名画座part3

 

 

 

<上映映画>

Wの悲劇
東宝
松竹
東映
大映
日活
ロマンポルノ
カリオストロの城
Shall we ダンス?
太陽がいっぱい
フレンズ
ロッキー
ウィークエンド ラブ
悪魔のいけにえ
長〜い邦題
映画音楽
黒澤 明
うなぎ

 


Wの悲劇 澤井 信一郎監督 1984年度作品

アイドルとしてではなく、役者・薬師丸 ひろ子としての一世一代の演技はお見事。
そして、その演技を引き出した澤井監督も素晴らしい。この監督にとって2本目のハズだが、初監督作品の「野菊の墓」も松田 聖子を役者として上手く起用していた。

薬師丸を囲んで、三田佳子・蜷川幸雄・三田村邦彦等の演技陣が見事にバックアップしている。劇中劇と現実をうまく絡めてストーリーが進行し、それに伴って薬師丸の顔がどんどん女優顔になっていくのである。演出の妙であろう。

三田佳子の主役を喰わんとするばかりの迫力ある演技は、まさに演技賞モンであった。アイドル主演の映画としてではなく一見の価値はあろう。

しかし、最近の薬師丸 ひろ子んは華がないなぁ・・・。




東宝
東宝といえば・・・
ゴジラなど怪獣特撮シリーズ・若大将シリーズ・クレージーキャッツ・金田一耕助シリーズ・黒澤明・社長シリー
ズなどなど
そして俳優陣は加山雄三・酒井和歌子・黒澤年男・内藤洋子・石坂浩二・三船敏郎などなど
他社と比較して映画のテーマ一つとっても非常に洗練されていて、場所でたとえるなら「成城」であろう。



松竹

松竹といえば・・・
寅さんシリーズ・小津安二郎・松竹ヌーヴェルヴァーグ・山田洋次などなど
そして俳優陣は渥美清しか思いつかないなあ・・・
この会社、喜劇もシリアスも何をやっても下町のイメージなんだよな。

そしてそして、映画の最初に出てくる、あのあまりに日本的な「夕陽に富士山」のマーク。





東映

東映といえば・・・
なんといってもやくざ映画(仁義なき戦い、任侠物)それと網走番外地・ピラニア軍団・マンガ祭り・太秦映画村
などなど
俳優陣は・・・高倉健・菅原文太・藤純子・・・たくさん思いつきすぎるのでこれ以上は書かない。
良くても悪くても、この会社のイメージほど万人に通用する物はないだろう。でもこれは凄いことではないだ
ろうか・・・?

東映のマークと言えば「打ち寄せる波しぶき向こうから現れる東映」のマーク。




大映
大映といえば
ガメラ、大魔人シリーズ・座頭市シリーズ・電気くらげ・悪名シリーズ・眠り狂四郎などなど
俳優陣は勝新太郎・田宮二郎・関根恵子・市川雷蔵などなど
今はなき大映は、古き良き邦画時代の象徴のようだ。シリーズ物も時代劇・企業物・怪獣物・色気物とテーマに
節操がなくプログラムピクチャーを量産した。
反面、「雨月物語」「地獄門」などなど海外の評価の高い作品も多い。
そして永田ワンマン社長が大映のすべて・・・だった。



日活
日活といえば
青春歌謡映画・無国籍アクション・ニューアクション・ロマンポルノなどなど
俳優陣は吉永小百合・浅丘るり子・石原裕次郎その他いっぱい!
私は嫌いでしたね、個人的には・・・。
むしろロマンポルノ路線になって、それまで干されていた監督・助監督たちが一斉に花咲いて・・・
これはよかった!。




ロマンポルノ
世の多くは顔をしかめるか、あっ俺お世話になったなあ・・・かもしれないが、見終わった後に思わず目頭を熱く
するような良い映画も多かった。
「天使のはらわた・赤い教室」「一条さゆり・濡れた欲情」「赤い髪の女」「人妻集団暴行致死事件」
「梵F情めす市場」その他いっぱい!!
監督も凄い、藤田敏八・神代辰巳・長谷部安春・田中登・根岸吉太郎・西村昭五郎・曽根中生・・・

意外な役者もロマンポルノから出発しており、今をときめく意外な人間も出演していた(女優を除く)。
古尾谷雅人・蟹江敬三・林ゆたか・風間杜夫・内藤剛志などなど・・



カリオストロの城 宮崎 駿監督 1979年度作品

ご存じTVアニメの「ルパン三世」の劇場版の2作で、宮崎駿のオリジナル脚本。原作はモンキー・パンチ。

この映画でルパン三世のファンになった人は多いのではないだろうか・・・?脚本も良く出来ていて、思わずアニメであることを忘れて(決してアニメを見下していたわけではないが)スクリーンにのめり込んでしまった。
クライマックスでのショック、画面の美しさは特筆すべきものがある。そして、何よりラストシーンでの銭形警部の一言が良いよねぇ。
「いえ、奴は貴女のハートを盗んでいったのです!。」
いやいや、銭形のとっつぁんもハードボイルドしている。




