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Bite / Laurell K. Hamilton, Charlaine Harris, MaryJanice Davidson, Angela Knight, Vickie Taylor
Bite / Laurell K. Hamilton, Charlaine Harris, MaryJanice Davidson, Angela Knight, Vickie Taylor
Jove, January 2005.
吸血鬼を題材にしたファンタジイ・ロマンスのアンソロジー。最近、吸血鬼もののロマンスがたくさん刊行されているが、その人気のシリーズの短篇がいくつもあって、ファンにはたまらないのではと思う。ロマンスといっても、ロマンスというよりミステリのものからかなりエロチックなものまで、程度はいろいろあった。それぞれおもしろく、もし未読ならシリーズの長篇も読んでみようという気にさせる作品がそろっている。
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The Girl Who Was Infatuated with Death / Laurell K. Hamilton
アニタは人探しを依頼される。アニタは死者をゾンビとして復活させるアニメーターであり、人探しは彼女の仕事ではないのだが、依頼人の未成年の娘がヴァンパイアになろうとしているのを止めてほしいという。アニタは資格を持ったヴァンパイア・ハンターでもあり、未成年の相手を噛んだヴァンパイアは処刑する義務があった。そこで、アニタは恋人のヴァンパイアのジャン=クロードの元を訪れる。アニタはジャン=クロードと人狼のリチャードの二人とつきあっていたけれど、いろいろあってどちらともこの何か月か距離を置いていた。久しぶりにジャン=クロードと二人きりになると、アニタは禁断の欲望に飲み込まれそうになるのだった。
Anita Blakeシリーズで、八作目 Blue Moon と九作目 Obsidian Butterfly の間に位置する作品。ハミルトンはこれまでアンソロジーに何度か作品を提供しているが、どれも長篇の冒頭部分であり、これが初めての長篇以外の作品になる。まるで長篇の導入部を読んでいるような印象も受けるが、シリーズの持つ独特の魅力は伝わってくる作品だ。ただし、アニタとジャン=クロードは途中で邪魔されるので、セクシャルな雰囲気はあるけれど最後まで(?)はいきつかない。30ページ。
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One Word Answer / Charlaine Harris
スーキーは人の心を読めてしまう超能力を持ったウエイトレスで、元彼のビルはヴァンパイアだ。ある晩、ニューオリンズのヴァンパイアの女王の使者とその運転手の吸血鬼が彼女の家に現れる。しばらく音信不通だったスーキーのいとこがいつのまにかヴァンパイアになっていたのだが、何者かによって殺されたのだという。スーキーはいとこを殺した犯人と使者たちの来訪に隠された真実を推理する。
「満月と血とキスと」(集英社文庫)のシャーレイン・ハリスの Sookie Stackhouse シリーズの短篇。主人公スーキーの一人称の語り口が魅力的で、短いながらも意外な展開に驚かされる良質のファンタジイ・ミステリになっている。24ページ。
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Biting in Plain Sight / MaryJanice Davidson
その湖畔の小さな街の住人はみんな、獣医のソフィーはヴァンパイアだと知っていた。けれど、優秀な獣医の彼女を失いたくないので、誰もそのことは口にしない。リアムは少年のころからずっと彼女を愛してきていて、38歳の今も彼女の前では無口になってしまう。ある日、ソフィーは少女の自殺のニュースを聞いて、その影にヴァンパイアがいることに気づく。新しいヴァンパイアの女王に知らせようと、彼女は車で旅に出る。リアムはこれを機会に自分の気持ちを伝えようと、一緒に女王のもとに向かうのだが……。
靴フェチで特殊能力を持ったヴァンパイアの女王様が登場する Undead and Unwed シリーズの番外編にあたる。ユーモアがあって楽しくなってしまう作品。でも、それなりにきちんとロマンスしていて、セクシャルなシーンもある。69ページ。
作者は電子書籍や小出版社などからエロティックなパラノーマル・ロマンスを出していて、Sapphire賞やP.E.A.R.L.賞などを受賞してきた実力の持ち主。コミカルな作風で知られている。いまはヴァンパイアやシェイプシフターもの、改変歴史もの(?独立国のアラスカの王子様かなにかが出てくるとか)のパラノーマル・ロマンスや、セクシーな現代ものロマンスなどを次々と出して、一躍、人気作家だ。Undead and Unwed も最初は電子書籍の出版社から刊行されていたものが、改稿されてBerkleyから出版された。
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Galahad / Angela Knight
キャロラインはスカウトされたばかりの新米魔女だが、あるハンサムなヴァンパイアと一緒に悪者ヴァンパイアの敵と戦う魔法のビジョンをみる。魔法でたどり着いたそのハンサムなヴァンパイアは円卓の騎士ガラハッドだった。どうやら悪魔の手下である敵のヴァンパイアたちは、聖杯で血を飲むことで手下を増やす手段を見つけたらしい。仲間のヴァンパイアや魔女は別の戦いに出払っていたため、キャロラインとガラハッドは二人だけで聖杯を見つけださなければならなくなる。一度は聖杯を見失うが、ガラハッドの友人のドラゴンの助けを借りて、二人は力を合わせて戦うのだった。
アーサー王伝説をもちいた魔法とヴァンパイアの世界をえがいた mageverse シリーズの作品。マーリンは別次元の魔法使いで、円卓の騎士は彼によって人類を守る使命を与えられたヴァンパイア、その子孫の男はヴァンパイア、女は魔女になる素質を持っているという世界である。このアンソロジーの中で一番セクシャルな作品ではないかと思う。84ページ。
この作者も電子書籍や小出版社などからエロティックなパラノーマル・ロマンス(ヴァンパイアもの、近未来もの、ファンタジーものなど)を出していて、P.E.A.R.L.賞などを受賞した。いまは電子書籍の出版社のほかに、Berkleyから mageverse シリーズなどを出版している。
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Blood Lust / Vickie Taylor
生化学者のダニエルは人工血液の作製に成功するが、研究の出資者のガースは実はヴァンパイアだった。ダニエルは半殺しにされ、恋人スーエレンをヴァンパイアにされてしまう。彼は復讐のために自分もヴァンパイアになろうと、ヴァンパイアのディアドルに目をつける。ディアドルはダニエルの気持ちがスーエレンにあることを承知しながらも、彼の復讐に手を貸すことになる。
陽に当たって死にそうになったり、血を吸いすぎて相手を殺しそうになったり、そんな自分が嫌になったりと、この中でもっとも吸血鬼くさい短篇だと思う。人工血液の設定はいまいちのところもあるが、二人のそれぞれの葛藤は読みごたえがあった。作者はハーレクインでロマンティック・サスペンス系の著作があるようだ。これが初めてのパラノーマル作品だが、パラノーマル・ロマンスの長篇も刊行予定らしい。77ページ。
(2005年5月2日)
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