枚方「スミぬり裁判」(住民訴訟)9・8棄却判決の意味 ひらかた「君が代」訴訟=スミぬり裁判をすすめる会 松田浩二 |
■ 原告らの請求を棄却する ■ 2005年9月8日、いつもの大阪地裁806号法廷で、枚方「スミぬり裁判」(「君が代」不起立調査・住民訴訟)の判決が言い渡された。よほど大きな事件でもないかぎり、判決言い渡しは午後1時15分からのわずか15分足らずの時間帯に、多いときで5〜6件の事件がひとくくりにされて言い渡される。書記官が事件番号を読み上げるやいなや、裁判長が主文だけを機械的に朗読する。感慨に浸る間もなく次の事件当事者との入れ替えがあわただしく行われ、それを待ちきれない書記官が、せき立てるように次の事件番号を読み上げる。行政事件の判決では、被告代理人(弁護士)すら法廷に姿を現さないのが普通の光景だ。そして勝率が1割に届くかどうかといわれる行政事件では、原告の笑顔が見られることはめったにない。 2003年6月25日の提訴から2年2ヶ月が過ぎている。午後1時15分。意外なことに、この日、判決言い渡しはこの1件だけ。806号法廷は、いつものように私たちだけの占有空間となり、開廷前のゆったりとした時間が流れた。担当書記官と話をする。判決文は原告全員の分がすでに用意されているので、開廷前にあらかじめ受領手続きをしてほしいという。いままで繰り返し行われてきた出欠点呼のセレモニーが、最後の土壇場になっても再現されるとは思ってもみなかった。ひとりひとりの原告が名前を呼ばれ、受領印を押す。あるいはサインをする。これではいつもの判決言い渡しのように、流れ作業に組み込んで片づけるというわけにもいくまい。 私はいつも通りに原告席に腰を下ろし、傍聴席に目を配った。みんなリラックスしている。毎回のように傍聴に足を運んでくれるみなさんには感謝の言葉もないほどだ。1週間前に民事7部に行って念を押していたとはいえ、書記官は手際よく準備をし、原告全員に判決文が渡るように、そのことに専念していた。1週間前に、判決要旨が出されるのかどうか、控訴手続きの仕方など、書記官と話をしたときの感触や、今の書記官の態度から、私は原告敗訴をほぼ確信していた。問題は却下なのか、棄却なのか。私は却下を予想していた。最悪の判決なのか?! 「主文。原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」 却下ではなかった。川神裕前裁判長の後を継いで民事7部に来た廣谷章雄裁判長の抑揚のない声が響く。それはどんな形であれ、住民訴訟としては成立したことを意味していた。しかし棄却だとすれば、裁判所は「不起立調査」の違法性をどのように判断したのか?午後3時からの記者会見に間に合うように判決理由の評価を見極めなければならない。原告と傍聴者の多くは判決に失望し、あるいは落胆し、あるいは憤慨しているのだろう。しかしともかく、早く判決理由を読まなくてはならない。逸る気持ちを抑えて裁判所をあとにした。 ■ 判決は何を判断したのか? ■ 後頁に掲載した判決文(当裁判所の判断部分)をご参照ください。ちなみにこの判決文は、9月下旬には裁判所のHP(ホームページ)に大阪地裁主要判決として全文が掲載されている。裁判所のHPに掲載されるときには、判決要旨が冒頭に付記されるが、そこには何と書いてあるのだろうか。 「市立小中学校の入学式において国歌斉唱時に起立しなかった教職員について調査の実施を指示した教育長の行為が,市に対する不法行為には該当しないとされた事例」 ここだけを読むと、あるいは判決文中の「中野による本件調査実施の指示が,枚方市に対する不法行為になるとはいえない。」という部分に目を走らせても、これではまるで中野教育長が出した(卒・入学式の「国旗・国歌」に関する)「7点指示」や「不起立調査」の指示を、裁判所が適法であると判断しているように見えても不思議はない。けれども、実はそうではないのである。裁判所は肝心の「7点指示」や「不起立調査」に関しては、違法とも適法も何ひとつ判断を示していない。では「不法行為ではない」とはいったいどういうことなのか?