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| ある夏の日、目の前で見た雅康さんの雪女郎が私に一つの扉を開け放 |
| ってくれた。その扉が開いてからは、もうすべてが変わってゆくような巨大 |
| な重たい扉を彼女の変化(へんげ)の力が易々と開いた。 |
| 彼女の舞踊は、そういう、通常の舞踊家とはまったく違う力がある。それ |
| が闇の力であるのか光の力であるのか、それはどうでもいい。たぶん光と |
| 闇みは一つのものだから。 |
| 彼女の舞踊は神に奉納し、扉を開けるためのものだ。彼女がたぶんアメ |
| ノウズメなのだ。 |
| 中島 梓(作家・舞台演出家 栗本 薫) |
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