ふいめいのにっき  カイロでフラットを探す方法
(初級編) 


憧れのカイロライフを始めるにあたって、急務はフラット(アパート)探しである。

聞くところによると、カイロでフラットを探す方法はいくつかあるらしい。ひとつは店を構えた不動産屋に行くことで、もうひとつは住みたい地区に行って、アパートの入り口にいる門番(カイロでは多くの建物の入り口付近に門番一家が住んでいる)に、「空き部屋はないか?」と尋ねるという方法である。もちろん、どちらもかなり高度なアラビア語(エジプト方言)での交渉力が必要な上級編家探しである。

では、コネもなく、アラビア語も話せない人々はどうすればいいのか、というと、語学学校から英語を話す不動産屋を紹介してもらったり、アメ大やスーパーの掲示板に張ってあるフラット情報から見つけるという方法くらいしか残されていない。出発前にアラビア語の勉強を怠ったふいめいが使ったのはこの後者の方法で、これからご報告するのは、交渉から契約まですべて英語で行なった「超初級編フラット探しの巻」である。


2003年9月18日

カイロ到着翌日、さっそくフラット探しを開始することにした。
まず、第一の手段として語学学校に連絡し、フラットを探したい旨を伝えた。すると、語学学校の人は「すぐにいらっしゃい。紹介するわ。」と言ってくれたため、喜び勇んでタクシーに乗り、語学学校に向かった。

どのあたりがいいか、いくらくらい支払えるか、という話をした後(かなり高い金額で表記してあるので、「自分はこれくらいしか払えない」と言った方がいい。それで充分見つかるらしい。)、英語使いの不動産屋アシュラフ氏が現れた。ちょうどスコットランド人の青年二人がやはり、家を探していたので、三人で物件を見てまわることになった。

私ははじめ、タハリールやドッキなど町の中心部に近い場所に住んで、窓からファッションチェックなどしようと目論んでいたが、アシュラフ氏のテリトリーはザマーレクというナイル川中洲の閑静な住宅地だという。はじめ、「こいつは使えないな…、別の方法を考えなければ…」と思いながら、彼らの後をついていった。





ふいめい宅前の道

ところが、ザマーレクの家に着いた途端、気持ちが少し揺らいできた。このザマーレクという場所は昨年12月のカイロ滞在時によくうろうろした場所で、何もかもに見覚えがある。おいしいケーキ屋もある。一人でも気軽に入れるカフェや軽食屋もある。

しかも、家自体はとてもいい感じだった。建物の入口や階段も比較的整っていて、床も壁も家具もこぎれい。値段も許容範囲内である。カイロではじっくり家を探した方がいい、と忠告されていた私であるが、ここにしてもいいかなと思い始めてしまった。

とりあえず、急ぐことはない、カイロは意外に物件が豊富だ、という先輩やスコットランド人の忠告で、その場でどうこうすることはやめ、とりあえず、ホテルに帰った。



2003年9月19日

もう一度、例の家に行っていろいろとチェックをしたいと思い、翌日在ザマーレクの先輩にお付き合いいただき、家を再訪した。前日にCairo Guide: The Practical Guideなどを読みながら書き出したチェックポイントは以下の通りである。ところで言い忘れたが、カイロのフラットの多くは「家具つき」で、入居すればすぐに生活できるような基本的な設備はすべて入っている。



カイロ・フラット探し基本チェックポイント


・水周り
 □ 水漏れはないか。
 □ 水圧は高いか。
 □ シャワーが使えるか。
 □ トイレは流れるか。
 □ 温水・冷水が出るか(こちらの温水器には電気のタンク式のものとガス湯沸し器がある)。

・電気
 □ コンセントの数、電気が通っているか
 □ 室内灯・換気扇がちゃんとつくか
 □ ドアベルが鳴るか
 □ 電気メーター・ブレイカーの位置

・電話
 □ きちんと使えるか。試しに一度かけてみた方がいい。
 □ 携帯・市外・国際電話にもかけられるか(カイロの家電は市内通話のみしかかけられないのものが多い)。