ここに住民訴訟という訴訟類型特有の要件判断が介在しているということなのである。判決の要旨をかいつまんでいうと次のようになるであろうか。 @原告らは、教育長の指示によって市教委職員がおこなった違法な調査(行政事務)のために 要した費用を給与相当額などに換算し、それを市の損害として主張し、市長は教育長に対して 損害賠償請求権を行使して賠償するように求めている。これは住民訴訟制度の濫用とまでは言 えないと判断されるから、住民訴訟として適法な訴えだと認めることができる。(ただし「濫 用とまではいえない」判断の中身については全く触れていない) Aしかし、教育長がおこなった指示は、もしかしたら、その権限の逸脱や濫用があった場合に は、個々の教員の人権侵害などをもたらしたかもしれないが、それはその教員による個別の損 害賠償請求をすればよいことである。教育長としては、教育法令や学習指導要領に基づいて、 教育長なりに考えた指示を出したわけだから、そのことじたいは、その指示が違法であるかど うかにかかわらず、市教委(市)の事務であるということができる。したがってその市の事務 に市が給与を負担するのは当然であるから、枚方市に損害は発生していないことになる。 これをたとえ話で言うとこういうことになるだろうか。ある建築士が家を設計したけれども、それが欠陥住宅だった。その家を買ったお客さん(施主)は、その建築士が勤める建設会社にその欠陥によって被った損害についての賠償請求をすることができる。そしてその損害を弁償した建設会社は、建築士に対してその分の損害賠償請求をすることになるかもしれない。あるいは何らかの処分を科すかもしれない。けれども、建築士はその仕事内容に多少の違法や過失があったからといって給料が支払われないということはない。なぜなら、建築士は勤務時間中にパチンコやカラオケやボウリングに行っていたわけではなく、設計という建築士としての仕事をしたことに変わりはないからである。大ざっぱな理屈としては、このようなものだと言っていいと思う。 つまり、裁判所が判断しているのは、職員が市の事務(仕事)をしなければ、その分に支払った給与相当額は市に与えた損害になるという意味での「市に対する不法行為」にあたるかどうか、という点だけなのである。 ■ 住民訴訟の迷宮 この難題に正解はあるのか? ■ 大ざっぱな理屈としてはそのようなものであったとしても、これが住民訴訟という特殊な訴訟類型での実際の具体的な攻防や、何をどこまで、どういう基準で判断するかということになると、実は相当にやっかいな話になってくる。たとえば住民訴訟の対象となる特定の「財務会計行為」(公金の支出、財産の取得、処分、契約の締結、履行、公金の賦課徴収・財産の管理を怠る事実)そのものの違法性を問題にする場合には、先行する原因行為が違法の判断を受ければ、それに伴い、その原因行為と一体と見なすことができる財務会計行為もまた違法と認められる判例はあるのでそれほど難しい話にはならない。それがたとえ「違法に財産の管理を怠る事実」であっても同じことだ。ところが本件の場合は、教育委員会の事務の一部という違法な非財務会計行為(行政事務)が枚方市に対する損害を発生させる不法行為ということで、給与の相当額などを損害として主張し、その損害賠償請求権の行使(債権という財産の管理)を怠っている市長の財務会計行為を違法として訴えているからややこしいことになっている。市長の権限に属する給与の支給(公金の支出)という財務会計行為そのものは、一応適法な支給と見なされるので、先行する「不起立調査」という原因行為の違法が、そのまま財務会計行為の違法に直結する事例にはあたらないのである。しかし、これ以外に住民訴訟として成立させる途はないのである。本件ではそれはかろうじて認められた。その意義は大きい。しかしだからといって、あらゆる行政事務の些末な違法が同じように住民訴訟の対象となるとしたら、裁判所は住民訴訟でパンクするだろうし、それ以上に司法による行政への過度の介入や統制のほうが、より大きく深刻な問題として浮かび上がってくることになるだろう。