名画座part2

 

 

 

<上映作品>

冒険者たち
夜の大捜査線
12人の怒れる男
小さな恋のメロディ
暗殺の森
ウェストサイド物語
さらば友よ
興行収入(余談)
処刑遊戯
私をスキーに連れてって
アラビアのロレンス
疑惑の影
カサブランカ
死刑台のエレベーター
けんかえれじい
動く標的
ダーティハリー
仁義なき戦い

 


冒険者たち ロベール・アンリコ監督 1966年度作品

アラン・ドロンとリノ・バンチュラ、それに蒼い瞳のジョアナ・シムカスの3人が織りなす友情と愛情と冒険の物語。青春映画と言うには皆、年を取っているが、観終わった後の胸がキュンとなるような映画はそうそう出合うことがない。
ジョアナ・シムカスは、この映画の中ではほとんど女を感じさせていないモノセックスである。もちろんそこが監督が意図するところなのだが(原作ではこの役も男だった)、海からクルーザーに上がる瞬間、顔にまとわりつくあの栗色の髪の毛を手で掻き上げる仕草は女そのものであった・・・。

ジョゼ・ジョバンニの脚本も、フランソワ・ド・ルーベの音楽もみ〜〜んな最高!!




夜の大走査線 ノーマン・ジェイソン監督 1967年度作品

これもノーマン・ジェイソン監督作品。

シドニー・ポアチエ扮する黒人刑事が人種差別の厳しい南部のとある駅に降り立つ。折り悪くその街では殺人事件が起こっていた。バックにはレイ・チャールズが唄う「In The Heat Of The Night」。
黒人嫌いな警察署長ロッド・スタイガーや住民の軋轢を乗り越え、事件を解決するポアチエはアカデミー賞モノの演技であったが、オスカーを手にしたのは白人のロッド・スタイガーであった・・・。(勘ぐりたくもなるわなぁ)

黒人刑事が事件を見事に解決し、黄色いレイバンをかけた署長がポアチエのスーツケースを持って駅で見送るシーンは実に良かった。

ちなみにフィラデルフィア警察ではこの黒人刑事の名が名簿に載っており、現在出張中扱いになっているとか・・・。やることがニクイねぇ。




12人の怒れる男 シドニー・ルメット監督 1957年度作品

本来、映画の魅力とは現実には不可能な時間の経過や、場面の変換を瞬時のうちに行えることである。
しかしこの映画で、それを期待する人は不満に思うであろう。この映画では場面は唯一つ、陪審員の部屋だけである。

スラム街で起きた殺人事件で少年が逮捕され、裁判を受けた。最終審判は12人の陪審員に任されたのである。映画はここから始まる。
有罪か無罪かは12人の満場一致でないと決まらない仕組みになっている。
ヘンリー・フォンダを始めとする、それぞれのバックボーンを持った12人の陪審員達の演技合戦を堪能すると共に、ミステリーとしての楽しみもこの映画にはある。





小さな恋のメロディ ワルス・フセイン監督 1970年度作品

マーク・レスター、トレーシー・ハイド主演のジャリタレ学園恋愛青春ドラマである。当時、キネマ旬報誌には見向きもされなかったがスクリーン誌では毎回のように特集が組まれ、果ては特別増刊号まで出てしまったほどの人気ぶりである。

ストーリーはあまりにありふれているが、何と言ってもビージーズの音楽と主演の二人が素晴らしかった。特にトレーシー・ハイド!。
カメラはそのトレーシー扮するメロディを実に魅力的に撮っている。街を歩き、バレーのレッスンをし、運動会で応援をするトレーシー。授業中にマーク・レスターを盗み見るトレーシー。

そう言えば、自分が小中学生だった頃、好きな女の子がより綺麗に愛らしく見えるのは、そんな一瞬だったなぁ・・・。




暗殺の森 ベルナルド・ベルトリッチ監督 1972年度作品

現在と過去が交錯しながら淡々と進むこの映画は、公開当時私には難解すぎて理解できなかった。そりゃ、ベルトリッチが監督しているのだから簡単なわけはないが・・・。しかし、それでも3〜4回と見続けた。本来1回観て面白くなかったら二度と観ないのだが、この映画は何度も見続けさせる魅力があった。
それは全編にファシズムの香りが漂う中、摩訶不思議なアンニュイな雰囲気をスクリーンに映し出していた。主演はファシスト青年のジャン・ルイ・トランティニャンではなく、むしろ暗殺される教授の妻ドミニック・サンダその人であろう。

特に、ドミニック・サンダとステファンニ・サンドレッリとのレズビアンを思わせるようなダンスシーンは秀逸である。数少ない彼女の出演作の中で、この映画はベストワンと言っても過言ではなかろう。




ウェスト サイド物語 ロバート・ワイズ監督 1961年度作品

何度もリバイバル上映され、その度にそれなりの興行成績を揚げ、映画の質も高く(キネ旬第4位)、面白いと言う話は聞いていた。しかし、私にとってのネックはミュージカルであることだった。

