Kabuki Syndrome Network Japan Newsletter
歌舞伎ジャーナル 第4号アジア太平洋障害者の十年について
去る、10月25日(金)〜28日(月)までの間、大津プリンスホテルコンベンションホールを会場として、主催 ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)により「2003年から始まる新たな「十年」で、アジア太平洋の各国・地域の政府や関係者が取り組むべき障害者政策・行動計画」が審議され、びわこミレニアム・フレームワークが採択しました。
以下、簡単に要点をまとめてみました。
「アジア太平洋障害者の十年」は、「国連障害者の十年」(
1983〜1992)が障害者への認識を高め、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP域内)での障害者施策が進展したものの、なお立ち遅れている当該地域の障害者施策の水準向上を目指し、1992年日本及び中国が提唱して、(ESCAP)第48回総会において決議・採択された。同「十年」の開始に当たり北京で開催された「開始会議」では、経済・社会開発における障害のある人の参加を促進するための
12の政策目標として、同「十年」行動計画が採択され、各国は早急に各種施策を実施することが求められた。1998年のESCAP第54回総会において、最終年である2002年末までに、同「十年」の評価と今後の活動について議論する、ハイレベルの地域会議を開催するよう努力することが決定されたことを受け、2001年4月のESCAP第57回総会において、同「十年」提案国である日本の政府代表が本邦誘致を表明し、2002年5月のESCAP第58回総会において正式決定された。
同総会では、日本の主唱により、現「十年」を更に十年延長する決議が採択された(
29カ国の共同提案)。1)目的:
・「アジア太平洋障害者の十年」行動計画の各国実施状況の報告及び評価
・「十年」終了後の政策的枠組みである「びわこミレニアム・フレームワーク」の検討・採択
「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合は、4日間にわたる審議を経て、10月28日、2003年から始まる新たな「十年」で、アジア太平洋の各国・地域の政府や関係者が取り組むべき障害者政策・行動計画となる「「アジア太平洋障害者のための、インクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」(以下、BMF)を採択しました。
BMFは、いくつかの特徴があります。まず、「アジア太平洋障害者の十年」を通して取り組まれた12の目標達成のための行動領域のうち、教育など十分な進展が見られなかった領域に着目し、(
1)障害者の自助団体、(2)女性障害者、(3)早期対処と教育、(4)自営を含む職業訓練と雇用、(5)各種施設および公共交通機関へのアクセス、(6)情報通信技術を含む情報と通信へのアクセス、(7)職能開発、社会保障および持続的生計手段事業による貧困の削減、の7つの優先的な行動領域の具体的な目標と行動計画が定められています。また、BMFをスムーズに実行するため、準地域レベルでの政府間の協力と連携を強化することやNGOとの協力強化のほか、2004年にオープンする「アジア太平洋障害開発センター」(APCD)との協力やネットワークの構築、進捗状況についてのモニタリング(監視)と評価の実施計画に関しても具体的な戦略が組み込まれています。
10月28日の審議では、このほか、4日間の審議内容をまとめた報告書案についても検討され、一部文言を調整の上、全会一致で了承され、政府間会合は幕を閉じました。
開催日
2002(平成14)年10月25日(金)〜28日(月)開催地
大津プリンスホテルコンベンションホール淡海主催
ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)参加者
ESCAP加盟61か国・地域の政府代表、国連機関、NGO等関連するホームページ
ESCAP
http://www.pref.shiga.jp/asia10/内閣府障害者施策
http://www8.cao.go.jp/shougai/ESCAP「びわこミレニアム・フレームワーク」
http://www.normanet.ne.jp/~forum/new/2002/20021028-2.htm歌舞伎ジャーナル目次へ