・フランシス/等
 世界中で愛され続けている大御所多数。

例:マイクル・クライトン著「エアフレーム
<上下巻の値段> 日本 アメリカ
・ハードカバー 3600円 $18.20
・ペーパーバック $ 7.99
・文庫 1360円

* ペーパーバックとは?
 紙質を抑えた簡略な装丁で、ハードカバーに比べ値段の安い本です。(今日の日本ではあまり知られていないかもしれませんが)第二次世界大戦後、世界中に爆発的に普及しました。
 欧米の賞では、この「ペーパーバック賞」を設けることが多いようです。

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 ■ PWAシェイマス賞 主催:アメリカ私立探偵作家クラブ(Private Eye Writers of America) 通称:PWA
【 公式サイト: http://hometown.aol.com/rrandisi/myhomepage/writing.html
 PWAは、私立探偵小説ファンのための組織で、1981年に設立された。会員資格は、ファン・出版業界者・作家であること。年間$90で会員になれるもよう(賛助会員扱い)。
 PWAシェイマス賞は、その年に発表された「私立探偵小説」に与えられる賞で、PWAクラブ会員の投票により選出される。
 PWAの考え方では、警察官や政府職員等の公共機関職員を除く「私立探偵」をプロの捜査官とみなしており、私立探偵(免許所持者・無免許者)以外の職業でも、弁護士やレポータなどを中心とするストーリーは可。ただし、素人探偵を中心とするストーリーは対象外で、主に、日本で「ハードボイルド小説」と呼ばれるもの(アメリカでは、ハードボイルド小説も広義のミステリーです)が対象となる。対象作品について、多少の例外はあるようですが、PWAによると、それは自分達(PWA)の特権だからいいのだそうな(笑)。
* PWAシェイマス賞の種類
 ・最優秀長編賞
 ・最優秀処女長編賞 (新人賞)
 ・最優秀短編賞
 ・最優秀ペーパーバック賞
 ・巨匠賞
* 対象となる作品例
 ・コナン・ドイル「ホームズシリーズ」
 ・E・S・ガードナー「ペリイ・メイスンシリーズ」
 ・ジョン・ラッツ「アロー・ナジャーシリーズ」
 ・ロバート・P・パーカー「スペンサーシリーズ」
 ・ローレンス・ブロック「マッドスカダーシリーズ」
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 ■ アガサ賞 主催:マリス・ドメスティック(MARISU DOMESTIC LTD)
【 公式サイト: http://www.malicedomestic.org/
 毎年一回ワシントンで、コージー・ミステリーファンの集まるマリス・ドメスティック大会(伝統派ミステリーファンの集う大会)を開催。アガサ賞は、ここで参加者が投票し選定される。
 「過度の流血」や「いわれのない暴力シーン」を全く含まない作品のみ対象作となる。警察物や私立探偵物はOKだが、一般的に称される「ハードボイルド」は不可となる。
 受賞者には何故か”どくろの模様付、もしくは、どくろをかたどった”「ティーポット」が贈呈される。
* コージー・ミステリーとは?
 家庭内や、その近辺で起こる身近な出来事で、過激な場面のないミステリのこと。宮部みゆき(デビュー当時はコージーだった)が憧れているクレイグ・ライスもその一人。
 ケーキ屋さんの”コージー・コーナー”は、「家庭的でほっとする場所」というところか(^^ゞ。
* アガサ賞の種類
 ・最優秀長編賞
 ・最優秀処女長編賞
 ・最優秀短編賞
 ・最優秀ノンフィクション賞
 ・最優秀児童文学賞
  (子供向けのミステリーを指すようです)
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 ■ CWA賞 主催:英国推理作家協会(Crime Writers Association) 通称:CWA
【 公式サイト: http://www.thecwa.co.uk/
 CWAは、1953年にMWAを手本として、ミステリーの普及と推理作家の利益保護や地位の向上を目的として設立。年間40ポンド、もしくは$70で、海外会員になれるようです。(会報を送ってもらえる以外の特典は不明)
 CWA賞は、英国で最も権威があるミステリー賞。
* CWA賞の種類
 ・ゴールド・ダガー賞 (最優秀長編賞) <*1>
   最も優れた長編作品に贈られる。
   受賞者には賞金3000ポンドと装飾された短剣(4800ドル相当)が贈られる。
 ・シルヴァー・ダガー賞 <*2>
   ゴールド・ダガーに次ぐ優れた作品に贈られる。
   受賞者には賞金2000ポンドと装飾された短剣(3200ドル相当)が贈られる。
 ・短編賞 <*3>
   受賞者には賞金1500ポンドと(およそ2400$)と、二本の剣が交差したデザインの
   ピンブローチが贈られる。
 ・ダイヤモンド・ダガー賞 (巨匠賞) <*4>
   ミステリーの発展のために多大な貢献をした作家に贈られる。
※他にも、歴史ミステリーに贈られる賞や、スパイ物等の冒険小説に贈られる賞などがある。

