ふいめいのにっき  2004年元旦 in ギザズー
2004年1月1日


カイロでは元旦に大きな意味はないらしい。一応、クリスマス前後から、「クッル・サナ・ワ・エントゥ・タイイビーン(←毎年元気でありますように、くらいの意味)」という言葉を聞くようになるが、どうやらそれも外国からの影響らしい。

外資系はともかく、ほとんどの会社や店舗は通常どおり営業するし、学校もあるらしい。生粋のカイロっ子にとって、1月1日はただの日である。

「ふつうに過ごしていては、元旦だということを忘れてしまう」

と危惧を感じたふいめいは、年末年始にかけてカイロに滞在しているゆんろんを無理やり誘って、初詣の代わりに、とギザ動物園まで今年の干支のサルを見に行くことにした。





遠足中の小学生たち
ギザ動物園は地下鉄のドッキ駅から歩いて15分くらいのところ、カイロ大学のすぐ向かいにある。


入場料が25ピアストル(約5円)と良心的なためか、いつも家族連れやカップルでにぎわっている。園内はかなり広く、動物の数も多い。柵があるものの、日本に比べて動物との距離が近く、ラクダや象にまでエサをやることができる。









それだけではない。なんと、ライオンの子どもを抱くことさえできるのだ。


ガイドブックなどで有名な話だが、ライオンの係員は日本人を見ると、必ず「ベイビーライオンを抱かないか」と近寄ってくる。値段は交渉次第だが、今回私たちは一人5ポンド(90円)支払うことにした。






ライオン係のおじさんは、「さっと入れ」と言いながら、ライオンの檻の横にある鉄の扉の中に私たちを招き入れた。そこには小さな檻が三つあって、二つに親ライオンが、一つに子どもライオンがそれぞれ数匹ずつ入っていた。


おじさんは子どもライオンの檻を開けてベイビーというにはちょっと大きい子ライオンを抱えて出てきた。この子ライオンはネコよりもおとなしく、私たちに身を任せるその姿はとても愛らしかった。


ここで親ライオンたちの冷たい視線を浴びながら、記念撮影をひとしきりした。
常に子ライオンを確保する努力がされているためか、ギザ動物園にはライオンの数が異常に多い。


右の写真に写っているのは、すべてライオンの檻で、一つの檻には4,5頭ずつ入っている場合が多い。この他、ライオン用の遊び山のような空間も別にある。








さて、園内をさまようこと半時間、ギザズーの一番奥にあるお目当てのサル山にようやく到着することができた。


中では愛らしい小猿や大きくて毛がふさふさした大猿が走り回ったり、家族で毛づくろいをしたりしていた。サル山の周りでは、エジプト人の家族連れがサルたちの動きを楽しそうに見つめている。
しかし、ゆんろんとふいめいの目にとまったのは、一匹の大ザルの姿である。彼は、哲学者のような表情を浮かべて空を見上げていた。時折猿知れずため息をつくその姿は、猿生の辛苦をなめ尽くし、あらゆる欲望とは縁を切った世捨て猿そのものであった。



…彼の姿を拝し、欲望のとりことなっていた己の人生をひとしきり反省し、帰途についたゆんろんとふいめいであった…。







だから、今年の目標は 「見ざる、聞かざる、言わざる」です。






(2004/1/7記)



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