古本屋part2

 

 

 

<在庫>

死体のC
長靴をはいた猫
暗殺者
読まずに死ねるか!
気分はもう戦争
夢工場
陪審評決
ライジング・サン
沈黙の病棟
接触
レディ・ジョーカー
謎の特装本
秘匿特権
フロスト日和
マンハッタン・オプ
蒼穹のかなたへ
鷲は舞い降りた
女に向かない商売

 

死体のC スー・グラフトン(ハヤカワ文庫)
「アリバイのA」、「泥棒のB」、「死体のC」、「欺しのD」、etcと手の込んだ題名でシリーズを続けている。
南カリフォルニアを舞台にして女探偵キンジー・ミルホーンが大活躍するわけだが、女性の探偵
・ハードボイルドがあまたいる中でも、なぜか彼女が一番親しみやすい。無理に男勝りでない
ところがいいのだろうか・・・?
「ニュースステーション」の小宮悦子嬢はサラ・パレツキーが創った女探偵V・I・ウオショース
キーがお気に入りらしいが・・・。
当作品は、依頼主が月曜日に会って木曜日に死んでしまった・・。その無念を晴らすべく高級
住宅地に住む人々を調べ上げ、最後はいつものハラハラドキドキ大立ち回り。是非一読を・・。
キンジーの行き付けの店の女主人、いい味出してるねえ



長靴をはいた猫 エド・マクベイン(ハヤカワ文庫)
長靴をはいた猫と言っても別にピッピではない。87分署シリーズのマクベインのもう一つの
シリーズ、マシュー・ホープ弁護士シリーズの一つである。
話のストーリーテラーぶりはさすがマクベイン先生と言ったところだが、それ以外のマシュー
弁護士の私生活にこのシリーズは重点が置かれているらしい。
マシュー弁護士の、共同経営者フランクや元妻スーザン、娘のジョアンナに対する感情や苦悩が
むしろメインディッシュのような感じがする。
刑事弁護士となったマシューに殺人事件の弁護依頼がきた。モリス・ブルーム刑事の協力の下、
真犯人を見つけられるか?乞うご期待



暗殺者 ロバート・ラドラム(新潮文庫)
いやはや、なんとも・・・もうお腹一杯になっちまった、って感じ。
ヴォリュームがあって且つ濃厚で、でも腹がもたれない上等なフルコースを食べた後のようだ。
記憶を失った男が主人公で、自分が誰なのか分からない。当然読者の分からない。
必死に自分の過去を取り戻そうとするが、正体不明の者に命をねらわれる。何故だ?俺は誰
なんだ?そのうち自分がとてつもなく大きな陰謀の中枢にいたことが分かった。過去が分かった
ことで余計命が危うくなる・・・
解説に面白いエピソードが載っていた。
列車に乗った男性がふと前を見ると、ペーパーバックが置いてある。読んでみると面白い、
どんどん読み進むとラスト100ページが破られている。イライラしながら本の表紙を見ると前の
所有者の電話番号が書いてある。思わずそこへ電話して、こう言った「頼む!残りの100ページ
売ってくれ!!」
さもありなん・・・。



詠まずに死ねるか! 内藤 陳
幻の名コントトリオ「トリオザパンチ」(ハードボイルドだど!で一世を風靡した・・・)
のリーダーで且つ日本冒険小説協会会長であり、会員の集合場所の新宿2丁目のバー「深夜+1
(ワン)」の経営者でもある内藤 陳の著作。
月刊プレイボーイに連載したモノをまとめたモノだが、とにかく内容が濃い。いったい何時
こんなに読むのだろうか?というよりこんなに読んで何時寝るのだろうか?と心配してしまう。
内容は当然冒険小説・ミステリー小説に関するの書評というより感想文である。私もこの本を
参考にして本を買ったモノです。
しかし不覚にも、この本を無くしてしまいました。続編も一緒に・・・。誰かこの本の正式名、
出版社名を教えて下さい。



気分はもう戦争 矢作 俊彦・大友 克洋(双葉社)
コミック。
大友 克洋といえば「アキラ」で一躍メジャーになり、アニメでも大ヒットしたが、どうも違う
と思っていた。SFなら、むしろ「童夢」の方が面白いと思うが、どうだろう。
本作はそれ以前の作品だが、矢作 俊彦とのカップリングがとてつもない傑作を生みだした。
一応全13話から成っており、狂言回し的な3人がいるが、それぞれが独立している話になって
いる。
ハードボイルドあり、中東戦争あり、米ソ、日ソ、中ソなどいろいろなシチュエーションでの戦争
が舞台である。と言っても実際の戦闘場面はほとんど出てこない、カッコイイ!!
原作の矢作 俊彦のバタ臭さというかキザさが大友の絵にばっちり合っている。



