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Analog Science Fiction and Fact, January/February 2006
Serial
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Sun of Suns (Part III of IV) / Karl Schroeder
途中、ファニングの艦隊はスリップストリームによって併合されたイーリイの出身者からなる海賊に襲われ、捕虜にされる。イーリイはヘイデンの故国であるが、ファルコンがスリップストリームに攻撃されたら、イーリイ復興の夢も消えてしまうことを知ってヘイデンは気をもむ。ファニングと別れて捕虜にされた妻ヴェベラは、策を弄して、海賊を追い払うことに成功する。ファニングは部下たちに、伝説にある究極の兵器の在処を示す地図の所在をつかんだため、その兵器を見つけだすために遠征しているのだと言う。
~25000語。直径数万キロの風船のなかに、空気と水と岩がはいっているという世界を舞台にした、冒険アドベンチャーSF。評価は最後にまとめて。
Novella
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"The Night is Fine," The Walrus Said / John Barnes
有名な音楽家のギアラウトは、千の文化圏に分裂した人類を統一していこうという組織の秘密工作員でもある。恋人とのつらい別れを経て、新作のレコーディング中、彼はある女性と知り合う。実は彼女は彼の故国から追放されたある政治団体の工作員だった。ギアラウトはそのことを知りつつ、彼女と愛し合うようになるが、彼を狙ったテロに彼女が巻きこまれたことによって、意外な真相が明らかになる。
評価A-。~23000語。クローンに電子的に記録した記憶を移すことによって、若返りや生き返ることができる未来で、人工知能と人間との関係を描く。主人公の一人称であり、また、音楽家らしく装飾の多い言葉遣いで物語を語っていくため、スタイルには好き嫌いが別れるかもしれないが、ぜひ多くの人に読んでもらいたい作品だ。Thousand Cultures シリーズの新作長篇 The Armies of Memory の一部となり、11月号の"The Diversification of Its Fancy"の続篇にあたる。これまでの作品の、A Million Open Doors (1992)と、Earth Made of Glass (1998)、The Merchants of Souls (2001) を読んだほうがよくわかるが、この部分だけを読んでも興味深いだろう。
Novelettes
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The Balance of Nature / Lee Goodloe
自然環境保護家の若い女性が、自然保護地区へのツアーにつきそうことになる。火山のふもとのその地区では、バイクを使って移動することになる。同行する火山学者は、最近の地震を心配しているようだ。もう一人、有名な環境保護家の男性も同行しているのだが、彼はバイクも自然破壊の手段と見なし、また女性蔑視で主人公につらくあたる。そんな旅の途中で、火山の噴火が始まってしまう。
~12000語。自然環境保護を唱えているのだけれど、どんなものかわかりにくかった。環境保護か、火山の噴火でひきおこされた危機からの脱出か、それとも人間関係のドラマなのか、どこに焦点があるのかがむずかしかった。
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Dinosaur Blood / Richard A. Lovett
近未来、あるお金持ちは地球最後のガソリンを買い込んだ貯めた。その遺産を受け継いだお金持ちの子孫である若い女性は、ガソリンで動く車を復旧させてドライブをするとおもしろいのではと思い立つ。だが、同じように軽薄な女友達とアメリカ縦断の旅を続けるうちに、彼女のなかである思いが目覚めていく。しかし、むかし恐竜たちを滅亡させた異星の人工知能が、また小惑星の衝突を起こす時期が来たのではないかと、そんな彼女たちを監視していた。
~12000語。この未来で、ガソリンはなくなっているが、別の代替エネルギーが開発されているようだ。なのに、どうして異星の人工知能がこの時点でとやかく言いはじめるのか、わかりにくかった。この部分がなくても、考えなしの女性がある使命を感じるようになるという物語が成立したのではないだろうか。その場合、あまりSFらしくはないかもしれないけれど。
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Written in Plaster / Rajnar Vajra
1930年代のイギリス。なくなった父親がユダヤ人だった少年は、ある日、森のなかで変わったかけらを見つける。その日から、彼は奇妙なゴーレムの夢を見るようになる。そして、そのゴーレムが実際に現実に現れたとき、少年と彼の友人である元考古学者の女性は、奇妙な洞窟を見つけるのだった。そこには未来からやってきたと言う男性が少年たちを待ちかまえていた。
~15000語。ゴーレムやカバラを扱った、タイムトラベラーもののお話。30年代や密教的な雰囲気が少年の視点からうまく描かれているとは思うが、タイムトラベラーの話にはいささか無理があるように感じた。これが長篇のイントロの部分で、これから思いがけないどんでん返しが待ちかまえているのだったらいいのだけれど。
Short Stories
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Mop-Up / Grey Rollins
