河出書房新社、1978

池田修訳
ターハー・フセイン著
『不幸の樹』
Beauty Colosseum
これはターハー・フセイン著『不幸の樹』の短評+創作です。
母と同じ醜さを背負って生まれてきたグルナール。
美しさとは幸せなのか。不幸とは醜さなのか。それとも・・・?
彼女がスタジオに現れると、司会者、ゲスト、観客は皆顔をしかめた。
ライトと皆の視線。緊張に顔をこわばらせた彼女は醜さの極地だった。

「お名前は?」

司会者は嫌悪の表情を隠そうともせず、彼女に尋ねた。

「グルナール。アラビア語で「柘榴」という意味です。」
ヴェールの端から怯えたような目をのぞかせて彼女は答えた。

「あなたはどうして美しくなりたいの?」

司会者は我ながら馬鹿げた質問をしていると思いながら尋ねた。

「母のようになりたくないからです。私、幸せになりたいんです。」

そしてグルナールは語り始めた。




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まずは一緒に彼女の告白を聞いてみましょう。
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