Shall we ダンス? 周防 正行監督 1996年度作品

この監督は本木 雅弘を坊主にしたり(「ファンシーダンス」)、まわしを締めさせたり(「しこふんじゃった」)・・・、この映画ではなんと竹中 直人に社交ダンスを踊らせてしまった。
それだけじゃない、主演女優の美人バレリーナ(草刈 民代)を自分のカミさんにまでしてしまったのだ。
う〜〜ん、只モンじゃない。作品もそれこそ1作毎に良くなってきている。

それにしても映画はやはり監督で決まるんだなぁ・・・。あれだけの芸達者の役者を揃えて、それを縦横無尽に使いこなしている。見事な演出力であろう。
次回作にも期待!!(監督さん、プレッシャーに負けないでね)





太陽がいっぱい ルネ・クレマン監督 1959年度作品

ご存じアラン・ドロンの出世作。
あの甘いマスク・海・サスペンス・叙情的なニーノ・ロータの音楽、ヒットしないわけがない。

そして「リプレイさん、お電話ですよ・・・」に続くショッキングなラストシーン!!
「お嬢さんおてやわらかに」でスクリーンに登場したドロンは、単に甘っちょろい2枚目だったのに、この映画では突如影のあるニヒルな青年に変身したのである。

これ以降、1970年半ばまでアラン・ドロンの映画は日本で全て大ヒット。しかし、映画作品としての評価は・・・。




フレンズ ルイス・ギルバート監督 1970年度作品

日本ではポールとミッシェルという奇妙なというか能のない副題がついた映画だが、内容は当時にすれば実にショッキングであった。なにせ14歳と13歳の少年少女が愛を交わし妊娠出産をしてしまうのだから・・・。

オリビア・ハッシーの「ロミオとジュリエット」が確か16歳と17歳のベッドシーン。
「小さな恋をメロディ」は小学生の淡い初恋物語でキスシーンもなし。
そんな時代に大胆なベッドシーンと出産シーンである。話題になったのも無理はない。
でもアニセ・アルビナは可愛かったなぁ〜・・・。グラマーでもなく、顔も日本人好みでで、それなのにあんな大胆な演技を・・・。

数年後、大学に行っている二人を描いた「続・フレンズ」は思いっきり駄作だった。唯一の救いは成熟したアニセ・アルビナの可愛さだけであった。




ロッキー ジョン・G・アビルドセン監督 1976年度作品

無名の監督と無名の役者シルベスター・スタローンを映画の内容と同時に世界的に有名にした、文字通りアメリカン・ドリームを実現した作品。

この後、スタローン自身が監督して第5作まで作った。
どの作品も、ストップモーションで終わり、次の作品は、そのショットから始まるという、お洒落だが如何にも続編のあるよと言っているような演出である。

タイトルマッチが終わった後リング上で「エイドリア〜〜ンッ!!」と恋人を呼ぶ第1作も良いが、主題歌「アイ オブ ザ タイガー」がヒットした第3作目が秀逸!
アポロとの練習試合(スパーリング)でクロスカウンターを出した瞬間にストップモーションになり、そしてセピアカラーになる・・・思わず鳥肌が立ちました。





ウィークエンド ラブ メルビン・フランク監督 1973年度作品

英国の名優グレンダ・ジャクソンとジョージ・シーガルががっぷりと四つに組んで非常に気の利いた大人のラブコメディ。

ストーリーは絵に描いたように陳腐である。バツイチの中年女性と妻子持ちがくっついて別れる話である。
しかし、その演出力と演技力はお見事。かなりセックスの話題が絡んでいるので、一歩間違えればかなり下品になってしまうところ、それを軽妙にソフィスティケイトされたウィットに変換されている。

この映画のキャッチコピー「楽しみなさい1週間だけなら、でも本気なら別れなさい」




悪魔のいけにえ トビー・フーパー監督 1974年度作品

「心臓の弱い方はご遠慮ください」
このコピーで有名なホラー映画のハシリである。

この手の映画としては「ゾンビ」と双璧をなす。映画的には「ゾンビ」の方が明らかに上だろうが、本作の方がその勢いは圧倒的に勝っている。
電気ノコギリや血飛沫は公開当時も今もショックであるが、なにより主人公の理屈も理由もない、バイオレンスと言うより狂気は観る者を釘付けにする。「理屈のない怖さ」とはとんでもない物だ。
そして、あのラスト・・・・な・何なんだ、あれは!