夢工場 やまさき 十三・弘兼 憲史(双葉社)
またまたコミック(そろそろネタ切れ・・)
題名の夢工場とは夢を創っている工場のこと、すなわち映画会社の話である。全6冊
主人公の畑 俊平が東都映画制作部の助監督に就職したところから物語りは始まる。いわゆる、
内幕物であるが今の日本映画界の現状を適格に掴まえ批判している。主人公が、映画人として
社会人として成長し、いよいよTVの助監督から本編(封切り映画)の監督をといったところで
ストーリーは完結する。
舞台が映画会社なだけに千葉 真一、山本 麟一、柳町 光男などをモデルにしたセミドキュ
メントも逸話に入っている。
作者は本当に日本映画を愛しているのだなあ、という感じがひしひしと伝わってくる。
映画製作を題材にした映画は「蒲田行進曲」「キネマの天地」海外では「81/2」「アメリカの夜」など秀作は数あるけれど、この作品もうまく料理すれば面白い映画になるのではないだろう
か・・・。



陪審評決 ジョン・グリシャム(新潮社)
待ちに待った1年ぶりのグリシャムの新刊!。恋人に会いに行く気分で本屋さんに行った。
内容は・・・ん?何か今までとちょっと違うぞ。なんかコンゲーム(映画スティングのような)
を見ているような感じがするぞ。
アメリカの裁判は、被告側・原告側・判事側の他に陪審員がいる。今回はその陪審員が主人公に
なっている。それともう一人の主人公謎の女マーリー。うう〜ん、魅力的だねえ。グリシャムの
作品の中で女性が重要な位置にいたのは「ペリカン文書」と「依頼人」だけど、今回が一番
魅力的だなあ。
初期の作品に比べると、ちょっと穴が多いような気がするがそれでも十二分に満足した。



ライジング・サン マイクル・クライトン(ハヤカワ文庫)
ショーン・コネリー主演で映画化もされた話題作。
殺人事件のミステリー物としては、はっきり言って大したことはないが、実に日本を良く描いて
いる。日本人としてカチンと来るのを通り越してむしろ感心してしまう。
先輩・後輩の関係、仕事でゴルフをする、エレベーター内では女性の無意味なアナウンスがある、
相手が頭を上げるまでおじぎを続けるetc。
自分(日本人)としては、ごく当たり前のように考えていた事が実は異文化人から見れば非常に
奇妙にうつるという、これまた当たり前のことを再認識した。
作者はそれを特に蔑んだり非難しているわけではないが、まあ、、、特別誇るほどのことでも
なかろう。



沈黙の病棟 マイクル・パーマー(ハヤカワ文庫)
本の帯には、ロビン・クックに続く話題の医学サスペンスとある。
確かに今、海外のサスペンス物は医学を題材にした物が多い。医学の世界そのものが密室的で
あまり知っているようで知らないことが多く、金と生命が絡んでいるのでサスペンスにはぴったり
なのであろう。
当作品は、医療保険をベースにしている。これも現在は日本でもアメリカでもトピックな題材で
ある。日本では国民皆保険と言われ、国民全員が医療保険に入っているがアメリカでは私的保険
のため余計問題が多そうである。
なぜ日本では、そのような本がないのだろうか?余りに公的保険すぎて題材にするには危険すぎる
のだろうか?
ドクターの作家は日本にも多いのだが話題になった本はポルノまがいの不倫小説だけである・・
・。



接触 パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)
第8作目に当たる当作品、そのストーリーテリングは堂々たる物である。安心して読める。
出演陣の恋の行方や成長に対しても思わずニヤリである。
今回は、今までにも増してコンピューターが大活躍している。作者は過去のシリーズでも様々な
新しい技術を捜査や解剖技術の中で見せているが、今回はパソコンである。
「マッキントッシュ」や「パフォーマー6116CD」、「フォトタッチ」「スキャンマン」などの
ソフト、その他今話題のパソコン用語、インターネット用語がどんどん出てくる。そしてただ出る
だけでなく実に上手く使っているのである。
そしてそれを操っているのが主人公の姪で、今やFBIのコンピューター担当のルーシー。彼女の
ここ数作の成長ぶりは目を見張る物がある。
そういえば彼女は以前、マイクロソフトを使っていたなあ・・・。



レディ・ジョーカー 高村 薫(毎日新聞社)
待ちに待った3年半ぶりの高村 薫の新作!!
読み進むと、あれっこれは「部落民の話」かな?
しばらく読んでいくと、これは「企業小説」かな?
もっと読むと、これは「警察小説」かな?
いやいや、どうも「犯罪小説」のようだ
いや、やはり「新聞小説」だぞ、これは
そして、最後まで読みこれは、紛れもなく「高村 薫の小説」だ!
上下巻の超大作だが、その長さは全く感じない。読み終わるのがもったいないと言った感じさえ
あった。
「マークスの山」「照柿」に続いて合田刑事が一応主人公、というか登場人物の一人で、義兄の
加納検事も重要人物で登場している。
是非読むべし!!!



