風 邪

 

 

 


 

S男
「先生、どうも風邪ひいちゃった様なんです。」
Docトム
「おやおや、ではいつ頃からどんな症状がありましたか?」
S男
「一昨日辺りからなんですが、何か熱っぽいなあと思いながら仕事してたんです。」
Docトム
「はいはい、それで?」
S男
「その夜は食事食べる気がなくて寝てたんですけど、咳と痰がひどくて。」
Docトム
「ふむふむ・・・。}
S男
「昨日一日、薬局の風邪薬飲んで寝ていたんですが、熱っぽい感じはなくなりましたが、明日
 から出張なもんで、点滴の一つでも打って貰おうかと思って・・・・」
Docトム
「今、下痢の具合はいかがですか?」
S男
「はぁ、お腹の調子は大丈夫です。食欲も出てきたようですし・・。」
Docトム
「ちょっと、喉と胸を拝見しましょう。」
S男
「はい、あ〜〜〜ん。」
Docトム
「扁桃腺は良いですね、肺の音もきれいです。食事も食べられるようだし、点滴は必要ない
 ですね。」
S男
「え〜、先生そんなこと言わないで、お願いしますよぉ。」
Docトム
「S男さん、風邪ってどうして起きるかご存じですか?」
S男
「いいえ、知りません」
Docトム
「風邪は、ほとんどがウィルスによって起こる感染症なんです。現在はウィルスに効く薬って
 ほとんどないのですよ。」
S男
「でも風邪薬があるじゃないですか?」
Docトム
「では効能書きを読んで見て下さい、ウィルスをやっつけるとはどこにも書いてないですよ。」
S男
「じゃあ、あれは何なんですか?」
Docトム
「風邪の症状は、頭痛、発熱、咳、全身倦怠感、鼻水、咽頭痛などですよね。」
S男
「そうですね・・・。」
Docトム
「風邪薬って言うのは、そんな各症状を治す薬なんです。」
S男
「ほら、やっぱり風邪を治すんじゃないですか。」
Docトム
「いやいや・・・その。。何というか・・。」
S男
「へへ〜〜んだ。」
Docトム
「ただ、ウィルスはやっつけられないということです。風邪のウィルスは数日もすれば勝手に
 身体からいなくなってしまうのです。」
S男
「そうなんですか?」
Docトム
「そうなんです。ただその間、風邪症状を軽減するために薬を飲むんです。」
S男
「な〜〜んだ、そうなんですかぁ。」
Docトム
「その時に不摂生していると症状が長引いて、身体の抵抗力も落ちて、ついには余計な細菌の
 感染をも受けてしまうのです。」
S男
「つまり扁桃腺炎とか気管支炎とか肺炎のことですね。」
Docトム
「そうです。その時はいよいよ抗生物質の登場になるわけです。」
S男
「・・・(まるで正義の味方気取りだな)・・・。」
Docトム
「最初から抗生物質をむやみに飲んでしまうと、細菌に対して耐性が出来てしまうんです。」
S男
「話題のMRSAみたいな奴ですね。」
Docトム
「そう、MRSAもそのひとつですね。」
S男
「じゃあ、先生。昔風邪ひくとすぐ注射とか、点滴とかしたのは何なんですか?」
Docトム
「う〜〜ん、一つは解熱。もう一つは食事が充分でないときの脱水治療だと思いますよ。脱水は
 体力低下を引き起こすし、熱を上げてしまいますからね。」
S男
「なるほど〜。じゃぁ風邪をひいたら休養を充分とって体力を蓄えることなんですね。」
Docトム
「そうです。それでもダメなら注射でも点滴でもしますよ。」



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