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Staying Dead / Laura Anne Gilman


Staying Dead / Laura Anne Gilman
August 2004, LUNA

 一般には知られていないが、この世には魔法使いや妖精が実在している。魔法使いの一人、レン・バレールは電気を操るなどの魔法の能力を持ち、盗まれた美術品を探して取り戻すリトリーバーとして生計を立てている。依頼には違法でないと言いがたいものも多い。美術商という表の顔を持つパートナーのセルゲイ・ディディエとは、友人以上で恋人未満の微妙な関係だ。

 今回の依頼は、盗まれた建物の礎となるオブジェを探してとりもどすというものだ。比較的単純な仕事のはずだった。だが、調べていくうちに、この盗みには強力な魔法使いがからんでいることがわかる。依頼主もどことなくうさんくさい。どうやらその礎には魔法で魔法使いの亡霊が封じ込めてあって、その亡霊が放たれてしまったらしい。

 一方で、セルゲイはレンに言えない秘密に悩んでいた。そのうえ、何者かがレンたちを付け狙っていることがわかる。亡霊か、礎を盗んだ魔法使いか、それとも……。



 魔法が存在する現代のニューヨークを舞台にしたアーバンファンタジー。LUNAのこれまでの作品で、はじめて現代の世界を扱っている。魔法が出てくるファンタジーといっても、レンの魔力や魔法による襲撃、現代の魔法使いたちの秘密組織などの描かれ方は子供向きではなく、大人の読み物のファンタジーだ。謎とサスペンスとハードボイルドっぽさが、魔法の存在する現在のニューヨークという舞台設定によく似合っている。

 主人公二人の微妙な関係がいい雰囲気をつくりだしているが、ロマンティック・ファンタジーというほどではないかもしれない。文章は比較的素っ気ないくらいに感じるが、それが魅力でもある。ただ、回想シーンが入るところなどで、時間の流れがわかりにくい所もあった。

 作者は編集者やアンソロジーの編者として知られ、二十本以上の短篇を発表しているが、オリジナルの長編はこれが初めてである。リトリーバー・シリーズとして続編が予定されている。第2作 Curse the Dark は2005年7月刊行予定である。このほかに、シリーズの短編に、"Palimpiset" (Powers Of Detection, edited by Dana Stabeow, Ace, 2005) と "Overrush" (Murder by Magic, edited by Rosemary Edghill, Warner, 2004) がある。

(2005年4月11日)

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