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Analog Science Fiction and Fact, June 2004
Novella
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Time Ablaze / Michael A. Burstein
火事で父親を亡くしているアデルの家に、アメリカに移住してきたばかりの記者だというシュミットが下宿することになる。アデルや彼女の母親は、地域の人々と蒸気船で一日を過ごすことを計画している。そんなある日、アデルはシュミットの部屋でこれから起こる悲劇……彼女たちの蒸気船の休日に起こる事件……について書かれた本を見つける。シュミットは未来からやってきたタイムトラベラーだったのだ。
〜17000語。ニューヨークで百年前に起こったが、ほとんど忘れられている悲劇、蒸気船ジェネラル・スローカム号事件を題材にした作品。まず、未来の本を部屋においたままにするなんて、うかつすぎる気がする。また、彼女に説得されて、過去を改変しようというのも、考えが足りなさすぎる気がする。だから、タイムトラベルSFとしてはあまり評価できないが、この話のポイントは、9/11の事件だけでなく、百年前の事件も忘れないでいようというところにあるので、これでもいいのだろうか。
Novelettes
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On the Tip of My Tongue / Grey Rollins
誘拐されて地球につれてこられ、故郷がどこかわからなくなってしまった腐肉食いの異星人ビクターのシリーズ9作目。彼を叔父の遺産として引き継いだ青年マーティンと暮らし、二人で私立探偵をして、ときどき警察の捜査を手伝っている。前の作品は、2002年6月号の Tongue-Tied。
今回、二人に依頼してきたのは、超お金持ちの会社経営者。共同経営者が情報を他社に売っているのではないかと疑っており、調べてもらいたいという。彼らの会社は、頭にインプラントを埋め込み、知能アップするというテクノロジーを扱っている。その共同経営者は異星の動物収集が趣味。奇妙な動物園のような彼の屋敷で、二人はさまざまな動物を目撃する。そんな時、依頼人が奇妙な死を遂げてしまう。
評価A-。〜10400語。主人公たちのやり取りがユーモラスで楽しい作品。異星の危険な動物集めの趣味や、知能を向上させるインプラントなどがからんでいて、謎というほどではないけれど、おもしろいSFミステリに仕上がっている。
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Periandry's Quest / Stephen Baxter
この地球では、垂直方向で時間の進み方が異なり、上に行くほど時間が早く進む。屋根裏レベルでは、地上の十倍ほどの早さだ。主人公ペリは、父親の葬儀で屋根裏の世界に住む使用人の少女ローラを見て、恋をする。彼は数週間の間、兄たちと狩りに出かけるが、兄が彼女のことでからかったのに怒り、一人家に戻る。彼はローラに会いたくて、禁断の屋根裏レベルに出かける。だが、そこで彼を待ち受けていたのは、つらい事実だった。
評価A。〜7800語。垂直方向で時間の進み方が違う世界というのは、どこかで聞いたことがあるような設定かもしれない。昔はどこも一定の時間の進み方だったという話が伝わっているが、なぜこういう世界になったのかということについては、登場人物も知らなくて、説明されていない。若い主人公の恋と家族とのあつれき、そして彼を襲う悲劇が、どこかファンタジイのような筆致と見事にあっていて、余韻の残る作品である。
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Greetings from Kudesh / J.T. Sharrah
語り手のナオミは、惑星クデッシュの異星人たちの学校に交換留学生として受け入れられた一人で、最後の試練に合格すれば、一番の目的であるキリスト教の伝道が認められることになっていた。異星人たちは、ある宗教を信じているが、ナオミがその試練に合格すれば、地球人として初めて、信仰について皆の前で話をする機会が得られるという。だが、彼女の友人ドナルドは、不穏な噂を聞き、彼女に気をつけるようにいう。やがて、驚愕の事実が明らかにされるのだが、彼女は信仰のためその運命を受け入れるのだった。
〜10900語。地球の家族にあてたボイスレターの形式をとる。はじめの方は、ところどころ異星人との会話をはさみながら、異星での生活が語られていく。話がなかなか進んでいかない気もしたが、異星の風景は興味深かった。ラストのところが納得いかなかったのは、私がクリスチャンではないからだろうか。数百人は地球人が惑星に来ているらしいのに、どうして彼らの宗教の大事な一面がわかっていなかったのだろうかと、その辺りが気になってしまった。
Short Stories
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Blu 97-032D / Alexis Glynn Latner
最近妻を失ったばかりの主人公は、軌道上の物体を追跡する仕事をしているが、アメリカの通信衛星が消えたという知らせを受ける。彼は何かが衛星にぶつかったのだろうか。彼はその仮定の物体にオーストラリアでありふれた犬の名前からブルーと名づける。さらに数日後、ロシアの通信衛星が消息を絶つ。そして、さらに衛星や軌道上の物体が消失していることがわかる。ふしぎなことに、そのブルーは軌道を変えながら移動しているようなのだ……。
〜6400語。衛星消失の謎を、妻の死を乗り越えようとしている主人公の姿とともに描いている。手堅くまとめてあって、安心して読めた作品だが、もうひとひねりされていたらもっと評価が高かったかと思う。
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The Bistro of Alternate Realities / Kevin J. Anderson
多次元宇宙を移動する装置で、似通った次元の地球でさまざまな情報を集めるエージェントのヘザーは、いつもあるカフェ兼ビストロに立ち寄って、異次元の自分自身たちと集まることにしていた。ヘザーたちは、そこで任務や恋の悩みを語り合う。少しずつ異なる世界のヘザーたちは、ちょっとだけ性格や現在の状況が違っている。主人公のヘザーは、他のヘザーたちの話を聞いて、彼女はヘザーに調査を頼んでいる研究者のブルースとつきあうことにするのだが……。
〜4600語。1993年1月号 "Music Played on the Strings of Time" と1993年12月号 "Tide Pools"が、同じ多次元宇宙についての話らしい。少しずつ異なる主人公たちの会話が楽しい。コミカルな多次元宇宙ものSF。
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Caretaker / Richard A. Lovett
超お金持ちの主人公は、ただ一人、ある美しい惑星に暮らしている。その彼の惑星に、植民者たちを乗せた宇宙船がやってくる。だが、主人公は、惑星の自然を守るためには植民者たちが留まることは許せないと、危険な手段をとるのだった。
4400語。狂信者で自分を神のように思っている一人の男の視点から描かれている。あまりにも淡々と出来事を描いていて、ぞっとしてくる話だった。
Probability Zero
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DO UNTO OTHERS / Kelvin Throop
聖職者たちの会合で神は語った。「郵便切手からヒントを得たんだ」。最近の出生率の低下を心配する聖職者たちに、神が語ったその言葉の謎とは……。
〜900語。ユーモアSFのショートショート。コメディの登場人物のような神の描き方がおもしろい。問題の子犬や子猫の切手は、どこかで評判になったような絵柄なのだろうか。
Essays/Articles
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Editorial: Who Needs Company? / Stanley Schmidt
地球以外に知的生命体がいるのだろうかという問いに対する考察。
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Science Fact:
The Transience of Memory / Richard A. Lovett
トータル・リコールのように、記憶を移し変えることができるのだろうか。さまざまな実験や観察を通して、記憶の謎についてまとめている。
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The Alternate View: In Regards to the Bova Letter / Jeffery D. Kooistra
2003年11月号のBen Bovaのコラム"Isaac Was Wrong, Maybe"に対する反論。さらにこれに対する返事が、Brass Tacks欄(読者のお便りコーナー)に掲載されている。
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The Reference Library / Tom Easton
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Upcoming Events / Anthony Lewis
(2004年12月26日)
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