では、司法はどこまで住民訴訟という限られた訴訟制度の趣旨に沿って、行政事務の適法性を取り上げることができるのか? 9月8日の判決は、実はこのような住民訴訟の今後のあり方や、適用枠、適用基準の設定という司法にとっても多分に重要な位置づけをもった判決でもあったのではないかと推測することができる。裁判所は、原告らの訴えを住民訴訟として認めた以上、自分自身にその枠と基準の設定をする任務を課したと言うこともできよう。しかし、判決が用意した市に対する不法行為の「枠」は「市の事務であること」であり、その「基準」は「公務とは名ばかりで個人的な利益を図るためにされた行為など」という程度以上のものではなかった。ハッタリめいた「失当である」を連発して論理の貧弱さを取りつくろってはいるが、違法目的の行為でも市の事務であると言いうる明確な基準は?非財務会計行為であれば、なぜ違法であっても市に対する不法行為にはならないのか?踏み込んで読めば論理になっていないほころびが、いくつも目につく。果たしてこれが今後の議論や専門的な批判に堪え得るものなのかどうか。大いに検討の余地があると思う。 そして、「本件訴訟は,その請求内容に照らして,住民訴訟制度を濫用したものとまではいえず,これを不適法な訴えということはできない。」このように判決は原告らの訴えを適法な住民訴訟として成立させる道を選んでいる。「その請求内容に照らして」なぜ住民訴訟として認められるのか、その理由は明らかにしてはいない。だが、適法な訴えとして認めたにもかかわらず、対象となった行為が必ず「市の事務」であり、そして不法行為とはいえないのであれば、住民訴訟として成立させた意味は無いに等しい。判決が原告らに対して、「枚方市に対する中野の不法行為責任」を明らかにするよう暗に求めていることからしても、それは中野教育長による不法行為が成立する余地を裁判所が見ているからに他ならない。正解は必ずある。 ■ 違法性の判断を余儀なくさせること ■ さて、このように変則的な住民訴訟としてではあるが、きわめて積極的な問題提起と、新たな住民訴訟のあり方を問う裁判として捉える視点も必要ではないかと私は考えている。不法行為の合理的基準をどのように設定するか、これは苦しんでいる裁判所よりも、むしろ私たち原告が決めていくことこそふさわしい。市に対する不法行為、市に与えた損害は何か?という裁判所の誘導に私たちが乗ってきた経緯からしても、この壁をクリアすることぬきに、「7点指示」や「不起立調査」の違法性の判断を突きつけることは不可能に近いことだと思われる。特に条例判断をいったん俎上に乗せてしまえば、裁判所は逃げようがないのである。 私たちは、狭められてきた住民訴訟の間口を広げるために「スミぬり裁判」を起こしたわけではもちろんない。私たちが問いかけ、警告しているのは、教育現場での「日の丸・君が代」の強制であり、枚方市における「7点指示」や「不起立調査」を通じた基本的人権の圧殺についてである。9月8日の住民訴訟判決は、これらの行為に対する判断を留保した。留保するために設けた障壁が「市の事務であるかどうか?」「市に対する不法行為であるかどうか?」という住民訴訟としての壁であったといえるだろう。市長の行政権限からは独立した、教育行政の全権を握る教育長に、財務会計上の権限が、ほんらい付与されていても不思議ではない。その教育長の違法な指示によって行われた「不起立調査」事務に対する給与の支給を、市長の違法な財務会計行為として構成したのでは住民訴訟としてそもそも成立の余地はない。教育長による市に対する民法上の不法行為として損害を発生させた事実を、より明確に再構成することが求められているのである。 住民訴訟というひとつのやり方が、直接の被害者ではない多くの市民によって、教育行政による「不当な支配」を規制する手段となるならば、私たちの取り組みも大きな意義があったといえるだろう。 ■ 控訴!新たな展開と可能性を求めて ■ 9月20日に原告25人(判決時)のうち24人が控訴手続きをとった。裁判としては未完の判決を完成させるちょっとした楽しみを持ち、私たち自身の前進のためにも頑張っていきたい。 