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Analog Science Fiction and Fact, December 2003
Serial
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Moonstruck (Part 4 of 4) / Edward M. Lerner
危機はとりあえず回避することができ、事件は結末を迎えたように思われた。だが、最後に発動したプログラム「クリーン・スレート」は謎のままだった。時間が経過し、何も異常は起こらなかったが、カイルはきっと何か起こると待ち構えていた。そして、五年後、月にある異変が起きる。カイルらはアポロ以来初めて月へと向かう。
約22900語。前回の終わりで話が終わってしまうのではないかと思ってしまった。普通だったら、あの部分がクライマックスになっていたのではないだろうか。そこまではわりと短い時間の出来事だったが、今号の最終回は数年にわたる出来事をとびとびに描いている。前回までは、SFにミステリとサスペンスの要素が適当に混じっていたが、今回は政治を描いた部分が多くて多少拍子抜けしてしまった気分だ。今回分は、長いエピローグか何かのように思えなくもない。
そうはいっても、冒頭のスペースシャトル事故のエピソードは衝撃的だったし、それが異星人とのファーストコンタクトに大きな意味を持っていたことが明らかになる部分は刺激的だった。宇宙開発や月への熱い思いが伝わってくる作品だ。
Novella
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Lucky Luke / P.J. Plauger
幼い頃にただ一人の身内の父親が行方不明になって以来、ラッキーは孤独な少年時代を送っていた。ラッキーが自由になるのは、時空をこえた双子の兄弟かもしれないルークの夢を見るときだけだった。中世風の異世界に暮らすルークも、幼い頃にただ一人の家族だった母親の行方がわからなくなっていたが、女性に人気でいつも運のいいルークとして知られていた。だが、ルークが幸運なのは、ラッキーが夢の中でルークの運命に変更を加えているからだった。そして、ルークもラッキーの夢を見ていた。夢の中のラッキーの身に危険が迫った時、二人はある決断を下す。
約25500語。21歳の誕生日を迎えたラッキーとルークを、二人の視点から交互に描く。ラッキーは夢の中でルークの友人の少女に恋をしていて、ルークはもっと自由に自分の可能性を広げたかった。そんな二人が選んだ結末は、いろいろ混じっているけれど、ハッピーエンドのようだ。多次元宇宙や量子論がキーワードになっているが、ファンタジーとしても読める作品。
P.J. Plaugerは70年代にAnalog誌を中心に活躍して、75年にJohn W. Campbell 賞を受賞、翻訳された短篇「時の流れを超えて」"Child of All Ages"でヒューゴー賞とネビュラ賞の候補にも挙がっている。94年のAnalog誌掲載作以来、久しぶりの登場となった。本業のプログラミングの分野で何冊も著者がある。"Last Dangerous Visions"にも作品が掲載予定とか。
Short Stories
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Faces / Charles L. Harness
危険なウイルスを所持しているかもしれない容疑者を事件に結びつけているのは、顔面のわずかな動きからその人物の心理を読み取る 'F.A.C.S.' 法だった。'F.A.C.S.' 法を修得したFBI捜査官ジェニファーは、半信半疑だった判事を説き伏せて捜査令状を出してもらうと、容疑者の家を家宅捜索する。無事ウイルスは発見され、容疑者はとらえられるが、ジェニファーの心を占めているのは達成感ではなく、別の思いだった。
約4100語。指紋や血液型やDNAにつづいて、将来広く認められることになるかもしれない犯罪捜査方法、'F.A.C.S.' 法を扱った作品。それを修得してしまったおかげで、他の人々とは隔絶されてしまった主人公の悲哀を淡々と描いている。
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Visions of Gingerbread / Bruce Holland Rogers
主人公は大昔ヒッピーだったが、結局は結婚をして家業のスパイス販売会社を継いでいる。彼は会社のクリスマスパーティーで神を見る。飲んでいたエッグノッグのナツメグが幻覚剤成分をもつように遺伝子操作されたものだったのだ。そこにあらわれた女性科学者ソープの言葉に、主人公は魅せられていく。
約1100語。主人公が神様を見て、博愛精神に満ちあふれて、世の中がすばらしく感じて、そこで終わってしまう。世界に革命を起こすことになりそうなのに、薬で飛んでいってしまって、幸せな気分で一杯のようだ。不思議な印象の短篇だった
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Windingweed / Kyle Kirkland
地球を訪問中のジャイ人の死体が発見された。どうやら、ジャイ人に麻薬として働く草の中毒死らしい。ジャイ人との交渉役のセシルに、ジャイ人の代表のブライは、ジャイ人には麻薬という概念がなく、そんな危険なものが存在する地球にはこれ以上いられないと語る。なんとかジャイ人らの滞在を続けてもらおうとするとき、麻薬となる草をジャイ人に売りつけようとした女性がとらえられた。薬理学の医師だった彼女はセシルらに彼女の思惑を語る。
約6200語。自分の子供を助けるためだからといって、どうしてこの女性は麻薬で取り引きしようとしたのか。異星人を通して政府に圧力をかけるのだというが、そんなことがうまくいくようにはとても思えない。読み方が悪いのか、私にはあまり納得できなかった。たぶん、この作品が一番言いたいことは、「健康のために禁煙しましょう」ということなんだろう。
Essays/Articles
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Editorial: Child, Village, and Bug/ Stanley Schmidt
親だけでなく共同体全体で子供を育てるのがいいと言われるが、では、両親と共同体の意見が違っていたらどうなるだろうか。子供へのワクチン接種を宗教上の理由で免除にするためだけにある特定の宗教に入信させる親が増えている話や、聴覚障害の子供が人工内耳の手術をするなら幼い頃にしないといけないのだが親も聴覚障害の場合はそうでない場合に比べてその手術をさせたがらないことが多いという話など。
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Science Fact:
If a Tree Falls ... or, The Secret History of Global Environmental Catastrophe / Catherine H. Shaffer
木の年輪の成長具合から当時の環境を推定する「年輪年代学」と、そこからわかったことの紹介。
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The Alternate View: A Mission to the Earth's Core / John G. Cramer
地球の核の研究のために、最近Nature誌で提案されていたある方法の紹介。
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The Reference Library / Tom Easton
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Upcoming Events / Anthony Lewis
(2004年6月27日)
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