異星人とのファーストコンタクトがなされ、アメリカに異星人がやってきて政府の代表団との交渉が始まった。だが、代表団の政治家たちは、交渉がうまく進展しないことにいらだちを感じていた。そんなとき、交渉場所の建物の掃除係は、異星人たちと友情を結ぶようになる。だが、政府はそれを知ると、掃除人の男性をスパイ呼ばわりし、逮捕するのだが……。
~7200語。異星人が人間に近い考え方をしていても、やはり異質だということを、ユーモアと風刺を交えて描いたファーストコンタクトSF。
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Kamikaze Bugs / Ekaterina Sedia & David Bartell
ジェシーの夫ガスは、もと遺伝子工学の天才科学者で、現在はペットショップのオーナー。ガスは久しぶりに呼ばれた国際会議で講演をするが、そこで旧知の研究者に研究への協力を依頼される。その後、肺の病気で死期が近かったその研究者は、ガスの研究を利用して、タバコを狙うように遺伝子操作されたイナゴを開発し、繁殖させたため、タバコ産業が壊滅しかけていることを知る。
~7400語。これまでに文字を形作る魚やミニチェアイルカを開発して騒動を引き起こしてきたカップルによるシリーズ三作目。まわりの人とのやり取りがユニークでたのしいのは、あいかわらずだ。
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Report on Ranzipal's Plus-Dimension Carry-All / Mark W. Tiedemann
主人公は何でも入れて持ち運びできる鞄のような電子装置の会社の技術者。ある日、ゴルフ場でその装置をつけた人がなくなったと聞き、捜査に協力するために現場に向かう。亡くなっていたのは、あまり親しくなかった叔父だった。叔父の装置からでてきたものは……。
~3600語。アナログ誌らしいガジェットが出てくるSF。けれど、さほどミステリではないし、主人公と妻の仲があまりうまくいっていない原因が叔父にあったというのもあまり生きていない気がして、今ひとつな気がする。
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Change / Julian Flood
環境保護活動家の語り手は、新種の植物の開発を行っている科学者たちの施設へと招待される。科学者たちは、今後起こるだろう気象変動を防ぐために、住居や食生活から変えるという思い切った手段が必要だと言い、彼にその実態を知ってもらいたいと語ったのだ。だが、語り手には別の思惑があった。
~3500語。実は、酸素が多すぎて、気温下降が懸念される改変世界の地球を描いた、環境保護SF。食料や建築材料のほとんどを木々に依存し、地球が森で覆われた世界も、行き過ぎるとよくないというお話。ネタはおもしろかったけれど、もっと短いショートショートでもよかったかも。
Essays/Articles
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Editorial: The Anthropocentric Principle / Stanley Schmidt
インテリジェントデザイン論や人間原理について。
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Science Fact:
Pollution, Solutions, Elution, and Nanotechnology
/ Stephen L. Gillette, Ph.D.
鉱業へのナノテクの応用について。実現可能なのか。著者は類似の記事を"Beyond Prometheus"(1993年12月号)、"The Environment, Technology Drivers -- and Nanotechnology,"(1994月11月号)、"Near-Term Nanotechnology,"(1998年10月号)でも発表しているらしい。
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Science Fact:
From Fimbulwinter to Dante's Hell: The Strange Saga of Snowball Earth
/ Richard A. Lovett
かつて地球は氷に覆われていたという「スノーボール・アース」についてまとめている。
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Special Features
Why Do Readers Always Ask?
/ James P. Hogan
作品のいくつかについて、ホーガンがどこから発想したのかを語っている。
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The Alternate View: Length Contraction / Jeffery D. Kooistra
特殊相対論でよく見られる誤解について。「物体が高速で動くとき、時間はゆっくりとなり、長さは短くなる」本当だろうか?
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The Reference Library / Tom Easton
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Upcoming Events / Anthony Lewis
(2006年10月23日)
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