北京の伝統的戯楼

 2000年9月、中国の古い劇場についての研究者との研究交流会というのがあり、行った際に北京に残る古い形式の京劇舞台を、駆け足で見てきました。

故宮の暢音閣

 1776年(乾隆41年)建築。宮廷舞台と言われる形式で、舞台が客席とは独立した建物で、観客である皇帝たちは、舞台の向かい側の建物(右側の写真)から中庭ごしに見たという。
 故宮内には他にもいくつかの舞台があるが、公開されているのは、映画のロケが契機で修復された、この暢音閣だけだそうだ。

頤和園の徳和園

 1894年(光緒20年)建築。西太后が海軍予算を削って作った夏用の離宮、頤和園にある宮廷舞台。
 暢音閣もそうだが、宮廷舞台は、客席にあたる回廊が接近しているのと、「天子北辰南面」のために舞台が北向きであり、晴天時には写真が撮りにくい。
 右側の写真は舞台の建物の背面。

正乙祠戯場

 建築年代は不明だが、1792年に落成したと考えるのが合理的だそうだ。
 会館戯台と言われる形式で、客席にはテーブルがあり、お茶を飲みながら観るが、茶館と言われる施設とは違うらしい。
 行った日の夕方には、学生京劇の公演が予定されていた。

湖廣会館

 こちらも会 館戯台で、劇場部分は1830年(道光10年)にできたそうだ。
 元々は地方の北京事務所だったのが、清朝末期にはアメリカ軍の司令部も置かれたとか。今は、毎晩、京劇公演が行われており、観光客も多い。
 私たちが行ったのは昼間で、三演目の見取り公演。老旦が主役で動きが少ないため、日本公演では取りあげられない「赤桑鎮」という演目が見られた。「杜十娘」の旦がよかった。

Copyright Masahiro NISHIMURA Sep. 25, 2000. All rights reserved.
[↑このページの冒頭へ戻る][本館に戻る]