レビューの目次に戻る
Analog Science Fiction and Fact, March 2005
Serial
-
The Stonehenge Gate (Part 2 of 3) / Jack Williamson
サハラ砂漠でストーンヘンジのような構造物を調査する4人組は、リトル・ママの遺品のペンダントのおかげか、そこで異世界へ通じるゲートを発見する。だが、そのゲートを通り抜けてきた謎の機械のような生き物にループがさらわれてしまう。彼女を追って、彼らは異世界へと旅立っていく。その先には、白人が黒人を奴隷にしている別の惑星があった。なんと、ラムの額の奇妙な痣が惑星に残る遺跡を作ったという神の姿にそっくりらしい。
評価は最後にまとめてする。〜25000語。
Novelettes
-
Acts of Conscience / Shane Tourtollette
ルシンダは他人の脳の情報を移し、精神病や脳の異常による病気を治すという実験的な研究にかかわっている。その彼女の元に、今一歩のところでスターになれない女優が訪れ、性格を改善できないかと持ちかけてくる。ルシンダはその考えに賛成できないものの、研究グループに話を持ちかけ、それが実現できるか研究することになる。それによって、倫理的にも政治的にもトラブルに巻き込まれてしまう……。
〜13000語。ルシンダや同僚のパーベル、被験者であるジョシュを主人公にしながら続いてきた連作の最新作。これまでの作品は、2002年5月号 First Impressions、2003年3月号 Persistant Patterns、2003年10月号 A New Man。前作までもそうだったが、ある実験的な技術に関する倫理的政治的な問題点をいろいろな側面から指摘している作品。指摘されていることには興味深いところもあるけれど、それだけではそれほど好奇心がそそられなくて、私には今ひとつの作品だ。
Short Stories
-
Alphabet Angels / Ekaterina Sedia and David Bartell
ウィルスの研究施設に勤めているジェシカは、ペットショップのオーナーのガスと知り合って、つきあうようになる。ガスは元遺伝子工学の有名な研究者であり、余暇に遺伝子をいじって水槽の中で文字を形作ることのできるエンジェルフィッシュを育てていた。やがて、彼らはそのエンジェルフィッシュが勝手に文章を形作っていくことに気づく。
評価A。〜7400語。ほとんど現在の世界を舞台に、主人公の一人称で語られている。遺伝子工学や知性というSFっぽい題材を扱いながら、ロマンスとユーモアを交えた作品。語り口が楽しくて、とても面白く読めた。
-
Dark Peril / James C. Glass
巨大移民船で目的地に向かう途中、彼らは重力異常を見つけ、二隻のシャトルで調査することになる。ところが、その重力異常は彼らの予想していたブラックホールの集合ではなく、シャトルの調査チームは危機に落ちいってしまう。
〜6100語。重力異常を調査するのにそこまで近づく必要があるのかなど、多少疑問に思った。予想と実際がどう違っていて、だからどんな危険があったのかなど、わかりにくかった。問題なのは燃料がなくなる(でも、数日後に到着する二台目の移民船に拾ってもらえる)ことと、指揮をとっている移民船の船長が危機管理ができないということだろうかと思えるほどで、いまいち緊張感が足りなかったのも残念だ。
-
General Tso's Chicken / Carl Frederick
宇宙ステーションの指揮官のヘンドリクスは、いまいち風変わりな機関長ロビンソンに加え、三人のやんちゃな天才少年たちをお客に迎え、あいかわらず頭が痛くなる毎日である。少年の一人キットは彼らを運んできた中国船でいたずらをする。そのお仕置きの後で、彼らは音楽を体感できる装置をもらうが、それにロビンソンが興味を持って……。
〜7300語。2002年7月8月合併号 The Spacemice Incident の続編。ユーモラスな宇宙開発SFだが、前作が面白かったわりには今回はそれほどでもなかったと思う。もう少し、大げさにばか話にしたら同じネタでも印象が違ったのではないだろうか。
Probability Zero
-
Copernican Principle / Robert Scherrer
今日の天文学の講義のテーマはコペルニクスの原理について。教授はその後で友人と話していて、コペルニクスの原理に従うならば彼らの世界はコンピュータ・シミュレーションではないかという話題になる。それとも……。
〜1000語。「空間に特別な点はない」というコペルニクスの原理が出てくるのが珍しいショートショート。いかにもやる気のなさそうな学生たちとのやり取りがおもしろかったし、最後のオチも気がきいていた。
Essays/Articles
-
Editorial: A Noisy Signal / Stanley Schmidt
何が健康にいいかというのは、時代によっていろんなことが言われる。中には正反対のことが健康にいいと言われることもある。その中から、本当に正しいことを知るにはどうしたらいいか、など。
-
Science Fact:
The Prehistory of global Climate Change / Richard A. Lovette
化石や地層などから分かる有史以前の気候の変動などについてまとめている。
-
Biolog: CARL FREDERICK by Jay Kay Klien
オーストラリア生まれでニューヨーク育ちで、理論物理の博士号を持っているそうだ。初期のモデム開発にかかわった後で、大学で文学を学び直し、SF作家の道を進み出したようだ。
-
The Alternate View: The Big Rip at the End of Time / John G. Cramer
宇宙の終末に関する最近の理論から。
-
The Reference Library / Tom Easton
-
Upcoming Events / Anthony Lewis
(2005年7月27日)
レビューの目次に戻る