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Analog Science Fiction and Fact, June 2002
Novella
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Sidehunter / Rajnar Vajra
自らを半ば機械の体に改造した環境保護局の調査員のスージーは、パーソン製薬会社が設立した惑星パーソンズ・プラネットの研究基地に降り立った。惑星に生息する動物サイドハンターが絶滅しそうだという報告があったため、保護するために何匹か捕獲する必要があったのだ。基地を設立した人物の孫で製薬会社社長のパーソンがスージーを出迎え、最後にサイドハンターが観測された場所に彼女を連れていく。だが、パーソンらの様子はどこかおかしい。そして、スージーは凶暴な動物や植物がうごめく森に、一人取り残される……。
ユニークな動物や植物に溢れかえるような惑星は魅力的に描けていたし、過去の災害のせいで重要視されるようになった環境保護局のエージェントもおもしろい設定だった。ただ、設定を考えすぎて、ひねりすぎなのではないかと思う。主人公が実は自分の記憶をいじっていて、自分の本当の姿や別の任務があることを忘れていることとか。猛獣を捕獲しにいくのに、武器も通信装置も持たず、ジュースと脱毛剤しかもっていないふりをするなんて、その方がよほど怪しいような気がする。今号の「カラフルな」表紙は、Wolf Readによるこの作品の一シーンを描いたものらしい。
Novelettes
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Irena's Roses / Marissa K. Lingen
ミルトン=シャタック症候群の患者は、視覚や聴覚などの感覚に過剰に反応するようになる。そのため、患者は刺激のない環境に専門の施設に隔離されるが、多くは自殺したり、重度の精神障害に陥ったりする。有効な治療法はない。この症候群を専門とする医師のエリザベスは、在宅で看護を受けている患者イレーナが、通常に近い環境で生活を送っていることを知り、驚く。旧来の方法に固執する上司に研究を妨害されつつ、エリザベスは新たな治療法を探ろうとする。
評価A。視覚刺激をいやがるはずなのにバラの絵を描くまでするイレーナの姿を見て、最初は夫が彼女を虐待しているのではないかと疑っていた主人公が気持ちを変えるところなど、小道具をうまく用いた感情の描写をしていて、ひきこまれた。治療法が発見されるわけではないけれど、十分希望の持てるラストでよかった。上司が妙に主人公に反対しているところが納得できなかったけれど、それ以外は読んで気持ちのいい作品だった。
Marissa K. Lingen は1999年の Asimov's Undergraduate Award を受賞した若手女性作家。今後の作品も楽しみだ。
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Finding Myself / Brenda Cooper and Larry Niven
クリスタはコンピュータの中の仮想現実空間に暮らしている。いつものように定期的な記憶保存を行ったとき、クリスタは彼女の古いコピーが仮想現実空間に出ていっているらしいことを知る。同じ人格が二人分存在していることがわかったら、二人とも消去されてしまいかねない。クリスタは、友人の協力を得て、もう一人のクリスタを見つけだす。どうやら現実世界のハッカーが彼らから利益を得ようとしているらしいのだが……。
評価A-。2002年1月号の Choosing Life の続編にあたる。二人のクリスタの葛藤があって、ハッカーのいる現実世界がすっかり別の世界のように感じられるところなど、仮想現実空間をうまく取り扱っている。前作 Choosing Life は私には淡々としすぎていたが、こちらの方がサスペンス風の味付けも効いていて、ずっと楽しめた。
Short Stories
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Tongue-Tied / Grey Rollins
誘拐されて地球につれてこられ、故郷がどこかわからなくなってしまった腐肉食いの異星人ビクターのシリーズ8作目。彼を叔父の遺産として引き継いだ青年マーティンと暮らし、二人で私立探偵をして、時々警察の事件を手伝っている。これまでの作品は、1990年6月号の To Victor Go The Spoils 、1990年12月号の Victor Victorious 、1991年1月号の The Victor 、1993年4月号の Spoiled Rotten 、1994年7月号の From The Jaws Of Defeat 、1995年12月号の Garbage In, Garbege Out 、1999年11月号の Food for Thought 。
