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Shield of the Sky / Susan Krinard


Shield of the Sky / Susan Krinard
October 2004, LUNA

 レンナは女性のみの部族〈自由民〉の一員だが、子供の頃に神聖な儀式を覗き見したことをとがめられて以来、部族から孤立して暮らしている。〈自由民〉はずっと山に住む男性の豹のシェイプシフターたちの一族アイリュを守護してきた。だが、近隣諸国まで勢力を伸ばしてきた〈石の神〉の信者たちがアイリュを狩り集めているらしい。レンナは残ったアリューリを探して保護する任務を受けて、故郷を旅立った。途中、精霊のお告げによって山の向こうからやってきた予言者の少女ターヴォと出会い、一緒に旅をすることになる。

 二人は異国の兵隊に雇われた近隣の部族が、アイリュの青年を捕まえていたのをみつけ、彼を逃がす。そのアイリュの青年チアンは、故郷から逃げ出していたのだが、戻ってきて自分以外のアイリュが捕らえられていることに気づいたのだった。レンナはチアンを部族の元に連れ帰ろうとするが、チアンは連れ去られた仲間を助けるために、海の向こうの〈石の神〉を守護する帝国の首都へと向かおうとする。だが、そこで彼らを待ち構えていたのは、思いがけない運命だった……。



 紀元前3世紀頃、アレキサンダー大王亡き後の地中海周辺を舞台にしたファンタジー。といっても、歴史を知らなくてもぜんぜん問題なく楽しめる。地名などは現在のものとは違うので、あまり意識しなくても読みすすめられるように感じた。  捕らえられていたアイリュたちは解放されるが、この後もレンナとチアンとターヴォの旅は続く。戦士クィンタスが後半のカルタゴで登場し、ターヴォの予言が示しているように、この4人が今後もシリーズの中心となって進んでいくらしい。〈自由民〉やさまざまな部族、都市が登場するが、それぞれ印象的でエキゾチックだった。

 作者はシェイプシフターやSF的なロマンスを刊行している作家だ。だから、この作品ももっとありがちなロマンスになっている作品かと思ったが、そうではなかった。ロマンティック・ファンタジーというより、普通に伝統的なファンタジーのシリーズ第一巻だ。レンナとチアンの間に恋愛感情なようなものもあるが、いろいろな障壁があって、ロマンスというところまでは進んでいない。その点も含めて、次作で彼らがどうなるのか楽しみな作品だ。

(2005年5月13日)

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