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Dog Warrior / Wen Spencer
Dog Warrior / Wen Spencer
ROC, Feb. 2005.
アッティクス・スティールは、ドラッグの取り引きのために彼のパートナーで恋人のルー(ヒカル・タカハシ)と移動中、駐車場の車のトランクの中で死体を発見する。それも、若い「自分自身」の死体をだ。
アッティクスは特殊体質で、死んでいても生き返ることができた。だから、この死体も生き返るのではないかと、とりあえず死体を一緒に運んでいくことにする。実際、死体は生き返った。その元死体の彼、ユカイアはアッティクスが誰だかわかったらしい。彼は二人が双子みたいなものだという奇想天外な話をする(死んだのに生き返ることの方がびっくりだけれども)。そこに、ドラッグの供給先であるバイカー集団のボスのダギッドが取引に現れる。驚いたことに、ダギッドはユカイアを知っているらしい。彼らが尊敬している凶悪なライダー集団ドッグ・ウォリアーズのリーダーのレニー・ショウと、ユカイアは関係しているらしいのだ。どうやら、ドッグ・ウォリアーズが謎の宗教団体 New Reason 教会に絡んだ事件を起こし、それに巻き込まれたユカイアは New Reason 教会に捕まって殺されたらしい。
ユカイアは、アッティクスたちの敵なのか味方なのか。アッティクスの前にレニーたちドッグ・ウォリアーズが現れ、彼をテストすると言う。彼らはアッティクスの記憶を強引に読み取ると、満足したのかユカイアを連れて去っていく。さらに New Reason 教会を調査しているFBIの特別捜査官インディゴ・ジェンが彼らの前に現れて、ドラッグの驚くべき秘密を語るのだった……。
Alien Taste、Tainted Trail から始まるシリーズの第四作。現代のアメリカを舞台にしたヤングアダルト風味のSF作品。前作 Bitter Waters の直後から物語は始まっている。
これまでの主人公のユカイア・オレゴンの生き別れの双子の兄(?)アッティクスが登場し、主に彼の視点から語られている。アッティクスとルーは犯罪者なのかと思わせるような書き出しだけれど、実はそうではなくて、いい人なので安心だ。ドッグ・ウォリアーズたちと New Reason 教会、彼らの敵のオントンガード(ヘックスのゲット)らの闘争を、自分とどんな関係にあるのか知らずにかかわってしまった主人公の目から描かれている。前作に登場していた、ユカイアのために調節され、New Reason 教会の手に渡っていた強烈なドラッグが再び重要な役割を占めている。
狼男やエイリアンや吸血鬼や天使にされて、混乱しているアッティクスが妙にかわいげがあって、いい感じだ。とはいうものの、アッティクスとルーの関係にはちょっとどぎまぎした。二人の関係を示すような記憶が呼び起こされて語られたりしているのだ。そういえばユカイアの育ての親も女性同士のカップルだった。ユカイアとインディコの恋愛は描かれていたが、わりにあっさりしているので、もともとこのシリーズは、ロマンティックSFに分類されるものではないようだ。
主人公が変わっているが、新しい読者がここから読めるかというとそうではないので、シリーズのこれまでを読んでおくべきだろう。
(2005年11月6日)
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