名画座part4

 

 

 

<上映映画>

淀川 長治
ロック映画
スティング
愛と青春の旅だち
シャーキーズ マシーン
2001年宇宙の旅
007 ドクター・ノオ
007 ロシアより愛を込めて
007 ゴールドフィンガー
007 サンダーボール作戦
007は二度死ぬ
007 ダイヤモンドは永遠に
大脱走
青春の蹉跌
ジーザス・クライスト
スーパースター
あの胸にもういちど
チャイナタウン
アメリカン グラフィティ

 


淀川 長治

先日、映画評論家の淀川 長治氏が亡くなった・・・。
今年は黒澤 明と淀川 長治と二人の映画界の重鎮が消えてしまった年になる。個人的にも映画界にも大変なショックな年になってしまった。

淀川氏は単に映画評論家の肩書きだけでは済まされないほど、日本の映画産業に影響を与えた人物である。一般的には「日曜映画劇場」の名解説で通っているが、映画解説だけではなく、立派にそしてシビアな眼で映画を批評出来る数少ない映画評論家であろう。映画会社のタイコモチ的批評だけで、まともな映画評論が出来ない映画評論家が数多くいる中で、彼は映画を心より愛して、そして温かい目でシビアな批評が出来るのである。もちろん、タイコモチ的批評を頭ごなしに否定できるモノではない。それがないと映画は興行的に成り立たないからである。しかし。映画の宣伝(布教と言っても良いか)と評論は一線を画すべきである。

いずれにせよ、もう彼のような映画評論家は出ないであろう。これからの日本映画産業はどうなってしまうのであろうか?ロクでもない映画を相変わらず垂れ流すだけなのだろうか?
天国で淀川氏がしかめっ面していますよ!邦画関係者よ!!
「もっと映画を観なさい」
「もっと映画を勉強しなさい」
「もっと映画らしい映画を作りなさい、テレビに負けるな」・・・と。
この次は、小森のおばちゃま・・かなぁ・・・(^_^;





ロック映画

変なテーマですけれど・・・

昔はロックというとコンサート映画が一般映画館でも結構上映されたのだが、最近はほとんどそのようなことはないようだ。
「レット・イット・ビー」ビートルズ
「ラスト・コンサート」ザ・バンド
「フィルモア最後のコンサート」
「ウッド・ストック」
「バングラデッシュのコンサート」ジョージ・ハリソン
「キャロル」
「ローリング・ストーンズ」
「ウィングス・ライブ」「ポール・マッカートニー
「エルビス・オン・ステージ」エルビス・プレスリー
「叫熱のライブ」レッド・ツェッペリン

思いつくだけでもこのくらいはすぐに出てくるなぁ・・・。

映画館に動員できるほどカリスマ性を持ったミュージシャンがいないのか?ビデオフリップが発達したせいか?
あっ!これみんな60〜70年前半にかけてもモノだ。と言うことは、単に当時流行ったと言うだけなんだろうか?
でも、懐かしいなぁ。




スティング ジョージ・ロイ・ヒル監督 1974年度作品

当時はまだ今みたいにビデオなんか当然なかった。レンタルビデオ店なんかも当然なかった。だから、面白かった映画や、もう一度みたい映画は、その都度映画館に通わないといけなかった。この映画は、私にとってそんな映画の1本である。

監督・出演者は、かの名作「明日に向かって撃て」と同じである。しかし内容は全く違った。ポール・ニューマンは「ハスラー」を思わせるような渋い演技とカードさばきを見せてくれ、ロバート・レッドフォードは若いながらも必死にポール・ニューマンについていき成長を見せてくれた。もちろん脇役も充実している。この手のストーリーはむしろ適役が強烈でないと観客を引きつけない。
私が映画館でこの映画を観たときに、映画が終わって、ある初めての経験をした。なんと、スクリーンを見ていた観客から拍手が起こったのである。長年、映画館に通ってこんな経験は初めてだった・・・。

当時、この映画のキャッチコピーは「ラストシーンは決して人に話さないでください」





愛と青春の旅立ち テイラー・ハックフォード監督 1982年度作品

なんてつまらない陳腐な邦題をつけるのだろうか?まるで時代が30〜40年逆行したようである。でも、内容はすっごく面白かった!!

