Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第63号

<<平成19年3月21日>>

  療育手帳の更新(再判定)

   療育手帳の更新(再判定)のための面接を受けましたので報告します。

  療育手帳とは・・・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  療育手帳(りょういくてちょう)は、知的障害者に都道府県知事(政令指定都市にあってはその市長)が発行する障害者手帳である。

  身体障害者手帳については身体障害者福祉法に、精神障害者保健福祉手帳については精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に、それぞれ手帳発行に関する記述があるが、療育手帳に関しては知的障害者福祉法にその記述はなく、1973年に当時の厚生省が出した通知「療育手帳制度について」に基づき各都道府県知事(政令指定市長)が知的障害と判定した者に発行している。

  知的障害者福祉法には知的障害に関する定義の記載もなく、同年の通知「療育手帳制度の実施について」に基づき各都道府県(政令指定都市)が判定を行なっている。18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が判定を行なう。(なお、平成11年の地方自治法の改正により、機関委任事務が廃止され、通知、通達により国が地方自治体の事務に関与することはできなくなった。このため、この改正の施行日以降は、上記通知は法的効力を失っており、この制度は文字通り各自治体独自の施策となっている。)

  法で定められた制度ではなく、都道府県(政令指定都市)の独自の発行であるため、東京都は「愛の手帳」であったり埼玉県は「緑の手帳」であったりと別の名称で呼ばれていることもある。この手帳を呈示すると割引が受けられる施設や交通機関があるが、手帳の様式が自治体によって異なり、全国で統一されていないので、例えば他都道府県の交通機関で手帳を呈示したとき、係員がその手帳を見たことがなく割引を断られたりといったトラブルが発生している。(例えば、東京都の「愛の手帳」を他県で呈示し、呈示された係員が「療育手帳」だと理解できず割引を断るといった事例がある)

  知的障害の程度の表現方法も地域により異なっています。私が住む地域は次のようになっています。

  最A判定 IQが20以下

   A判定 IQが21以上 35以下

   B判定 IQが36以上 50以下

   C判定 IQが51以上 75以下

  当然のことですが障害の程度が重いほど、福祉サービス、手当などが厚くなります。

  私が住む所では、療育手帳の更新(再判定)期間は、次のように県で目安を定めているようです。

  @ 学齢前…6カ月〜2年。変化が大きいため。

  A 成人前まで…3年

  B 成人…5年。一定年齢以上になると書類審査のみ。

  誰が判定(テスト)をするのか…児童相談所の相談員

  テストの内容…本人の発達到達度テスト(私が命名)。当然、画一的なテストではなく、前回の判定結果と現年齢を考慮して行われるため、全員異なったテストとなる。

  今回、webに記載するにあたり、所謂「ネタバレ」は、知的障害者施策に影響を与えるため、例としてあげるものは実際に行ったわけではなく、どんなことをするか理解しやすくために私が勝手に考えたものです。

  @ モノの名前を知っているか。10問程度…A4の紙に1つずつ絵が画いてあり、答える。例…皿、車 など

  A モノの大きさの判断…A4の紙に同じ形のものが画いてあり、大きいほうを指差しさせる。

  B モノまね…判定員が積み木で作るモノと同じものを作らせる。

  C ことばの理解力テスト…テーブルの上に異なったモノを並べ「○○取って」と判定員が言い、取らせる。

  D 手先の器用度テスト…真中に穴の開いた立体3種類を多数用意し、綴じ紐でとおさせる。

  E ことばの理解力テスト…判定員が「おなかがすいたらどうする?」「ブタはなんと鳴きますか?」というような疑問を投げかけ、答えさせる。

  F ことばの反復テスト…2語(白い雪、小さなアリ など) 3語(馬が走っています)判定員が語り、リピートさせる。

  G 関連性のテスト…異なった6つのイラストが画かれたA4の紙を机の上におき、判定員が質問し、ことばで答えさせる。例…「たべるもの」→スイカ

  H 記憶力テスト…簡単な風景が画かれたA4の紙を机の上におき、判定員が任意の場所におもちゃの「人形」と「三輪車」を置き、どこにおいたかを記憶させ、一旦その物を取り払い5秒後におもちゃを元あった場所に置かせる。

  I 想像力テスト…半円2枚で、1つの円を作らせる。

  J 数の概念テスト…積み木を数個並べて、判定員が「いくつありますか」と質問し、それに答えさせる。

  K 数の概念テスト…積み木を数個並べて、判定員が「○個とってください」と話しかけ、取らせる。

  L 図形描写テスト…A4の紙に判定員が示した図形を欠かせる。例…四角形を先生が見本で画く。

  M 描写テスト…判定員が 例 「さかな」上半分の絵を画き、残りの部分を画かせる。

  以上で判定員と障害児本人との面接テストは終了し、この結果に基づき、療育手帳の種類が決められます。特に次に掲げるような判定員と保護者の話し合いの内容は、知的障害の程度判定には加味されません。判定員と保護者がどんなことを話したか報告します。

  判定員より「学校の就学状況」と「食べ物の嗜好」について質問がありました。「学校は楽しいところのようで、喜んで通学しています。」「プリンのようなフニャフニャした初物の食べ物は苦手です。しかし、1度食べれば次からは食べます。」と答えました。

  保護者から判定員に「家」や「学校」での状況は判定に加味されないか聞きました。

  実際の話として、肝心なことは何一つ自力でできない。

  ・ 着ることも、靴を履くことも自力ではできない。常に見守りや手助けが必要。

  ・ 食べることも、一人で食べさせるとこぼす量のほうが多いか、手掴みで食べるため、常に見守りや手助けが必要。

  ・ 歩行や階段の昇降もまともにはできず、常に見守りや手助けが必要。

  ・ 妹が遊ぶカードゲーム機も本人は遊びたいが、実際にはできず他人がするのを傍らで見ているだけで、非常に不憫。

  ・ 大・小の排便も事前に意思表示ができず、排便後、単に自ら不快のため、訴えるだけで、いまだ紙おむつは離せない。

  ・ 昼夜逆転をよく引き起こし、真夜中の一人リサイタルで歌を歌っている。 など

  これらを加味するとIQは必ず判定員が出したものより下がるでしょう。県のルールが判定員の発達到達度テストに限定しているとすれば、判定員に言っても埒が明かない。

  手帳の制度は福祉の制度ですが、身体・精神の手帳申請には医師の診断書が必要となり、また、自立支援法で区分認定を出すときは、医師の意見書が必要になってきます。制度的に「福祉」と「医療」は別物になっていますが、「福祉」の観点からは「医療」とは密接な関係であり、「医療」に寄りかかっている部分も多い。

  「医療」の分野で昨今『電子カルテ』が大いに進歩してきました。病院⇔開業医との間で電子カルテによる情報交換も行われると聞いています。そこでこの『電子カルテ』を「福祉」の分野でも共有できないでしょうか。これができれば「福祉」と「医療」今まで以上に密接となり、障害者にとって必ずプラスとなり、医療・福祉サービスをより効率的に受けることができ、現在抱えている障害者の就労、引きこもり等の諸問題解決の一助になるに違いありません。

 

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