Kabuki Syndrome Network Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル   第3号

会員さんのネットワークにより次ぎの情報が得られました。この場を借りて会員さんに感謝申し上げます。

「全国心臓病の子どもを守る会」の会報の「心臓をまもる」7月号に歌舞伎メーキャップ症候群のお子さんを持つお母さんの投稿が掲載されていました。ぜひ、皆さんにも読んでいただきたい内容でしたので、投稿された吾妻さんに連絡し、皆さんにご紹介させていただけることになりました。

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子どもの自信につながって

 地域の小学校を選んで良かった

吾妻 幸子

 平成七年一七八八グラムの仮死状態で、心房中核欠損、口蓋裂、口唇裂、鎖肛をもって誕生した芽生ちゃん。哺乳障害もあり育ちも悪く、一年間は鼻から栄養チューブが抜けず、このまま育つことができるのかと連夜泣き明かす日々でした。歩くのも三歳を目前としたときでしたが、徐々に成長し託児所にも通うようになりました。

 昨年の事務局・会計の勉強会に代理として参加させていただいた際の資料をもとに、岐阜の方と知り会いになり、娘が歌舞伎メーキャップ症候群であることを認識し、今までの娘の状態を納得することができ、自分が今まで悩んできたことが救われた気分でした。

学校中の人気者に

 現在芽生は身長九八センチ、体重十五キロ。地域の学校の通常学級へ通っています。この入学に関しては、就学指導審議会で出された結果は養護学校でした。娘は病気の他にも知的障害があるのでその結果がでるだろうと予測はしておりましたが、最終的には保護者の判断となっていながらもなかなか入学決定を出してもらうことができず、決まるまでの心境はなんとも言い表せないものがありました。そんな中、唯一の支えになったのは守る会で得た友人の励ましでした。

 三回ほど学校へ出向き、親自身普通の子と一緒に同じように育てていきたいこと、この子の社会性を伸ばすためにも地域の学校へ通わせたいということ、障害はあるけれど娘は託児所などで普通にみんなの中に入り生活して、何より娘がみんなの中に入っていくことがとても楽しいと感じていることなどを伝え、四回目にして登下校は親が送迎すること、四月いっぱいは親が学校内で待機すること、課外授業や行事などの際は親が付き添うこと、特別扱いはしないということを条件に、やっと入学許可が下りたという経緯でした。

 障害があるということで線引きされることへのもどかしさを強く感じました。特別扱いはしないということ、審議にかけられていること自体が特別扱いなのに、遠足などは一人だけ車で行くことは認めないとか、病気もあり、体力のないこの子にどうしろというのか?という疑問は残ったままですが。

それでもそんなことを吹き飛ばすかのように、入学して以来、芽生は学校中の人気者。休み時間も学年問わず遊んでもらっていて、必ず親衛隊のように何人かの子どもたちに囲まれています。朝からたくさんの子どもが声をかけてくれるので、もれないように手を振らせようと思うと、母はマネージメントが忙しいくらいです。

 入院や手術があったせいか白衣が苦手で、レントゲンや注射は押さえつけてやってきたのに、学校でのツ反や心電図までも泣かずにクリアし、足がとどくか心配した和式トイレも自分でペダルにつかまったりと工夫してるし、何より学校へ行くのをとても楽しみにしています。

 クラスメートの子どもたちは、小さくてお話もじょうずでない娘を、真っ白な気持ちで受け入れてくれていて、国語の時間の音読で娘が「話した!」とみんなから自然と拍手が沸いたそうです。「こういうことが大切なのかと思いました」と先生も報告してくれました。

 女の子はかわるがわるお世話をしてくれていますし、男の子もそっと靴を出してくれたり履かせてくれたりで、たいていの日常生活は自分でできるのですが、本人はお調子にのって手を広げれば誰かがやってくれるだろうと甘い姿勢が見られるこのごろですが。

真のノーマライゼーション

 五月からは待機はなくなったのですが、チョコチョコ学校へ行っているのでたくさんの報告を父兄や子どもたちからいただいて、「芽生ちゃんはクラスで一番先生の言うことを聞いておりこうさんなんだと息子が言ってます」とか「芽生ちゃん可愛くて、芽生ちゃんみたいな妹がほしいと娘が言ってるの」とか。十九日の運動会では、全校リレーで「芽生ちゃんがんばれ」のアナウンス。たくさんの子どもたちや父兄の方から応援をもらいました。「芽生ちゃん昨日より速く走ったよ」(走っているというほどではないのですが)「芽生ちゃん三人も抜かしたんだよ!!」(抜かされたんじゃないかな?)玉入れでは、「芽生ちゃん五個位入ってたよ!」(届いてないと思うけど)子どもたちは素直にそう教えてくれます。親御さん方がいかに素直に育ててきたのかと思うと、私のほうが胸がいっぱいになってきます。

 真っ白な子どもたちの気持ちに感謝し、この子どもたちが将来を背負ってくれれば、真のノーマライゼーションが確立されていくことだろうとも思いました。子どもたちが同じ一年生、同じ仲間と思う心。そのことによって芽生自身の自信にもつながっていること、これが統合教育の良さなのかと思ってます。

 がんばって地域の学校への道を選んで良かった!

 芽生の力を信じてあげて良かった。娘のためにも、周りの子のためにも。

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