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 <*1>〜<*3>の賞は、MACALLAN社(スコッチ・ウイスキーの会社)が1995年から後援している。「MACALLAN・ゴールドダガー賞」のように、賞の頭に「MACALLAN」が冠されるのが正式名称。
 <*4>のスポンサーはカルティエ社で、1986年から後援している。以降、正式名称は「カルティエ・ダイヤモンド・ダガー障害功労賞」。

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 ■ ダシール・ハメット賞 主催:国際推理作家協会 北アメリカ支部 (International Association of Crime Writers)
【 公式サイト: http://www.thrillingdetective.com/trivia/triv18.html
 ダシール・ハメット賞は、ハードボイルド小説の始祖である、ダシール・ハメット(1894〜1961)にちなんで名づけられた賞で、米国 又は カナダ人の作者による、「犯罪小説の分野で優れた作品」に贈られる。
 ハードボイルドでなくても対象作品となり、いつも私立探偵小説が受賞するわけではない。ミステリ作家以外の作家が選定するようです。(そのせいか、文学的な作品が選ばれる傾向があるカモ?)
 受賞者には、青銅のトロフィーが贈られる。
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 ■ マカヴィティ賞 (MACAVITY) 主催:Mystery Readers International 通称:MRI
【 公式サイト: http://www.mysteryreaders.org/macavity.html
 MRIは、ジャネット・A・ルドルフによって設立された、世界で最も大規模なミステリーファンの国際組織。読者、評論家、作家、エディタ、出版社が会員資格を有し、アメリカ以外にも、20ヶ国に会員がいるそうです。入会方法は不明ですが、会報(雑誌)は申し込みさえすれば購入できるようです。モットーは、「ミステリーファンの人生を豊かにする」ことだそうです。
 マカヴィティ賞は、T.S.エリオット(キャッツの原案になった詩を書いた人。その詩に登場する猫の名前を冠した)にちなんで名づけられた賞で、会員であるメンバーが投票により候補作を選ぶ。ノミネート作品を決選投票し、最も優秀な作品に賞を贈る。
* マカヴィティ賞の種類
 ・最優秀長編賞
 ・最優秀処女長編賞
 ・最優秀伝記賞
 ・最優秀短編賞
* 最近の受賞作家
 ・スー・グラフトン
 ・ジャン・バーグ
 ・マイクル・コナリー
 ・デボラ・クロンビー
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 ■ アンソニー賞 (ANTHONY) 1988年〜 【 公式サイト: http://bconvegas2003.org/
 BOUCHERCONと呼ばれるWorld Mystery Conventionが、毎年秋に開催されている。4日間も続くらしい(一種のお祭りでしょうか?)。これは、アンソニー・バウチャーの死後、彼を偲んで開催されるようになった。参加申し込みさえすれば、誰でも参加できるようです。参加費用は$150(?)。この大会で「アンソニー賞」が発表される。
* アンソニー賞の種類
 ・最優秀長編賞
 ・最優秀オリジナル・ペーパーバック賞
 ・最優秀ノンフィクション賞
 ・最優秀ヤングアダルト賞
  (児童、青少年向けのミステリ賞のようです)
* 最近の受賞作家
 ・デニス・ルヘイン
 ・ドナ・アンドリュース
 ・ローラ・リップマン
 ・マイクル・コナリー
* アンソニー・バウチャーとは?
 アンソニー・バウチャーは、本格推理作家だったが、評論家・編集者としての評価の高い人物で、MWAの会長を務めていたこともある。
 エラリー・クイーンに指名されて、ミステリーの書評を長く務めた。誰にでも公平で暖かな書評(特に新人作家に対して)で人気を博した。
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 「ミステリMEMO」の内容についてはHP・書籍等で確認をしておりますが、もしも誤記を発見されましたらお手数ですが管理人までご一報下さい。また、「もっと詳しく説明してやるぜ」とか、「面白いネタがあるよ」という奇特な方からの連絡もお待ちしております。
 今回は、斑の紐さん(洋物推進委員会)に多大なる御協力を頂きました。ありがとうございます!

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