広島県教委が教室から「平和カレンダー」を撤去


 「ヒロシマを忘れるな!ヒロシマを忘れたとき、再びヒロシマが繰り返される」という被爆者の叫びをもとに広島平和教育研究所が編集した「ヒロシマ平和カレンダー」が県教委の指導によって学校の教室から撤去されていっています。県教委の意向を受けて各市教委は、校長に対して撤去するように「指導」を強めています。この春民間人校長の「自死」事件の起こった尾道市教委は、校長に対して教職員への対応マニュアル(「校長手持ち資料」)まで配布しました。画一的で、行政的な学校支配の典型を見るようです。
 「平和カレンダー」の撤去は、平和教育への攻撃の一環です。現場では、道徳の公開研究会など日々上から強制される「教育改革」によって、平和教育を実施する余裕が奪われ、たとえ実施しようとしても「どこの教科に位置づけたのか」「指導要領のどの部分に関わっているのか」「授業時数はどのようにして捻出したのか」など、管理職が事細かにチェックする職場が増えているとのことです。全国で先頭を切ってがんばってきたヒロシマの平和教育への攻撃は、広島だけの問題ではありません。 

広島の教職員から生々しい実態が寄せられました。

 撤去の理由は、「数年前には手当主任の拠出金がカレンダーの作成資金になっている」「総合的に判断してこの学校にそぐわないのではずしてください」「あのカレンダーは学校として受けつけてない。いつ学校にきたのか知らなかった」など言ってましたよ。
 わたしがはずすと言わないので、最後は「上司である校長が言っているのに意に添えないというのですか?」と言われました。職命かどうかの確認をしたのですが、それには返事をしませんでした。
 正面きって「はずせ」と強行できる根拠はないようです。ですが、教頭をつかったり、職場の雰囲気で『掲示しないほうがいいのよ』という圧力をかける動きは全県的(地域差はありますが)にひろがっているようです。とくに、公開研究会がある日などは、学校から一斉に平和カレンダーが消えるという恐ろしいことが日常的に行なわれています。


資料 尾道市教育委員会作成 校長手持ち資料
                     (用紙の形は、変わっています)

平和カレンダー撤去に係るシナリオ

1 教頭への投げかけ
 教室等に「平和カレンダー」が掲示されているのではないかと思うが(掲示されているが)、教頭は見ていないか(気付いているか)。

 (1)承知している場合  → 教頭として、そのことをどう受け止めているか。 (回答させる)
                 → 私は掲示することは教育の中立性から好ましくないと思                                う。教頭も考えて欲しい。

 (2)承知していない場合 → 授業参観や戸締りのときなどに、確かめてみなさい。
                    後日、その実施を報告しなさい。

2 掲示の確認
 授業参観や戸締り等の時間に、掲示の有無を確認する。
  ・ 別物が重なっていたりする場合がある。
  ・ 特別教室や保健室等も確認のこと。
  ・ 掲示の事実を確認する。

3 職員への指導
 校内(の何箇所か)に、「平和カレンダー」が掲示されているが、教育活動を進める上において(教育活動推進上)好ましくないと考えるので、○月○日までに外していただきたい。

4 職員の反応への対応(職員の質問に対して)

1 教育委員会から言われたのか
協議はした。最終判断は校長である私が行った。

2 去年までは何も言われなかった。なぜ今になって言うのか。
校長として判断した結果である。

3 平和教材として使えるものだし。外す必要はない。
教材であるならば、私が判断して教育委員会へ届けを出さなければならない。教材としての有効性を(文書で)整理して欲しい。

4 組合に対する攻撃か。
 「組合」といわれるのであれば、勤務時間中の組合活動であり、地公法に反すると理解するが、よいか。組合の指示であるならば、なおのこと承知できない。すなわち、組合活動を教室・校内に持ち込むこととなり説明できない。
 そもそも平和カレンダーはどのようにして学校へ届けられているのか、私は承知していない。校務分掌上の担当者宛届けられたのか、それとも別に届けられたのか(職員の回答は求めない)

5 すべてが校長宛には届かないはずだ。
 そのとおりである。しかし、校務分掌上の担当者宛であれば、送付の趣旨が書かれているはずであり、きちんとした説明を聞くことができる。
 平和カレンダーについても、説明していただけるか。(返事は求めない)

6 掲示物はすべて校長を通す(承認を得る)ことになるのか。
 学校の管理責任者である以上、そのような考えである。
 しかし、本稿の職員として、教育目標の達成に向けた教育活動においてできた作品等については、事前承認までを求める考えはない。(不適当と判断すれば、外すように指示することはある)
 ただし、常識として、掲示期間・掲示場所・掲示内容等の分類等はきちんと意図を持ってやってもらいたい。

                               もどる