屈折した青年リチャード・ギアが苛酷な訓練を団体生活の中で異性愛・人間愛に目覚めて次第に成長していく姿を、真っ正面から正統的に描いた傑作であろう。
アメリカの軍隊生活(士官養成学校)を見ることができるといったのぞき見趣味的な興味もあったが、何より共演者があまりに魅力的であった。特に鬼軍曹役のルイス・ゴセット・ジュニア!!かっこいい〜〜!儲け役である。

卒業シーン、そしてあのラストシーンは、そうなると分かっていながらも、不覚にも涙してしまった・・・。




シャーキーズマシーン バート・レイノルズ監督 1981年度作品

主演者が監督しているんだから当然自分が一番カッコイイのだが・・・。
バート・レイノルズは昔は雑誌にオールヌードを出したりフェロモンむき出しの「セックスおやぢ」って感じだったが、最近は実に渋みが増していいよねぇ・・・。

音楽も趣味の良いこと・・・。ランディ・クロフォードの「ストリート・ライフ」、マン・トラの「ルート66」などを効果的に使い、あの「マイ・ファニー・バレンタイン」を何と自分で唄っちゃっているんだと、これが。
脇役も渋いところを集めている。ブライアン・キース、ヘンリ・シルバ、チャールズ・ダニングそして、ヒロインにはレイチェル・ウォード。でも個人的には、映画が始まってすぐに殺されてしまう、盲目の東洋人売春婦を演じた女優さん(無名)が印象的、というか吸い込まれるような瞳が気に入っている。
ちなみに、この映画は犯罪映画、というか警察モノである。




2001年宇宙の旅 スタンリー・キューブリック監督 1968年度作品

言わずと知れたSF 映画の傑作というか名作である。
これだけ有名な映画なのに出演者の名前を言える人がどのくらいいるだろうか?
ちなみに私は一人も言えなかった。監督の名前しか言えない・・・。そのくらいこの映画は“キューブリックの映画”なのである。
類人猿がある瞬間から道具を使えるようになってから一転して宇宙ステーションに画面か変わる場面は、「ツァラトゥストラはかく語りき」から「美しき青きドナウ」に変わる音楽と共に映画史上に残る名シーンである。

無重力状態の中でコップに刺したストローの中のジュースが下に落ちているなどと重箱の隅をつつくような中傷も名作ならではのことであろう。
ちなみに、この映画の中で反乱を起こしたコンピューターHALはIBMのアルファベットを一文字づつずらして付けた名前というのは有名なエピソード。





007ドクター・ノオ テレンス・ヤング監督 1963年度作品

この後、6本続けて007シリーズ。なぜ6本だけかというと、ショーン・コネリーが演じたジェームズ・ボンドが好きだから・・・。

記念すべき第1作目の本作は公開当初「007は殺しの番号」と何ともナサケナイ邦題がついていた・・・。
ボンド・ガールはアーシュラ・アンドレス、敵役はジョゼフ・ワイズマン。この頃はまだボンド・ガールなんて言い方はしていなかったし、たぶんシリーズかも考えていなかったのではないか。

改めて観ると、地味な映画ではあるが、シーンの端々にセンスの良さが伺える。原題の邦画のそのセンスには負けているかも・・・。




007ロシアより愛を込めて テレンス・ヤング監督 1964年度作品

007シリーズ第2作目。公開当初は「007危機一発」だって・・・。前作といい、何とまぁ間抜けな邦題をつけたモンだ。それに危機一髪じゃなくて危機一発だってやんの。宣伝マンの国語力を疑うね・・・。

しかし内容はシリーズ中3指に入るほど素晴らしい。敵役の殺し屋、ロバート・ショウや女殺し屋のロッテ・レーニヤが渋くてカッコイイ。そしてボンドガールはダニエラ・ビアンキ。シリーズ中ジェーン・シーモア(007死ぬのは奴らだ)と1・2位を争そう美人で、色っぽくて知的で清楚で・・・。
それ以外にも小道具が凝っている。いつも今度はどんな秘密兵器が出るのか楽しみだが、本作がその始まりだろう。
音楽も、毎度おなじみの「ボンドのテーマ」以外に主題歌がついた。マット・モンローが歌って大ヒットとなり、以後お楽しみの一つとなった。