1971年3回目のリバイバルで友人に誘われ観に行った。そして不覚にも感動のあまり泣いてしまった・・・。
話の中で、いきなり唄ったり踊ったりしたら、いっぺんに興ざめしてしまい感情移入など出来ないと思っていたが、あの圧倒的な集団でのダンスや歌曲の素晴らしさに知らず知らずに引き込まれていったのである。

公開当時、映画館から出てきた若者達は皆ジョージ・チャキリスになりきって、足を高く上げて踊りながら出てきたという逸話も頷ける。
また世界の映画評でも、この映画はミュージカルの歴史を変えたという。同時に日本のTVの音楽番組のダンスも変えたと思う。
名作である・・・。





さらば友よ ジャン・エルマン監督 1968年度作品

アルジェリアの外人部隊から帰国した軍医と悪党の扮するアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン。
お互いに猜疑心に凝り固まった状態で、徐々に協力せざるを得ない状況に追い込まれた。そして極限状態の中で、知らず知らずに友情を感じるようになった。そして、あのラストシーンである。カッコ良すぎる二人である。あのタバコの吸い方、マッチのつけかた、思いっきり真似をしたなぁ〜。
ブロンソンが映画の中でやっていた、コップの中に水を満たし、その中にコインをいくつ入れられるか?の賭けもやはり真似したモンです。

この映画で忘れてはいけないもの、それはフランソワ・ド・ルーベの音楽。彼のビートの効いた曲は、良くも悪くも彼だけの物で、一部の熱狂的ファンがいるのも頷ける。




興業収入(余談)
毎年、その年のヒット映画を決めベストテンが新聞などを賑わせている。映画の内容とは別個にベストテンが決ま
っている。ただし、その指標は興行収入である。なぜ入場者数ではないのだろうか?興行収入なら、一般席と
指定席の値段の違いは考慮されているのだろうか?
毎年の映画ばかりではない。この映画は史上一番の興行収入になった・・・。などと、いかにも一番人気があるか
の如く評される。
映画館の値段は昔に比べれば、当然値上がりしている。だから興行収入がアップするのも当然である。なぜ、入場者数で競わないのだろうか?
そういえば、昔「ゴッド・ファーザーをどうしたら観れるか?」なんて特集を週刊誌が組んでいたが、そのような
観客を呼べる映画そのものが無くなってしまったために興行収入でごまかしているのだろうか?

まあ、どっちにせよ儲かった映画が良い映画ってわけではないし・・どっちでもいいや。



処刑遊戯 村川 透監督 1979年度作品

知る人ぞ知る松田 優作主演の遊戯シリーズの第3作。

「最も危険な遊戯」「殺人遊戯」に続いて村川・松田コンビが送り出す一匹狼の殺しのプロ。鳴海 昌平は今回も絶好調!。
マグナム44を手にニヒルで冷酷な殺人マシーンを松田は嬉々として演じ、村川監督は遊びも含めて凝りに凝った映像を作り出している。

中島ゆたか・森下愛子・りりい・竹田かおり等の女優陣に佐藤慶。阿藤海・山西道広・荒木一郎、その他ひと癖もふた癖もある演技陣が脇を固めている。これぞB級映画の見本とも言える。

このヒットに気をよくした東映の経営陣は、このコンビに全国ロードショーの「蘇る金狼」「野獣死すべし」を撮らせるが、悲しいかな大失敗・・・。  





私をスキーに連れてって 馬場康夫監督 1987年度作品

監督の馬場 康夫ったって誰も知らない。しかし「ホイチョイプロダクション」と言えば、これは知る人ぞ知る・・・である。

青年漫画雑誌「ビックコミックスピリッツ」に4コマ漫画「気まぐれコンセプト」でデビューし、「見栄講座」や「QTV」がベストセラーになり、フジテレビの「カノッサの屈辱」で世の若者の心をつかんだ、あの奇才集団がホイチョイプロダクションである。

彼らが三上 博史・原田 知世・布施 博を主演に、松任谷 由美の音楽を使って映画を作れば少なくとも若者達に受けないはずがない。
この映画が、若大将シリーズのパロディと知っている人が何人いるだろうか・・・?




アラビアのロレンス デビッド・リーン監督 1962年度作品

文字通り傑作!!

