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Jovah's Angel / Sharon Shinn
Jovah's Angel / Sharon Shinn
Ace, 1997.
Archangel の続編で、〈Archangel〉シリーズの2作目。
サマリアの地が開かれてから六百年後。〈大天使〉デリラが嵐に巻き込まれて羽根を折ってしまい、配偶者である〈アンジェリコ〉が亡くなってしまうという前代未聞の悲劇が起こる。空を飛べなくては、天使の役目である神ジョヴァに祈りを捧げることもできなくなる。誰もが驚いたことに、代わりに神が選んだのは、アレルヤだった。彼女は研究者肌の控えめな性格で、外交手腕が要求される〈大天使〉にはむかないと思われたのだが、なんとか仕事をこなしていく。
だが、そのアレルヤを難題が待ち構えていた。天使たちの歌声が神ジョヴァに届かなくなり、神に声が届くのは、ただ一人、アレルヤだけらしい。各地で天候が不順になり、干ばつや洪水などが起こって、さまざまな不穏な意見が聞かれるようになる。また、3か所にある天使の居城には神によってつくられた昔の天使の歌声を記録する装置があったのだが、それらがつぎつぎと働かなくなってしまったのだ。
サマリアで一番の発明家として注目を集めはじめているケイレブは、昔、同じく発明家だった父親を落雷事故で失い、その時に腕に埋め込まれたジョヴァの信徒である証〈キス〉を壊されてしまっていた。アレルヤは歌声の再生装置を修理してもらうために彼と知り合う。ケイレブの友人であるエドリ族の発明家ノアは、天使の居城を離れ酒場で歌手をしているデリラと親しくなったため、アレルヤに反感を持っているようだ。
アレルヤとケイレブは協力してジョヴァの謎に迫っていくことになる。二人は互いに惹かれあうが、〈神託〉によると、アレルヤの配偶者の〈アンジェリコ〉は「ジェレマイアの子孫」でなければならないらしい。有名なジェレマイアといえば、〈大天使〉ガブリエルの父親だ。彼の子孫が〈アンジェリコ〉になるのだろうか。アレルヤは神に声が届かなくなった謎を追って、後継者なしに亡くなった〈神託〉の居城を訪れ、そこで謎を解くかもしれない資料を発見するのだが……。
戦乱を避け調和に満ちた美しい社会をつくるため、ジョヴァの手で運ばれてきてサマリアの地が開かれてから六百年後。天使が歌うと、気候を変えることができ、上空から作物の種子や病気の治療薬が降ってくる。三人の〈神託〉は、〈インターフェース〉を通してジョヴァと交信する。登場人物たちには知らされていないが、サマリアは植民惑星で、〈天使〉は遺伝子操作で翼を持った人々、彼らの神ジョヴァは彼らを運んできた宇宙船エホバのコンピュータである。
前作から時代が進んで、この作品中では電気や蒸気機関などが再発見されている。惑星の開発も進み、放浪の旅を続けるエドリ族は、自分達の暮らしを守るために海の向こうにあると考えられている新大陸への移住を計画している。そこで、新しいものの代表する発明家のケイレブが主人公の一人。思いがけず〈大天使〉になってしまったアレルヤと彼の視点から交互に語られながら物語が進んでいく。
本作はどこかファンタジイのように感じられた前作にくらべると、ずっとSFらしくなっている。だが、深刻な状況の中でも友情があり、恋愛があり、とてもロマンティックでさわやかな雰囲気がある。前作もそうだったが、歌声や映像があざやかに描き出されていて、物語世界が印象的に浮かび上がってくる。神を信じるとはいったい何か、人々の幸福のために真実を隠していくことはできるのか、科学はどこまで進歩していいのか、なども考えさせられる作品だ。
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(2005年11月6日)
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