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Analog Science Fiction and Fact, December 2004
Novella
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Baby on Board / Kenneth Brady
近未来。ネットワークのレーシングゲームのサイトを運営するアランは、不必要に大きなSUV車に反対していた。他人のSUVを無断拝借しては、車に搭載されているAIとともにアウトドアのドライブを楽しんで車のAIに自由を味わわせ、さらに自分のサイトでのゲームへ誘っていた。ところが、誘ったAIの一台がゲーム内で暴走し、ゲームや他のプレーヤーを破壊してしまう。アランはSUVに搭載されたAIを巡る陰謀に気づくのだが……。
〜18000語。他人のSUVに忍び込んでドライブを楽しんで、車に傷がついても気にしない。AI達からゲーム参加代や通信費をとるわけにはいかないので、サイトの運営費が滞っているが、SUVの解放のためだ、一緒にゲームを楽しもう……という主人公40歳に、えー、あのー、という気分になってしまう。愛想つかされた元の奥さんとも復縁するし、夢の実現かもしれないが……。政府の陰謀と戦う近未来冒険SF長編の冒頭部分のようにも感じた。
Novelettes
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A Plague of Ruins / Joe Schrembrie
主人公たちはある惑星に残された異星人の都市跡を調査している。建物はほとんど無傷だが、科学技術を示すようなものはほとんど残っておらず、キャットウルフと名づけた凶暴な補食動物が徘徊している。彼らはようやく無傷のミサイルを発見するが、その弾頭には金属を破壊するナノマシンが入っていた。武器やシェルターが次々と壊れていく中、彼らは救援が到着するまでキャットウルフの襲撃から逃げ切ることができるのだろうか。
〜10000語。生物兵器かもしれないと疑っていながら、中途半端な隔離施設で弾頭を開けて調べてしまうのは、どう考えても危険でしょう。とりあえず、生存者がいて良かったということにしておきたい。とはいうものの、アクションSFとしては、それなりにおもしろかった。
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What Wise Men Seek / Mike Moscoe
語り手たち宣教師の一行がやってきた惑星では、さまざまなことが侮辱と受け取られ処刑されてしまいかねない異星人たちがいる。この惑星にはナノマシンの開発に役立つ材料となる植物があり、地球や他の異星人たちはみなそれを手に入れようとしていた。語り手の仲間のコック兼何でも屋の神父は、市場で知り合った異星人女性の一人を雇うことになる。この種族の女性はほとんど表に出ることがなく、彼女は奴隷かなにかのような立場と思われたのだが……。
〜12000語。異世界社会学SF。この星では女性が実は……でした、というお話。宗教やナノマシンのネタがもっと重要なのかなと思っていたが、それほどでもなかったので残念だ。
Short Stories
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The Fruitcake Genome / Carl Frederick
SETIの研究者の主人公は、異星人からの信号らしきものを発見した。それは音楽のように見えた。主人公はそれがノイズやただの音楽ではなく、情報であることを上司に証明するために、ショウジョウバエの遺伝子情報も音楽になることを示そうとする。ところが、そうするうちに意外な事実が判明する。
〜3900語。SETIを扱ったSF。意外なところに異星人から(?)のメッセージがあったという話。今ひとつ納得できないところもあるけれど、この結末は意外で新鮮だった。タイトルの Fruitcake には、フルーツケーキの他に、変わったとか精神的に異常なとかいう意味があるらしい。
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The Bambi Project / Grey Rollins
密猟者の二人組は、立ち入り禁止の森に侵入し、シカを狩ろうとする。しかし、そこで彼らがであったシカは……。二人は狩る側から追われる側になってしまう。
〜2600語。遺伝子を改変されたシカが登場する短編。もっと短くしてショートショートにした方が強烈でよかったのではと思う。終盤に説明係が現れて密猟者に説明していたが、それは今のSFとしてどうかと思った。
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Savant Songs / Brenda Cooper
主人公アダムは、理論物理学者のエルザの最初は教え子として、後には彼女のよき理解者として、共同研究を行ってきた。彼女は軽度の自閉症の天才で、ひも理論や多次元宇宙説を研究している。彼らはAIを手に入れて、AIに物理や様々な情報を詰め込んだ。やがてAIとエルザは別の次元の宇宙の彼ら自身とコンタクトするのだが……。
評価B+。〜5400語。主人公が師であり友人であり最愛の人である天才物理学者と過ごした十年を、幻想的に描いた作品。向こうの世界にいきたくて、でもAIに先に越された女性の姿が、夢の中の出来事のように綴られている。
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Small Moments in Time / John G. Hemry
主人公は1918年のインフルエンザ、スペイン風邪を調査しているタイムトラベラー。彼はスペイン風邪の発生の状況に奇妙な点を感じるが、そんなとき、街で別の時間旅行者を見つける。どうやら彼がスペイン風邪の伝染源らしい。問いつめたとき、その男が語った理由とは……。
〜6700語、11ページ弱。健康な若者を含め数千万人が亡くなったとされるスペイン風邪を題材にしたタイムトラベルSF。インフルエンザを流行させなければならなかった別のタイムラインからの時間旅行者が語る未来はかなり強烈だ。
Probability Zero
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The Test / Kevin Levites
奇術師のマイケルは、本物の超能力があると証明した超能力者に賞金を出すコンテストをしている。そこに、最近ファーストコンタクトしたばかりの異星人がやってきて、テレパシーを実演する。90パーセントの正答率だ。だが、彼らの祖父母の時代には100%だったらしい。なぜ能力が落ちたのかというと……。
〜300語。ジャンクメールをあつかったショートショート。オチが笑えた。
Essays/Articles
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Editorial: Top Predator / Stanley Schmidt
生態系での捕食者の話から、山火事の役目などについて。
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Science Focusing Visions and Goal for Opening Space / Yoji Kondo & William A. Gaubatz
宇宙開発の今後の展望をまとめている。Yoji KondoはNASAに勤めていたことのある天文学者で、エリック・コタニのペンネームでSFも出版している(翻訳されている)。William A. Gaubatzは宇宙開発ベンチャー企業の創業者で社長だそうだ。
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The Alternate View: A Farewell to Copenhagen? / John G. Cramer
量子論の解釈について行われた最近の実験を紹介する。
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The Reference Library / Tom Easton
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Upcoming Events / Anthony Lewis
(2005年7月27日)
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