T.E.ロレンスの「七つの柱」(だったかな・・・?)を原作としてロレンスのアラビア時代の活躍を中心にした伝記である。
主演は新人ピーター・オトゥール。見れば見るほど彼は原作者に似ている・・・。
しかし、砂漠ってこんなに綺麗なんだぁ・・・、これが映画を観た直後の感想。
もちろん映画的にも素晴らしいのだが、如何せん長尺すぎて・・・

英国の戦略の一つとして裁くを制圧すべくロレンスを送り込んだが、当のロレンスが砂漠に魅せられすぎてしまい、ある意味英国での作戦を逸脱して暴走してしまった悲劇のヒーロー。
それがアラビアのロレンス・・・。




疑惑の影 アルフレッド・ヒッチコック監督 1943年度作品

この作品は、事件は(表面的には)起きない・死体も出てこない・脅迫もない。
しかし、にもかかわらず明らかに、紛れもなくヒッチコック作品なのである。
内容は・・・言えません。だってヒッチコックの映画なのだから・・・。

ただしこれだけは言える。主演のジョゼフ・コットンとテレサ・ライトは素晴らしい。彼の作品の中では「ロープ」と並んで異色作ではなかろうか・・・。





カサブランカ マイケル・カーチス監督 1943年度作品

主演のハンフリー・ボガートがいい!そしてイングリッド・バーグマンがいい!そしてサム役の俳優がいい!主題歌が良い!科白が良い!

「ゆうべどこにいたの?」
「そんな昔のこと覚えていないね」
「今夜逢ってくれる?」
「そんな先のこと分からない」
カッコイイ〜〜!!
こんな渋い恋愛映画・ハードボイルド映画を私は知らない。

アメリカでも日本でも、これだけ作品だけが一人歩きしている映画も珍しいだろうね。




死刑台のエレベーター ルイ・マル監督 1957年度作品

フランスのヌーベルバーグと言われた作品の一つ。

この映画が評価された一番の理由は、音楽にマイルス・デイヴィスを起用し上手くジャズの持つ緊張感を映画に生かした事だろう。
もちろん作品そのものも、主演の若きジャンヌ・モローとモーリス・ロネやシナリオも、演出も見事である。
しかし、あの狂おしいほどの緊張感、ラストシーンのショックもマイルスのトランペットがあったからこそ、成し得た物ではないかと思う。

当時からフランス映画はジャズを実に上手く使っている。本場のアメリカでも漸くクリント・イーストウッドが上手に使うようになってきた。




けんかえれじい 鈴木清順監督 1966年度作品

今では役者としての方が知名度が高い鈴木 清順監督の日活時代の作品。

当時日活はどうしようもない無国籍アクション映画が大手を振っていた頃で、その中で常に訳の分からん映画を撮り続けた清順監督の唯一分かり易い痛快アクション?映画。

主演は高橋 英樹。彼が学ランを着て頑張っているのである。
旧制中学校同士のケンカをテーマにした物だが、画面が実に躍動的である。
時代は2・2・6事件の一寸前(北 一輝が出てきているのでこの頃だろう)。

続編も企画されたらしいが、監督が日活から首を切られ敢え無くオジャンになった。
その後、清順監督は松竹で「悲愁物語」を撮るまで11年間干された。
尤もこれは目を覆うばかりのツマラン映画だった。





動く標的 ジャック・スマート監督 1966年度作品

ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーの系統を引くロス・マクドナルド原作によるハードボイルドをポール・ニューマンが好演。しかし主人公の名前がリュー・アーチャーからルー・ハーパーに変わっていた・・・。

この映画、冒頭から思いっきりハードボイルドしている。
朝もやの中、主人公のニューマンが起きて来てコーヒーを入れるのだが、その時に豆をいくら探しても見つからない。思案した主人公は、なんとゴミ箱から昨日の出がらしコーヒー豆を拾い上げて煎れるのである。
しょぼくれた探偵の味が実に良く出ていた。




ダーティハリー ドン・シーゲル監督 1971年度作品

ご存じクリント・イーストウッドの当たり役、キャラハン刑事を主人公とするダーティ・ハリーシリーズの第1作。

ホットドッグをかじりながらマグナム44をぶっ放し、消火栓から水が噴水のように噴き出す登場シーンは圧巻である。
そしてこの映画の何よりも衝撃的だったのが、適役のスコーピオである。
主人公がアクが強いので、相手もそれ以上でないとつまらないのだが、このアンディ・ロビンソン扮するスコーピオのアクの強さはタダもんじゃない・・・。
そして、ラストのあの決めセリフ・・・ムフフフ。

ところでこのラストのセリフって「仁義なき戦い」のやはりラストのセリフと同じ?




仁義なき戦い 深作欣二監督 1973年度作品

誰が何といおうと、あの映画の持っているバイタリティはすごい!。
今なお、あちこちで使われているあの緊張感あふれる音楽!
そして、あの伝説的なハンディカメラワークの躍動感!
菅原 文太、金子 信雄を始めとする東映俳優陣の迫力!
あのピラニア軍団を作った東映大部屋陣のド迫力!

そう、これが仁義なき戦いである。
なにより、5本もシリーズ化して、映画のテンションが落ちてこないで、内容がしっかりしているのはたいした物である。
しかし、あまりにたくさんを殺してしまい俳優が足りなくなり、第1作で死んだ俳優が別の役で第5作にでてきたのはお笑いですねぇ・・・。