007ゴールドフィンガー ガイ・ハミルトン監督 1964年度作品

監督がガイ・ハミルトンに替わったシリーズ第3作目。

ジェーズ・ボンドの気障さにますます磨きがかかった本作は、レーザービームという新しい兵器が出てきた。と言っても今じゃ珍しくないが、当時は観客はビックリしたであろう。
敵役は、ゲルト・フレーベの他、ハロルド・坂田なる人物が不気味さを添えている。ラストのボンドとの一騎打ちは見物である。ボンドガールはオナー・ブラックマン、シャーリー・イートン。共に余り日本人好みではないなぁ・・・。

主題歌はなんとシャーリー・バッシーが歌って世界的に大ヒット。





007サンダーボール作戦 テレンス・ヤング監督 1965年度作品

何故か監督がまたテレンス・ヤングに戻ったシリーズ第4作。個人的には一番つまらなかった。

秘密兵器はだんだん大がかりになってきて、ロス五輪の開会式で使われた「背負いロケット」に乗ってボンドが大活躍する。その他、水中ソリや水中戦車、そしておなじみのアストン・マーチンも大活躍する。
ボンドガールはジュリー(沢田研二)と共演したことがあるクローディーヌ・オージェ。敵役スペクターの親玉にはアドルフォ・セリ。
主題歌は、御大トム・ジョーンズが唄っている。




007は二度死ぬ ルイス・ギルバート監督 1967年度作品

シリーズ第5作目はいよいよ日本が舞台となった。制作裏話は日本側の出演者、丹波 哲郎が盛んにTVで話している。ボンドガールも当然日本人で浜 美枝、若林 映子。なにせボンドが唯一結婚した相手が浜 美枝なんだから役得である。
敵役はあのドナルド・プリーゼンス。ボンドカーも日本に敬意を表してかアストン・マーチンではなく、あの名車トヨタ200GTである。
ボンドの直属の上司Mや秘書のミス・マネーペニー、秘密兵器係のQは相変わらず健在であるが、ストーリーもたいしたことない。
まぁ、日本が突拍子もないほど時代錯誤に描かれていないのが本作の取り柄か・・・。
あっ、もう一つの取り柄があった。主題歌である。フランク・シナトラの愛娘ナンシー・シナトラが唄った。今までの主題歌とはだいぶ曲調が違うが、良い曲です。




007ダイヤモンドは永遠に ガイ・ハミルトン監督 1971年度作品

本来なら、第6作の「女王陛下の007」が順序通りなのだが、これはショーン・コネリーが降板したため代役としてジョージ・レーゼンビーがボンド役を演じたのだが、これがひどいの何のって・・・。それでもって通算第7作目にあたる本作はめでたくショーン・コネリーが復帰。尤も、この後からはロジャー・ムーアに本格的に代わった。

それWにしても本作のショーン・コネリーは頭は禿げてきたは、腹は出てきたは、アクションは青息吐息だは・・・、いやいや悲惨でした。
でも何故か個人的にはシリーズ中一番のお気に入りなのである。ストーリーは毎回そんなに変わりないけれど、本作の細かいシーンやカットが目に焼き付いている。
ボンドガールは、ジル・セント・ジョンとナタリー・ウッドの妹のラナ・ウッド。
敵役は相変わらずスペクターでチャールズ・グレイが演じている。

主題歌は2回目の登場、シャーリー・バッシー姉御。





大脱走 ジョン・スタージェス監督 1963年度作品

決して名作とは言えないだろうし、映画史のベストテンには入らないだろうが文句なしの傑作である。主演者の名前を挙げるだけでこのページ全部を使ってしまうほどスターをたくさん使って(当時はまだスターじゃなかった・・?)いるが、それぞれが顔見せだけで終わっていないところがスゴイ!。強いて目立つ出演者を挙げれば、やはりスティーブ・マックイーンであろう。

ゲシュタポを相手に総勢250人の連合軍士官の脱走劇であるが、一番印象に残っているのが、マックイーンが独房に入れられたときの、若いドイツ軍の看守兵の悲しいような虚しいような眼であろう。
結局は壮大な反戦映画なのである。
映画館を出ても耳に残っているあの口笛のテーマ音楽は、エルマー・バーンスタインが作曲している。




