差別選別、格差教育を全面的に推進する「大阪の教育力」向上プラン反対! 大阪府教委の全国学テ市町村別正答率の公開強制に抗議する! |
(1)橋下知事は、全国学力テスト45位という結果に対して「このザマはなんだ」と教育委員会と教職員をののしり、「教育非常事態宣言」を発しました。マスコミを最大限利用して教育危機をあおり、橋本教育政策に反対する教育委員会を「くそ」呼ばわりして攻撃し、教育へ露骨な政治介入をはじめました。 橋下知事は、府教委に対して市町村別正答率の公表を「指示」し、公表に慎重な市町村に対しては、「できが悪いから公表できない」「教員がにげているだけ」と圧力をかけ、しまいには「公表するかどうかで補助に差をつけなければならない」と、恫喝を加えました。これ自体行政による教育への不当介入であり、教育の自由と独立性を完全に無視する違法行為です。 多くの市町村教委が橋下発言に反発し、「競争をあおるだけ」だと慎重姿勢を示しているが、すでにいくつかの市町村で公表への動きが始まっています。すでに柏原市、摂津市、堺市、等で公開を決めています。今後、公表していない地域に対する個別攻撃が始まり雪崩を打って公表の動きが広がるのは必至です。 文部科学省は、これまで全国学テの市町村別公表に否定的でしたが、橋下知事の公開要請を機に容認する姿勢に転換しました。都道府県教委が市町村教委に公表「要請」を行ったのは大阪が初めてです。公表している都道府県もまだまだ少数で、多くの都道府県教委・市町村教委は慎重です。全国的にも大阪が学校を市場主義と競争主義に投げ入れる先導を果たそうとしており、極めて犯罪的です。 わたしたちは、大阪での全国学テの公表に断固反対します。橋下知事と府教委の市町村教委への公表強制に抗議します。全国学テそのものの中止を要求します。 (2)橋下は、教育委員会を牛耳ることで、トップダウンで教育を変えていこうとしています。 まず、教育委員攻撃を行い、自分の意に沿う教育委員を任命しようとしています。9月府議会では、2名の再任を拒否し、新たに「百ます計算」の蔭山英男と「小河式プリント」の小河勝、さらには文科省中教審委員小川正人を教育委員に入れることを目論んでいます。教育3法の改悪で教育委員会の権限が強化されたことを利用して、教育委員に実質的な決定権を持たせ、自らの教育政策を推進しようとしているのでです。東京都の石原知事が、教育委員に自らのブレーンを任命し、トップダウンで次々に「教育改革」を行ったやり方と全く同じです。極めて危険な動きです。 (3)大阪府教委は、市町村教委への学力テスト公開要請を2日間躊躇しただけですぐに知事の意向を受け入れました。しかも、4日には、橋下知事の「重点政策」を全面的に取り入れた「大阪の教育力」向上プラン(素案骨子)を発表しました。 「大阪の教育力向上」プランは、今後10年間の長期教育プランとして、府教委が改悪教育基本法、改悪教育3法を具体化するために2007年7月大阪府学校教育審議会に諮問していたものでした。7月に出された答申には、改悪教育基本法の教育目標である、愛国心と道徳教育、「伝統文化教育」と規範意識が「大阪の子どもたちにはぐくみたい力」として盛り込まれました。橋下知事は、全国学テの低迷をテコにして、自らの「重点政策」=新自由主義的政策を「プラン」の中に色濃く反映させました。小学校1年生からの習熟度別学習、大阪府学力テスト、大阪版「夜スペ」の導入、「日本一の公立高校作り」等々。「プラン」は、大阪府教委と橋下がタッグを組んで作り上げたもので、内容的には改悪教育基本法の具体化と橋下の新自由主義的教育政策が一体化したものです。早急に検討し、全面的な批判を準備していかなければなりません。 (4)「プラン」の特徴は、@競争と差別化による学力向上策。この3学期には大阪府学力テストを小学校4年から中学校3年までのすべての子どもたちを対象にして始めようとしています。全国学テと大阪府学テで、学校をテストと競争漬けにしようとしているのです。また、橋下が「重点政策」で主張していた、全市町村での習熟度別学習や放課後学習指導(「おおさか・学び舎事業」)も秋からの具体化が盛り込まれました。 A公立エリート高校作り。普通科高校を中心に、大学進学率の数値目標化などを推進している「次世代をリードする人材育成研究開発重点校(エルハイスクール)」「経営革新プロジェクト事業」をすべての高校に広げることを課題にあげ、「進路指導に特色のある専門学科や専門コースの設置」を方針としてエリート育成に重点を置いています。 B若い教員を対象にしたOJT研修や管理職育成のための「キャリアステージに応じた研修制度」などの官製研修と評価育成システムの強化による教職員支配の徹底。「がんばっている」教員を応援することを名目に評価育成システムを昇任や給与への反映幅の拡大をもくろんでいます。また、「指導が不適切な教員を現場からはずす」ために「指導力不足教員に対する分限免職の厳格な適用」を計るとしました。 C学校間競争を加速させる「学校評価」の強化と府民への公開の促進。校長のリーダーシップの強化のもとで校長−教頭−首席・指導教諭−「ミドルリーダー」−教員の上意下達の学校運営組織の徹底。教育委員会内に校長「支援チーム」の設置。 D大阪の人権教育の最後的な破壊。在日外国人教育、同和教育、男女平等教育、障がい者教育などの具体的教育課題を「道徳」と関連づけた規範教育の中に取り込み、変質させる。 (5)「大阪の教育力」向上プランは、橋下と府教委が共同した教育への本格的な不当介入・支配政策の柱となるものです。全国学力テストとその公開は、教育現場を「プラン」で走らせる絶大な圧力になるものであり、両者を切り離すことはできません。 橋下は、「プラン」について府民から意見を募ったあと、年内に最終案をまとめ、来年度の予算編成に反映させるつもりです。しかも、この秋から府教委は、現場での議論も予算的措置もあいまいなまま、習熟度別学習や大阪府学力テスト、放課後学習指導などを、見切り発車しようとしています。また、全国学テ公表に関しても、市町村教委の中に強い不満と躊躇が存在しています。 橋下と府教委の「教育改革」を許すのか否か。これまでの大阪で培われてきた教職員運動、人権教育運動にとって試金石になることは間違いありません。この秋から、橋下と府教委の「大阪の教育力」向上プランの危険性を広く暴露し、反対の声をあげていかなければなりません。 2008.9.15 |
「大阪の教育力」向上プランに対して、大阪府教委へ意見を集中しよう! 大阪府教委が「大阪の教育力」向上プランへのパブリックコメントを実施中(11/30まで) 府教委HPからアクセスし、意見を集中して下さい。 |