トビー・フーパー監督にスピルバーグが映像作家として注目したのも納得できる。




長〜〜い邦題
最近は洋画の題名を、そのまま日本語読みにしてカタカナで上映されることが多い。尤も芸のない陳腐な邦題を
つけられて良い映画なのにヒットしなかった・・・なんてことがないようにだろうが。

以前は、監督さんの意向で原題をそのまま邦訳して上映された映画があった。またそんな映画に限ってとんでも
なく長い題名なのだ。
「マルキ・ド・サドの演出によりシャラントン精神病院の患者たちによって演じられたジャン=ポール・
マラーの迫害と暗殺」

せっかく、そのまま邦訳されたのに間違って訳されてしまい、そのまま上映された映画もある。
「博士の異常な愛情、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」
スタンリー・キューブリック監督 1964年度作品
博士の異常な愛情ではない!Dr.ストレンジラブと言う固有名詞である。迷訳・・・




映画音楽
映画と音楽は切っても切れない深い繋がりがある。それはトーキーの時代になってますます顕著になった。

映画の内容を忘れても、音楽だけが一人歩きした物もある。
映画のクライマックスに流れたあのメロディを忘れられないこともある。
音楽を聴いて、映画の場面を思い出し涙したこともある。
音楽を聴いて、出演者と同じく口ずさんだり踊り出すこともある。
そして、音楽を気にしながら映画を見ていくと、自然と作曲家の特徴が分かってきて、そのうち
好き嫌いが出てきた。
フランシス・レイ、ヘンリー・マンシーニ、ミシェル・ルグラン、フランソワ・ド・ルーベ、ラロ・シフリン
モーリス・ジャール、ジョン・バリー、クインシー・ジョーンズ、ビル・コンティ、ジョン・ウィリアムス、
たくさんいるなあ・・・。



黒澤 明

平成10年9月6日また邦画の、いや世界の映画界の巨星が一人逝ってしまった・・・。

映画の好き嫌いはあるだろうが、彼ほど圧倒的な影響力を持った映画人はこれからの日本映画界に現れるだろうか?
処女作「姿 三四郎」をはじめ「酔いどれ天使」「羅生門」「天国と地獄」「生きる」「用心棒」「椿 三十郎」「蜘蛛の巣城」「隠し砦の三悪人」「七人の侍」「赤ひげ」「野良犬」・・・まだまだ想い出の作品はいっぱいある。
黒澤の魅力は、何と言っても娯楽性に尽きると思う。たとえご大層な事を言っても観衆にそっぽを向かれてはダメである。それを彼は、娯楽の中に言いたいことを忍ばせて映画を作ったのである。人間の(日本人のではない)娯楽性には普遍性がある。だから世界中で認められたのだ。
しかし、私は「どですかでん」以降の黒澤作品は認めない。何故か?面白くないからである・娯楽性が欠落しているのである。たとえ評論家が誉めたとしても・・・だ。
また昔のような痛快娯楽作品を撮ってくれないかなぁ・・・と思っていた矢先の訃報である。謹んでご冥福をお祈りいたします。

「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」監督の言葉・・・名言。




うなぎ 今村 昌平監督 1998年度作品

「カンヌ映画祭」でグランプリを獲った話題作!の割にヒットしなかった映画。なんでだろう・・?誰かが言っていたけれど、やはり題名が悪いんじゃないかねぇ。

内容はそれなり、でもグランプリを受賞するほどの映画じゃないと思うけれどなぁ。
役所 広治・佐藤 允・柄本 明・清水 美沙・常田 富士男、出演陣は頑張っているよなぁ。
この映画を見終わって何か心に引っかかるモノがあった。・・・そうかっ!!フランス映画「暗黒街のふたり」とほとんど同じなんだ。
刑期を終えて出所した男(アラン・ドロン)は保護司(ジャン・ギャバン)の暖かい愛情に見守られながら、必死に更正の道を進んでいた。そして銀行員の恋人(ミムジー・ファーマー)も出来て幸せな日々を送っていた。
そこへ、昔自分を刑務所送りにした偏執的な刑事が現れ、男に執拗に迫ってくる。ついには恋人の自宅にまで押し入り、迫ってくる。ついに我慢の限界に達した男は、刑事の首を絞めて殺してしまう。保護司や弁護士の懇願もむなしく校死刑になってしまう。

「うなぎ」の方が未来があるラストシーンであった。