青春の蹉跌 神代 辰巳監督 1974年度作品

助監督は長谷川 和彦、撮影は姫田 真佐彦、出演はショーケンこと萩原 健一、桃井 かおり、壇 ふみ、その他。
こうしてみると壮そうたるメンバーが集まっている。なにせ日活の神代監督が東宝でメガホンを取っているのだから、それだけでもスゴイ。当時はすでに邦画の衰退が騒がれていたのに、これだもん・・・。会社としては相当力を入れていたのだろうね。

ストーリーは石川達三の原作を読めばいいのだから、ここには記さない。
ショーケンと当時はまだ新人の桃井 かおりの存在感はスゴイの一言。それだけで映画を引っ張っているような気さえした。それに引き替え、壇 ふみのお粗末さはこれまたスゴイ。
「エンヤートット・エンヤードット」と口ずさむ萩原の口癖のような鼻歌が、焦燥感をうまく表現している。果たして、監督のアイディアか?それともショーケンか・・・?




ジーザス・クライスト スーパースター ノーマン・ジェイスン監督 1973年度作品

ノーマン・ジェイスンというと「シンシナティ・キッド」や「夜の大走査線」といったハードなタッチのイメージがあったので、私の中ではミュージカルというかロック・オペラとはかけ離れた存在だった。
が、見始めるとド肝を抜かれるような圧倒的な映像と歌とダンスの調和、そしてその感性にビックリ。題材も凄いけれど(尤も原作あり)、それを完全にノーマン・ジェイスンの色に染めているのである。

エルサレムへの行進・ユダの裏切り・最後の晩餐・ユダの自殺・イエスの処刑とキリストのエピソードに沿って映画は進み、そこに挿入される歌(ロック)と圧倒的な迫力のダンスシーンは、あまりにマッチしているのである。キリスト役のテッド・ニーリーは僕の想像しているキリストにそっくり・・・。

そして、この映画の最大の特徴はユダを黒人として、マリアを黄色人種としたところ。





あの胸にもう一度 ジャック・カーディフ監督 1967年度作品

はっきり言ってこの映画のストーリーはあまり憶えていない。
そして憶えているのはバイク(ハーレーダビッドソン)と主演のアラン・ドロンとマリアンヌ・フェイスフル、そして二人の官能的なラブシーンだけ・・・。

悪魔のような男に魅せられた女が、素肌にジャケットをまとい、男の許へバイクを走らせる。彼の唇・手が自分の身体をまさぐる、その官能を思い起こしながらバイクでひたすら走る。そして、やっと彼の許の近づいたその時・・・、悲劇が起こる。

確かそんなストーリーだったと思ったが、この映画で一番印象的なのは、ストーリーではなく「映画の色」である。具体的には説明できないが、映画全体に色があるのである。それもカーディフ監督の色が・・・。
そして、繰り返すが二人のラブシーンとマリアンヌ・フェイスフルの官能的な肢体が・・・。




チャイナタウン ロマン・ポランスキー監督 1974年度作品

まるで原作でもあるかのような・・・。チャンドラー以上にチャンドラーらしい作品。今までの、どの探偵ハードボイルド映画より、探偵ハードボイルド映画らしい作品。

それが、この「チャイナタウン」。

「イージーライダー」「ファイブイージーピーセス」で一部で評価されたジャック・ニコルスンだが、この映画で完全にスターダムにのし上がった。
主役のジャック・ニコルスン、フェイ・ダナウェイ、脇役のジョン・ヒューストン、ちょい役で観客の目を釘付けにしたロマン・ポランスキーと全てがはまっている。

登場人物の仕草・服装・30年代のロスの街の雰囲気、全てが完璧。
ハードボイルドの精神を持った人間が作った最高のハードボイルド映画である。




アメリカン グラフィティ ジョージ・ルーカス監督 1974年度作品

映画が始まると同時に「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が流れ、そしてMelsドライブインに三々五々集まる若者が映し出される。もう、これだけで映画の中に完全に入り込んでしまった。

若き日のリチャード・ドレイファス(今や大スター)、ロニー・ハワード(今や大監督)などなどが生き生きとスクリーン狭しと車で動き回り、それを応援するようにラジオから流れる伝説のウルフマン・ジャックの声。もうサイコ〜〜ッ!!
ラストシーンは、「アメグラ式」と言われるようになった各登場人物のその後がテロップで流れるという当時では珍しいやり方でであった。

なんと、制作がフランシス・フォード・コッポラである。