日本語で読めるペルシア文学




中世のペルシア文学

   フェルドゥースィー『王書』
   ニザーミー『七王妃物語』 
 
          『ホスローとシーリーン』 

近・現代のペルシア文学

   サーデク・ヘダーヤト『生埋め―ある狂人の手記より』
        ◆短評 2030年の世界


中世文学


・ニザーミー『七王妃物語』黒柳恒男訳、平凡社東洋文庫、1971

 『カーマ・スートラ』さえ世に出ている現在、これは映画化されるべき名作である。ニザーミーとは「五部作」で知られる古典ロマンス叙事詩の巨匠。『七王妃物語』はササン朝の王バハラーム五世を題材としたものである。王は全世界からさまざまな人種の七人の美しい女性を連れて来させ、妃に召し上げ、一週間のうち、土曜日は黒い衣服をまとったインドの美妃、日曜は金色の衣に身を包まれたギリシアの美妃・・・というように、曜日ごとに各王妃のもとで過ごすのだった。世の男性にとってはうらやましい限りのお話である。花嫁の私室で夜の帳が下りたとき、王は「のう、何か物語を聞かせてくれんか」と頼み、不思議な七つの話が始まる。隠喩や揶揄を多分に用いながら語られる妖艶で幻想的、あるいは教訓的なこれらの話は、アラビアン・ナイトとはまた違った興奮を与えてくれるだろう。



近・現代の文学


サーデク・ヘダーヤト 『生埋め―ある狂人の手記より』 国書刊行会、2000

 さまざまな方法を用いて自殺を試み、何度も失敗する男。マネキンを偏愛する青年と彼を愛する従妹の悲恋の行方。妻と自殺してしまった親友との不倫に疑いを抱いたために夫婦に起こった悲劇。人の世のすべては「運命」としてゆっくりと流れており、それは止めることも、変えることもできない。珠玉の短編7篇を収録。