・設備
 □ エアコンが冷暖房ともに動くか。
 □ テレビが映るか。チャンネル数(ちなみにこの家は3つのチャンネルしか映らないが、それでも多い方らしい)。
 □ 洗濯機が動くか。
 □ 冷蔵庫が動くか。
 □ ガスコンロに火がつくか。

・管理費等について
 □ 誰がいつ、いくら門番に支払うか。
 □ ゴミ置き場はどこか。ゴミ処理代は月いくらか。

・その他聞いておくこと
 □ 契約期間(1ヶ月〜1年)について。また、延長時に値上げがあるかどうか。
 □ 壊れている設備、電灯がある場合、契約する前にすべて直してもらい、整ったことを自分の目で確かめる。
 □ 通常の使用において壊れた設備の修復代金は誰が支払うか。
 □ 入居前に家の清掃・消毒をしてくれるか。



電灯が点かない、シャワーからお湯が出ないなど、いろいろと壊れているところもあったが、一応、数日内には条件を満たしそうだった。そこで契約日を決めようと思ったところ、支払い方法でもめてしまった。つまり、家主側は外貨がほしいらしく、私は手持ちの外貨がない。管理人である床屋がその話合いの際、豹変したように見えたため、この家はあきらめることにした。そこで、その後も何件かアシュラフ氏に見せてもらったが、汚い、古い、高いなど、なかなか気に入ったところは見つからなかった。




ふいめい宅リビング兼勉強部屋
2003年9月23日


家捜しにも安宿での共同生活にも疲れた頃、ひょんなことから外貨騒動は解決した。そこで、最初に見たフラットを借りることを決意し、契約に踏み切った。

契約に必要なものは以下の通りである。


・一ヶ月分の敷金(契約満了時に返却される)
・二ヶ月分の家賃(前払い)
・不動産屋へのお礼(100〜300ポンド[2000-6000円]。
 (不動産屋によっては一ヶ月分の家賃を取るところもある)
・パスポートとビザのコピー
・門番代(一ヶ月20〜50ポンド[400-1000円])
・ゴミ代(一ヶ月5ポンド)




要するに、三ヶ月分の家賃と仲介人へのお礼、門番代が必要になるというのである。家賃の相場であるが、2ベッドルーム、ダイニング、リビング、バス・トイレ付きが1000〜1500ポンド[二万〜三万円]で借りられる。もちろん、上を見たら限がないが、1500ポンドも出せばなかなかいいところに住めるようだ(2003年9月現在)。


2003年9月24日

いよいよお引越し。滞在六日でさらに増えた恐怖の荷物をタクシーに詰め込み、新居へと向かった。たまたま、カイロに短期滞在して、同じ語学学校に通っていた大学の後輩が近くのホテルに泊まっていたので、巻き込んで、最初の一ヶ月弱をシェアしてもらうことにした。まずはマッチや食料品など、差し迫ったものを買い、シーツを新調し、新しい生活が始まった。

洗濯機と台所のお湯を供給してくれる電気湯沸しは使えるのだが、お風呂とシャワーのガス湯沸しが最初から壊れてしまった。しかし、大家さん(管理人の床屋とは別人で、英語を話す金持ちらしい人物)はいい人らしく、さっそく新しいガス湯沸しを取り付けるよう計らってくれた。大家さんの努力にもかかわらず、国営ガスとの交渉がなかなかうまくいかないため、今のところたらいにお湯を張ってお風呂場まで運び、行水をするというフランスかイタリアの映画のような生活をしているが、それ以外は日に日に快適な我が家になりつつある。


カイロとはいえ、もうすぐ十月。最近、朝晩めっきり冷え込むようでシーツをかぶるだけでは寒い。まんまと風邪を引いてしまったことだし、今日は毛布を買いに行こうと思う。



(2003/9/30記)




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