Kabuki Syndrome Network Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第106号

  わが子の入院前から永眠までの経過 ここでの記載事項はほんの一部です。

 <<平成27年6月25日>>

 

 <概要>

 18歳 女  療育手帳;A判定  障害支援区分:4

 3月に特別支援学校高等部を卒業。

 4月から生活介護事業所へ通所し、ゴムのバリ取りなどの生産活動に従事。

 専門病院における受診科目および病名

 内科(遺伝科):歌舞伎症候群  児童神経科:部分てんかん  整形外科:脊柱側弯症  眼科:近視

 耳鼻科:難聴、アレルギー  歯科:定期健診 虫歯は1本もありませんでした  婦人科:無月経

 定期的な「空腹時血糖値」の測定はしてこなかった。

 

 <経過>

 04/30 この頃から大量の水をほしがる。毎晩の夜尿症が始まる。

 05/01 この頃からオムツの使用量が増える。

 05/05 咳が出始める。風邪の症状。水分を常に求めるようになる。

 05/07 かかりつけの耳鼻科を受診。薬を処方される。

 05/08 症状の改善が見られない。

 05/09 ブログ パソコンの最中も横になるようになった。夜、少し苦しそうであった。

 05/10 覇気がなくなる。ブログ。夜、眠るのに苦しく、熟睡できず。

 05/11未明 苦しくて眠れないようで、救急救命センターへ連れて行く。

  ・自力では歩けない。センターでは記憶をなくしていた。

  ・検査の結果、医師は『糖尿病』または『血糖値異常』の病歴の質問を受ける。

  ・『糖尿病』または『血糖値異常』の履歴はない」と答える。

  ・07時頃、集中治療室へ搬送。

  ・09時、集中治療室から電話。直ちに来所されたいとのこと。

  ・医師からの当面の目標説明

  ◎肺炎治療を優先し、その後糖尿病治療する。

  ・17:30頃の状況

  ◎血糖値 500以上 MAXは600以上

  ◎肺炎を併発。レントゲンを比較すると救急救命センター到着時と集中治療室時では大きな差があった。

  ◎病院到着後約4時間で肺が真っ白になった。

  ◎自己呼吸ができないため、医師がふいご状の物を使い呼吸の補助。その後人工呼吸。

  ◎意識障害   

 05/12 人工呼吸器が外れる。自己呼吸となる。注射針、酸素マスク等外すので身体拘束を依頼した。

 05/13 主治医より「T型糖尿病」と診断される。

 05/14 主治医より、痰を分析したところ、肺炎の原因が2種類の雑菌であることが分った。

     1つは真珠腫性中耳炎と同じ菌。もう1つは不明。

 05/15 集中治療室から一般病棟(糖尿病の病棟)へ移動。肺炎がかなり改善したため。

 05/16 自分の手・足を使って2回ほど栄養チューブを外したとのこと。

 05/17 引き続き栄養チューブと酸素吸入。

 05/18 家族がいることは判断でき、声が聞こえると暴れる。

 05/20 栄養チューブ不要となる。酸素吸入は継続。ウォーターゼリーを飲む。薬を混ぜて飲ませる。

 05/21 昼・夕食はおかゆが出る。

     夜はカレーライス、プリン・フルーツ、アイス。1時間掛けて食べさせる。

     家路につくおり、「お父ちゃん[グッド(上向き矢印)]、仕事[グッド(上向き矢印)]? バイバイ」と言いながら一生懸命手を振ってくれました。

      (これが最後の「ことば」になりました・・・含蓄に富んだ言葉で、一生忘れません。 無念)

 05/22 午後一般病棟から集中治療室へ。意識もあり、少し話をした。

 05/23 主治医の説明『別の菌により肺炎』。肺炎は最初のときより少し重い。

    意識あり。夜の説明で、動くので麻薬成分を入れる。気管挿管。

    改めて、歌舞伎症候群と易感染症の説明。思い当たるところが数々。米国調査結果64%

 05/24 朝、様態は変わらず。

    夕方主治医の説明「貧血気味」のため輸血をしている。様態は横ばい。

 05/25 夕方医師の説明「肺にたまった水を薬を使って尿として排出している。これは上手くいっている。

    ただし、肺には新しい水がたまっている。この治療を続ける」

    看護師により薬7種(カリウム、てんかん2種、抗精神剤、抗生剤ほか)

 05/26 夕方主治医の説明「レントゲンの結果肺炎の状況は変わらず。尿はたくさん出ている。この治療を継続」

    父からの言葉掛けに敏感に反応し、動く。動くことは器具がずれる可能性があり良くない。

    血糖値は191。計画的に血糖値を高く維持しているとのこと。

 05/27 看護師からの今日の変更点を聞き取る

    ・ヘモグロビンが不足しているため輸血を実施中。

    ・今まで人工呼吸器をフルパワーで働かせていたが少し絞った。

 05/28 16:50頃病院看護主任より電話

    病院の都合でICU内で移動。病状とは無関係。

    直ちに病院へ行き確認。

    人工呼吸器のパワーはかなり下げてあった。

    主治医からの説明を明日17:00に行いたい。

    お尻かぶれが激しいので、オムツを通気性の高いものに変えてほしい。

    父はわが子の手を握って少し寝てしまった。

 05/29 主治医より説明

    レントゲンを見せながら肺炎は少し良くなった。現在人工呼吸器の酸素濃度70%。

    ただし、気管挿管は2週間が限界。その後は気管切開し、酸素を供給する。

    月曜日に耳鼻科の医師と切開手術について打ち合わせする。

 05/30 人工呼吸器の酸素濃度は70%のまま。昨日と比べ自己呼吸の頻度が増したような気がする。

    タオル、石鹸の要望があった。

    眠らされていはいるが、父・母の気配を感じ、交互に寝返りを打つ。

 05/31 人工呼吸器の酸素濃度80%。自己呼吸の割合は増えたと思う。

    一つ一つの呼吸は大きく、モニターの酸素量はmax96を示す。下痢はかなり改善した。

    ハンカチに梓の匂いをたくさんつけ、自宅で飼い犬に嗅がせたが反応はあまり無かった。

 06/01 今日は3回訪問。人工呼吸器の酸素濃度60%。

    昼は真珠腫性中耳炎の担当医(14年間付き合い)から気管切開手術の意義の説明を受ける。この医師から説明を受けたことは良かった。

    夜は執刀医より明日午後3時以降に執刀すること。手術の内容、伴う危険の説明を受ける。

    執刀医は父の耳下腺腫瘍の摘出手術を執刀。

 06/02 今日は「気管切開手術」

    16:42手術室へ入る。

    17:25医師数名があわただしく手術室へ入る。

    17:35頃主治医が説明「呼吸が止まった。心臓マッサージをしている。心肺蘇生器を使うことがあるかもしれない」

    18:37急性呼吸窮迫症候群により他界。

      執刀医の説明「挿入は成功したが、酸素を送っても反応しない」主治医の説明「肺炎が重篤な状態であった」

      父の質問「本当にこの手術をして良かったのか」 主治医の説明「回復状態に応じ慎重に計画だてて行った。本人にはベストな治療」

      解剖をしたい旨の申し出があったが、早く家へ帰りたいこと、これ以上切り刻まれることは耐えられない為、CTのみとし、解剖は断る。 

      後日、気持ちの整理がついたら主治医をたずね、話を聞くことを約束する。

      主治医は検証委員会を病院内で実施する旨家族に伝える。

 

  一般病棟での様子                        遺影はこのページの写真を使用

   DSC_0498.JPG    DSC_0510.JPG

 

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