今年2月15日に提訴した当該教員2名による「スミぬり裁判」(教員編)も着々と弁論を重ねている。11月15日に第5回口頭弁論が予定されているが、来年は本格的な攻防が繰り広げられるに違いない。面白いことに、裁判所は9月8日の判決で(中野において,上記権限の濫用があったか否かは,それによって権利侵害を受けた教職員がいる場合に,その教職員から枚方市に対する国家賠償請求訴訟等の中で判断されるべき問題である。)とわざわざカッコ書きで「不起立調査」の違法性を判断することを「予告」しているのである。裁判所の関心の高さをうかがわせ、同時に逃げ口上にもなっている一文だと見ることもできるだろう。このカッコ書きをどのようにそれぞれが解釈するか、裁判所をあてにせずに、自分たちで獲得していくことが最良の解釈をもたらすことにつながると私は思っている。 【9.8判決】 平成17年9月8日判決言渡 平成15年(行ウ)第60号 損害賠償請求事件(住民訴訟) 平成17年6月14日 口頭弁論終結 判 決 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 原告らの請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 被告は,中野一雄(大阪府枚方市***********)に対し,7万5100円及びこれに対する平成14年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を枚方市に支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 (省略) 第3 当裁判所の判断 1 本件訴えが適法なものかどうか(本案前の争点)について 住民訴訟制度は,地方公共団体の財務についての違法を是正する目的で特に法律によって創設された制度であり,それ以上に,一般的に地方公共団体のあらゆる違法不当な行為の是正を目的とするものではない。住民訴訟の対象は,地方自治法242条1項所定の違法な財務会計上の行為又は怠る事実であり,上記以外のものを対象とする訴えは,住民訴訟の定型に該当しない不適法な訴えとなる。 この住民訴訟制度の趣旨に照らせば,地方公共団体の住民が,本来住民訴訟の対象とならない地方公共団体の職員の非財務会計行為の適法性を争うため,ことさら当該行為を地方公共団体に対する不法行為に該当するとし,その行為やそれに基づく事務にかかった人件費や事務用品等の経費を損害として,その損害賠償請求権の行使を違法に怠っていると主張して住民訴訟を提起することは,上記地方公共団体の財務について創設された住民訴訟制度の目的,趣旨に反する面がある。 しかし,地方公共団体の職員の非財務会計行為であっても公務とは名ばかりで個人的な利益を図るためにされた行為など,当該行為が地方公共団体に対する不法行為に該当し,そのために支出された経費が損害といえる場合もあり得る。そうであれば,地方公共団体の職員の非財務会計行為を不法行為に該当するとし,当該行為のため地方公共団体が負担した経費の損害賠償請求権の行便を怠る事実を財務会計行為として住民訴訟が提起された場合,これを直ちに住民訴訟制度の目的,趣旨に反するものとして不適法ということはできず,その主張する権利侵害の内容や損害額等,その請求内容に照らして住民訴訟制度の濫用と認められるものを除き,本案,すなわち,当該行為が地方公共団体に対する不法行為に該当するかどうか,を判断するのが相当である。 そして,本件訴訟は,その請求内容に照らして,住民訴訟制度を濫用したものとまではいえず,これを不適法な訴えということはできない。 2 中野による本件調査実施の指示行為が枚方市に対する不法行為に該当するかどうか (本案の争点)について 中野による本件調査実施の指示行為が枚方市に対する不法行為に該当するというためには,当該行為が枚方市の権利を侵害する違法なものであることを要する。