深夜の路地裏で発見された遺体は、カーボンナノチューブが無数に突き刺さっていた。知り合いの刑事に相談されたビクターたちは、娼婦ココに出会い、彼女の謎のボスが殺人事件に関わっているらしいことを知る。目前で彼女がさらわれ、追いかけたビクターらは謎のボスに対面し、彼の意外な正体を知る。
評価A-。ビクターのユーモアの効いた語りが楽しい作品。捕まってしまい、絶体絶命となってしまったときに、ビクターの意外な「武器」で窮地を脱するのには、やられましたという気分。だから、どうしてこの謎のボスがわざわざナノチューブを発射する武器を使ったのかとか、そういう疑問は気にしないことにする。
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Forget Me Not / Amy Betchel
地球にある高級なクリニックを訪れた辺境の惑星の医師サミュエルは、自分の記憶を改変して欲しいとセラピストに語る。彼は惑星のただ一人の医師で、自分の仕事が好きで、誇りを持っていた。だが、一人の少女が惑星固有のは虫類にかまれたとき、通常なら解毒剤の注射で簡単に治療できるはずが、解毒剤に反応せず死亡してしまう。珍しい特異体質のせいだと思われたが、彼はやがて自分のミスに気づく。それ以来、彼はミスを繰り返すのではないかとまともに仕事ができなくなってしまったのだ。望みが叶って彼の記憶は書き換えられ、彼は仕事に戻るのだが……。
タイトルの「わすれな草」はクリニックに飾られていた花である。最後以外は、サミュエルの視点から、クリニックでのセラピストとの会話の様子を描いている。状況を細かく描いて、情感を見事に醸し出した作品だ。けれど、私はこの結末が好きではない。納得できないわけではないけれど、なんだか辛い。他の結末だったらまだ幸せだったのにと思う。
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Ships in the Night / Jerry Oltion
The astral astronauts シリーズの9作目。これまでの作品は、前作2002年5月号の Cabin Feverの欄に記載した。
生きたまま幽霊になる方法を見つけた3人組は、質量がなくなったことを生かして、初の恒星間宇宙飛行士になった。途中で地球人そっくりのフレンドリーな異星人女性3人と恋人となり、一緒に宇宙を旅している。前作2002年5月号の Cabin Feverで、6人は幽体の大きさをできるだけ小さくする方法を見つけたが、それに気を取られている間に異星人の宇宙船と出会う。驚いて逃げ出した宇宙船を追いかけた彼らは、超巨大な宇宙船に遭遇する。コンタクトを試みようとするが、さまざまな異星人からなる船の乗員たちは、彼らを怖がるか怒りを示すばかり。そうするうちに、巨大宇宙船はある惑星に到着した……。
前作に突然登場していた宇宙船を追いかけた話。今回に出てきた巨大宇宙船は、その宇宙船の進行方向にあったのだが、関係があるのかないのかわからない。巨大宇宙船の乗組員の謎を持ち上げるだけ盛り上げておいて、あんな風にまとめてしまうなんて、どうも私には納得がいかない。シリーズとは関係なく、ユーモア短篇としてこのネタがあったらとも想像してみたが、それもうまくいかない気がする。
Essays/Articles
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Editorial: Perspective / Stanley Schmidt
前回に引き続き、9/11のテロ事件に関連した話題。
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Subsisting on Oxygen Lite / Richard A. Lovett, Ph.D.
高山病の原因やその対処法から、気圧が低くなることも予想される宇宙空間や惑星での話まで。
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Biolog : Richard A. Lovett / Jay Kay Klein
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The Alternate View: Decryption and Quantum Computing: Seven Qubit and Counting / John G. Cramer
量子コンピュータに関する最近の話題など。
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The Reference Library / Thomas A. Easton
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Upcoming Events / Anthony Lewis
(2002年7月7日)
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