謎の特装本 ジョン・ダニング(ハヤカワ文庫)
去年、「死の蔵書」でミステリー第1位になった後の続編。
ミステリーとしても1級品だが、古書ってのはこんなにも奥深いものなのか・・・と再認識させる
ほど説得力がある。
シリーズ化すると単に本の宝探しゲームになってしまうので、シリーズにはしない。と作者が
いっているのは事実であろうが、いささか残念と思わせるほど面白い。
しかし、世界には読書家ならぬ愛書家の多いこと・・・・



秘匿特権 エヴァン・ハンター(講談社文庫)
エヴァン・ハンターでピンと来ない方は、エド・マクベインといえば分かるでしょう。
そう、87分署シリーズの御大です。彼が、エヴァン・ハンター名義で執筆したサスペンスもの
です。エヴァン・ハンターの名義はあの映画化された「暴力教室」で初めて使用されている。
それも分からない?!ほら、「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が主題歌になった
あれです。これで分からなければ、もう知らん!
ハンターの作品では新潮文庫から出版されている「盗聴された情事」と同じ範疇の作品でサスペン
ス・ロマンというかスリラーロマンというか・・・・。
しかし、そんじょそこらの三文小説とは、ひと味もふた味も違う。さすがは巨匠!。
精神科医やマフィアの若ボスを主人公にしてぐいぐいと読者を主人公と同じ視線に持っていって
しまうのである。まいった・・・。



フロスト日和 R・D・ウィングフィールド(創元推理文庫)
処女作「クリスマスのフロスト」で度肝を抜かれたが、フロックではなかった。
ウィングフィールドの筆力はすごい!
フロスト警部の行き当たりばったりの捜査・推理そして浪花節、上司のステレオタイプの描き方、
同時進行するいくつもの捜査のまとめ方、実にみごとな職人芸である。昨年度ナンバーワンに
なったのもうなずける。
ただ一つ不満を言えば・・・創元推理文庫の表紙のセンスのなさ!!ありゃひどすぎる。初めて
この本を手にする人は、絶対に買わないであろうと思わせるくらいである。
それと帯の腰巻き文のひどさ。あれでは、買うには勇気がいるし、内容(主人公)の説明には全く
なっていない。
もしこの本が売れなかったら、表紙と帯のせいだ!



マンハッタン・オプ 矢作 俊彦(CBSソニー出版)
その昔(約20年前)、FM東京で深夜に放送されていた私立探偵を主人公にしたラジオドラマ。
それの小説化である。
コンチネンタル・オプを意識した一人称で書かれ、一編が10ページ足らず・・・。
作者はアーガイルの靴下に黒のウィングチップ、キャメルのブレザー3つボタン上2つがけが
似合う?気障な(ハードボイルドな)矢作である。
場面は全てニューヨーク、内容は、探偵・依頼者・犯人・警官など登場人物すべてが気障な科白で
埋め尽くされたハードボイルド!!そして、題名はすべてジャズのスタンダードでまとめている。
いやはや、やることなすことみ〜んな気障である。これこそ矢作の真骨頂。
この後、矢作は「マイクハマーへの伝言」「神様のピンチヒッター」といったハードボイルドの
怪作(探偵物ではないが・・)を生み出した。
「マンハッタン・オプ」はシリーズで3-4作出版されたはずだが、今はもう絶版だろうなあ・・
・。



蒼穹のかなたへ ロバート・ゴダード(文春文庫)
1997年のミステリー海外部門第4位だという・・・・。
私の読み方が悪いのか・・・そんなに面白いないようかなぁ・・・。
主人公に感情移入できないし、謎を追う動機もあいまいだし・・・。
プロットは面白いのだけれど、ストーリーにも無理があるし(主人公が何故写真をわざわざ撮影
したのだろう、わからん?)



鷲は舞い降りた ジャック・ヒギンズ(ハヤカワ文庫)
ジャック・ヒギンズの代表作でもあり、冒険小説といえばこの作品と言うほど有名な作品である。
尤も本邦でこれだけ有名になったのは、内藤 陳の功績が大きいと思うが・・・。
さりとて、この作品の価値が堕ちるわけではない。
なんと言っても題名がカッコイイじゃないですか!
内容はナチスドイツ側から描いたチャーチル誘拐作戦なのだが、主人公は血も涙もない残虐非道の
SSではなく、落下傘部隊の将校である。これがもう、思いっきりハードボイルドな生き方を
しているのである。そして、もう一人の主人公、アイルランド人のスパイも思いっきり冒険野郎
なのだ。
派手なドンパチがあるわけではないが(もちろん戦争だからそれなりにはある)、むしろそこに
至るまでの過程がいいですなぁ。



女には向かない職業 P・D・ジェイムズ(ハヤカワ文庫)
この作家の文章は読みにくい。改行が極端に少ないから、余計に読みにくい。
しかしこの本には、その欠点?を補って余りあるほどの魅力が詰まっている。
ひょんな事から探偵事務所を経営することになった22歳のか細い女性が、皆に女には向かない
商売だと言われながらも、死んだボスの教えを思い出しながら健気に調査を進めるのである。
ウォシャウスキーやミルホーンのような女探偵より逞しくはないが、初々しい女探偵コーデリア
をついつい応援してしまう。
訳者の小泉女史をして、涙なくしては読めないと言わしめたラストは探偵としてではなく女性で
あるコーデリアの一面が出て秀逸。