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Analog Science Fiction and Fact, June 2000
Novella
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The Retrieval Artist / Kristine Kathryn Rusch
主人公は自ら消息をたった人を探すプロ。犯罪や暴力の被害者・加害者だけではなく、異星人との交易が始まって以来、習慣や考え方の違いから、命を守るために行方をくらまさなくてはならない人が増えたのだ。大企業の経営者の娘で、父親の補佐をしている女性が、彼女が生まれる前に消息をたった母親探しを彼に依頼する。彼女は実は本来の後継者のクローンで、彼女の父親は死にかけており、このままでは会社を引き継ぐことができないというが……。
評価4。ハードボイルド系のミステリ風SFだが、アクションシーンがでてくるわけではなく、わりとじめっとしたままの話。けれど、それが雰囲気にあっていると言えなくもない。主人公が最初からぼやいているように、よく考えてみれば後味のよくない話なんだけれど、それほど嫌な気分でもなく読める作品。
Novelette
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Debunking the Faith Healer / Michael A. Burstein& Lawrence D. Weinberg
記者の主人公は子供の頃の思い出から治癒の奇跡をみせると人をだます伝道師たちに反感を抱いていた。実際にガンを治すという噂の伝道師のもとに彼は潜入取材を試みる。伝道師の部屋で未来の日付けのカルテと怪しいゴム手袋の山を見つけた彼は、伝道師と対決するのだが……。
過去のできごとを回想した手記の形式。意外なことにタイムトラベラーもの。だけど、怪しい伝道師の正体はあんまりなような気がしてならない。
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Splendor's Laws / Dave Creek
附近の星が超新星となったため、ある惑星の知的生物ごと避難をおこなう地球人たち。ところが、まだ退去が終わっていないのに、ある戦闘好きの異星人が惑星を新兵器のテストに使い始めた。なんとかそれを止めようとする地球人大使と現地の代表者がとった行動とは……。
Analog 2000年2月号の A Glimpse of Splendor の続編だが、前作の主人公マイクとリンナは出てこない。しかし、どうしてこの惑星をテストに使うのか私には納得できないし、いいたいことがまとまっていないように感じる。この作者の作品は最近よく掲載されているが、どうも私とは波長があわないみたいだ。
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A Threat of Cinnamon / Rajnar Vajra
他の恒星へ瞬時に行き来できるゲートの技術が開発されたが、恒星間の相対速度からそれほど簡単に行き来できるわけではない。主人公は人工知能のアシスタントともにただ一人ベガで鉱物を採掘する。だが、もう数日で戻れるときになって事故が起きる……。
主人公と孫息子の会話と、過去の回想のシーンからなる。孫息子が「おじいちゃんが死んだのはベガなの?」と聞いていたので、主人公は本当に死んでいて、コンピュータか何かに再現された人格の話かと最初は思った。けれど、ちゃんとした宇宙開発SFでした。主人公も死んでしまったわけではなかった。
Short Stories
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The Money Tree / Charles L. Harness
遺伝子工学の学位をもつ苗木業者が、木の葉に好きな模様を浮かび上がらせる技術を開発した。特許を申請するために弁護士が彼のもとを訪問するが、地元警察が彼らをなぜか監視していた。そして、警察の監視を監視している謎の男たちもいて……。
ふざけて作った紙幣そっくりの葉を持つ植木の利用方法の話。おもしろいのはおもしろかったが、謎の男たちの提案した利用方法はなっとくできない気がする。そんなことをして、敵に大事な機密情報を与えることにはならないのだろうか。
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A Pig Tale / Guy Stewart
家庭生活がうまくいかなくて逃げるように故郷に里帰りした生化学者の主人公。両親は養豚農場を営んでいたが、農場を手放すことになったと言う。失意のあまり自殺未遂まで起こした父親のために、主人公は研究中のウイルスを持ち出す。
結局、これはマインドコントロールじゃないかと思う。目的がいいことならば、手段を正当化できるのかが気になってしまう。
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Unthinkable / Sean McMullen
映画プロデューサーが火星への初有人飛行を実現させてしまった。ずっと安価に各国で既に開発済みの技術を使い、あちらこちらを広告にして航行の実況中継をして。だが、NASAやアメリカ大統領がなによりも面子が潰れたと感じたのは、船体に書かれたあるロゴだった……。
評価4。NASAの高官とそのアシスタントの会話で、4ページの短篇。オチがちょっと弱い気がするけれど、それ以外はおもしろかった。宇宙開発マニアに読んでもらいたいかも。しかし、ニュージーランドの人が気を悪くしないでしょうか。
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All Mine / Laurence M. Janifer
何でも屋クネイブのシリーズ。クネイブのことを何でも屋と表現してきたが、新しく発見された人類が移住可能そうな惑星に一人で暮らし、本当に住めるかどうかを確認するのが彼の本来の仕事だ。移住が始まった惑星で、6割は無害だがのこりの4割は猛毒を持つぷよぷよ生物が大量に生息しているという。それが人にあつまってくるため、このままでは開拓ができないので、クネイブに問題解決が依頼されるが……。
前回は1999年七月八月号から十月号まで三回連続して掲載されている。このシリーズはかなりおもしろい。鉱山についての会話から解決策を見つけたオチは、ちょっと苦しいのではないかと思うが。
Short Fiction
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Probability Zero: How I Won the Lottery, Broke the Time Barrier (Or Is That " Broke the Time Barrier, Won the Lottery"), And Still Wound Up Broke / Ian Randal Strock
未来の自分が大当たりする宝くじを時を遡って教えてくれたおかげで大金を手に入れた物理屋さんの話。彼はそのお金でタイムマシンの開発に取り組むのだが……。
1ページ半のショートショート。内容はまさにタイトルの通り。
(2000年7月3日)
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