本件において,原告らは,枚方市が本件調査に従事した教職員の給与相当額及び本件調査に使用した事務用品等の金額を損害として主張しているが,上記中野の行為を枚方市に対する不法行為というためには,本件調査が枚方市の事務とはいえず,本件調査に要した経費は枚方市が負担すべきでないにもかかわらず,これを枚方市に負担させたことを要する。 ここで,前提事実,証拠(証人中野)及び弁論の全趣旨によれば,委員会には教育課程等事務管理執行権限及び県費負担教職員の服務を監督する権限があること(地教行法23条5号,43条1項,38条1項),教育長は委員会の権限に属するすべての事務をつかさどること(地教行法17 条1項),小中学校の校長には所属職員を監督する職務があること(学校教育法40条,28条3項),学習指導要領には,「入学式や卒業式などにおいては,その意義を踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとする。」と記載されていること,中野は,委員会には小中学校の入学式を学習指導要領に則って適正に実施させる責務があり,儀式あるいは儀式的行事に参加した者が,国歌斉唱時に起立することは通例の行動であるから,入学式において教職員がこれを行うのは当然のことであり,かつ,学習指導要領に則ったものであると考え,各校長に対し,国歌斉唱時に教職員は起立し,起立しない場合には,再度起立の指示をすることなどを内容とする 7点指示を行ったこと,ところが,その後各校長の指示に対して従わない教職員がいたことが判明したため,その是正を図るため,教育課程等事務管理執行権限に基づき本件調査の実施を指示したこと,また,校長の指示に従わない教職員に対しては,委員会がその服務監督権限を行使するか否か,当該教職員に対する事後の指導や任命権者である大阪府教育委員会に対して懲戒処分等の内申を行うか否かを判断するため,その実態を調査することが必要であると考え,本件調査の実施を指示したこと,そして,この指示に基づいて本件調査が実施されたことが認められる。 以上の事実によれば,本件調査は,枚方市の事務としてされたものであり,その経費は,枚方市が負担すべきものであるから,その経費をもって枚方市の損害と認めることはできない。したがって,中野による本件調査実施の指示が,枚方市に対する不法行為になるとはいえない。 原告らは,学習指導要領の国歌国旗項目は違憲であり,7点指示や本件調査は,教育基本法10条1項にいう不当な支配に該当し,中野の本件調査の指示は,委員会の教育課程等事務管理執行権限及び服務監督権限を逸脱又は濫用したものであると主張するが,失当である。なぜなら,上記認定事実の下では,上記国旗国歌項目の法的効力や中野において上記権限の逸脱濫用があったか否かを問わず,本件調査が枚方市の事務であり,その経費を枚方市が負担すべきことに変わりはないからである(中野において,上記権限の濫用があったか否かは,それによって権利侵害を受けた教職員がいる場合に,その教職員から枚方市に対する国家賠償請求訴訟等の中で判断されるべき問題である。)。 また,原告らは,本件調査が,憲法19条,13条,国際人権規約(B規約)18条,本件条例7条2項に違反する違法行為であると主張するが,これも失当である。なぜなら,これは,本件調査が,枚方市ではなく,調査を受けた教職員等の第三者の権利を侵害する違憲,違法行為であることを主張するものにすぎないからである。仮に本件調査及び中野の指示行為が教職員等の権利を侵害する違法行為であるとしても,これによって枚方市が教職員等に対して負担する国家賠償法上の責任について,中野が同市から求償権の行使を受け得ることは別として,これが,本件調査費用について,中野が枚方市に対して不法行為責任を負うことを基礎付けることにはならないというべきである。 そして,本件において,他に,中野の本件調査実施の指示行為が枚方市に対する不法行為になることを認めるに足りる証拠はない。 3 結論 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求は理由がないので棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 |