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On Fire's Wing / Christie Golden
On Fire's Wing / Christie Golden
July 2004, LUNA
街の娼婦の娘ケブラは、裕福な族長タームの家で働くことになる。彼女は知らなかったが、タームは彼女の父親だ。奥方のメイドに抜てきされた彼女は、タームの一人息子のジャシェミと親しくなる。ジャシェミはケブラが腹違いの姉であることに気づいていたが、いつのまにか二人は恋に落ちてしまう。
そうするうちに、ケブラとジャシェミは竜の守護神が登場する不思議な夢を見るようになる。だが、そのことが知られれば悪魔つきとして処刑されてしまう。二人は夢のことを忘れ、互いへの気持ちを抑えようとする。そして、ジャシェミは近隣の部族の娘と結婚する。そんなある日、ケブラはタームを暗殺しようとする企てを阻止しようとして、思わず魔法で火を操ってしまい、悪魔つきとして糾弾される。
その頃、山の向こうでは怪しげな力に操られた皇帝が、タームたちの砂漠の部族を征服しようとしていた。世界を破滅から守るため、ケブラは夢の中で繰り返される竜の問いに答え、自分が何者であるかを見いださなければならないのだが……。
守護神である竜の伝説が息づく砂漠の世界を舞台にした異世界ファンタジー。守護神の竜の伝説や、厳しいカースト制をもつ部族の暮らしなど、作品世界がとても魅力的で、パワフルだった。竜を従えた精霊と伝説の守り手たちのこれからの物語がどうなっていくのか楽しみだ。今回は火の力を持つ竜の話だが、他にもいろいろな精霊が登場し、Final Dance シリーズとして5部作になるらしい。
本作品は少女の成長を描いているが、内容的にはヤングアダルト作品ではない。また、シリーズの今後がどうかはわからないが、この巻ではロマンス的にハッピーエンドでもなかった。ロマンス要素の濃いファンタジーだと思っていると、ショックを受けるような展開だ(ロマンスの相手役になるのが兄弟では……)。
作者はファンタジーのオリジナル長編の他、スタートレックものなどの作品を発表している作家。シリーズ第2巻 In Stone's Clasp は、2005年9月刊行予定だそうだ。
(2005年4月11日)
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