ふいめいと旅する  家具屋7割、菓子屋2割5分
謎の町ダミエッタ


地図: The General Libraries, The University of Texas at Austin


旅の一口メモ

旅の道連れ:


ダミエッタにおもしろいことなんて
あるのかよ、と運河に問いかけるたぬきさん



旅の目的:

ダミエッタを知る
おいしいエジ菓子をさがす


旅の経費:
バス 往復32LE(約600円)
昼食 一人30LE(約540円)




すっかり、デルタの旅友となったたぬきさんと一緒に、初夏のダミエッタを訪れた。カイロからダミエッタまで、トルゴマーンのバスターミナルから出ている大型バスで四時間。途中、あざやかな夏の農村の緑を見ながらの北上である。




ダミエッタはアラビア語名「ドムヤート」で、デルタの北東、ナイルの東端が地中海に入る地点に位置する。


古代から栄えた港町で、19世紀に入って交易の中心がアレキサンドリアに移ってしまうまでは、「敵も味方も商品も」皆すべてここから入ってくるようなエジプトの重要な都市の一つであったらしい。




バスがダミエッタの町に入って、ふいめいはさっそく異変に気付いた。目に入ってくるほとんどの店が家具屋なのである。


バス旅に疲れ、いらいらとレストランを探す二人は、もっとも眺めが良く、いかにもよいレストランがありそうな運河沿いに行ってみた。ところが、レストランなど一軒もなく、すべて高級家具屋で占められているではないか!




カイロではもっともシンプルな家具でさえもとても高い。エジプトでは木材自体が稀少らしい。木材も職人もそろったダミエッタは、「エジプトの家具屋」であり、カイロやその他の町からもわざわざ家具を買いに多くの人がやってくるというから、驚きである。






とりあえず、町の存在意義を理解した二人は、何か食べさせてくれる店を探して町をさまよった。


すると、ビント・シャーティウ公園というところにたどり着いた。ビント・シャーティウは20世紀エジプトの文学者、コーラン学者として有名な女性である。ぴかぴかなこの公園は、どうやら彼女の没後、彼女を偲んで造られたらしい、ダミエッタの新名所である。


近代の女性史をかじりたいと願っている者としては写真の一枚も撮っておかないと、と思い記録する。
そうこうして、ようやく「アブー・ハーレド」という、町の中央に位置するレストランにたどり着くことができた。


とりあえず、空腹にまかせて野菜のマフシやらタジンやらを注文していたところ、「バッタ・ダムヤーティ(ダミエッタのカモ)」という一品に目がいった。


「おお、これはダミエッタの名物料理に違いない」

と思ってたぬき氏に注文を促したところ、エジプト滞在歴の長い彼は「おいおい、知らないぞ」という顔をした。それもそのはず、なんと、丸ごと鴨のマフシ(ご飯詰め)がどどんと出てきてしまったのである。こんな豪快な鴨の食べ方は初めてである(ちなみにこの鴨は40LE、あとの料理と飲み物は全部で15LE足らずであった)。




北京ダックならぬ、ダミエッタ・ダックはマフシ(ごはん詰め)だった




ところで、語学学校で得た情報によると、ダミエッタはエジプトで一番エジ菓子のおいしい町らしい。なるほど、家具屋が町の7割を占めているとすれば、残りの2割5分はお菓子屋さんである。アイスクリームは1.5ポンド、エジ菓子もカイロに比べてはるかに安い。甘党にはたまらない町である。




(左)老舗の内部       (右)タマゴ屋さん:お菓子屋が多いだけあって、タマゴの需要も多いらしい 




今回は地図も何も持たずに駆け足で見てきただけだが、
次は一週間くらい食べ歩きをしつつ、じっくりと探険したい町である。




おみやげのエジ菓子(帰り道にお腹が空いて一部食べてしまった後に撮影)



(2004/6/25記)

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