Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第65号

<<平成19年4月28日>>

  平成19年4月に報道された気になる障害者関連のニュース

@ 障害者への差別や偏見、「ある」が8割超・内閣府調査

A 障害者に「労働」と認定 労基署が賃金支払いを指導

B (財)全国精神障害者家族会連合会の破産申し立てによる解散

この3つの報道が、どこを向いて報道しているかが問題で、社会的弱者である障害者に少しでもプラスになればよいと思います。では、3つを紹介します。

@障害者への差別や偏見、「ある」が8割超・内閣府調査

 内閣府が4月7日発表した「障害者に関する世論調査」によると、障害を理由とする差別や偏見について「あると思う」と答えた人が82.9%に上った。「ないと思う」は15.1%。「ある」と考える人の割合は、20歳代の若者で97%に上り、最も少なかった70歳以上が58.2%だった。

 「5年前に比べて差別や偏見が改善されたと思うか」の質問では、「改善されている」が57.2%で、「改善されていない」の35.3%を上回った。「障害者に配慮や工夫を行わないのは差別に当たる」と考える人も52.9%に上った。「経済的な負担を伴っても配慮や工夫を行う」と考える人は60.9%で、「負担がなければ行う」という人は23.7%だった。

 企業や民間団体への要望(複数回答)としては「障害者雇用の促進」が64.2%と最も多く、「障害者になっても働ける体制の整備」(58%)や「障害者に配慮した事業所の改善・整備」(46%)が続いた。 (18:12)

A障害者に「労働」と認定 労基署が賃金支払いを指導(2007年4月19日)

この問題の前段として2007年2月18日の報道で

 福祉作業所で利用者が取り組む作業は「労働」なのか、自立のための「訓練」なのか-。

神戸市内で知的障害者作業所を運営する社会福祉法人「神戸育成会」が、最低賃金法に違反しているとして、神戸東労働基準監督署が立ち入り調査し、近く改善指導を検討していることが明らかになった十九日、補助金を支出する立場の神戸市や作業所関係者の間に、戸惑いと波紋が広がった。

 神戸市障害福祉課によると、同市内の障害者作業所は休止中も含め計百三十四カ所あり、そのうち百二十カ所の利用者一人当たりの工賃は、平均月額一万円。年額に換算すると十二万円になる。今回、労基署が改善指導をするとしている神戸育成会の作業所は、その倍以上の年間約二十五万円を支払っていた。

 市の担当者は「(金額について)個々の利用者には不満を持つ人があるのかもしれない」と話す。同時に「作業所の工賃は、そもそも労働法規から除外されていると思っていたが」と戸惑いを隠せない。

 今回の問題について、同課の担当者は「特定の作業所だけの問題ではなく全国的な課題」と指摘する。

 障害者の労働自立を目指す「障害者自立支援法」と労働関連法規の整合性が取れていないとし、「障害者の工賃をどう引き上げていくのか。関係者は苦悩している。国は労働法に準じた法律など、何らかのガイドラインを示すべきだ」と強調した。

 一方、兵庫県内のある作業所は「作業収入から職員の人件費を払う(労働法規の適用除外条件からはずれる)作業所はあると聞いている」と打ち明けた。

 その背景には、自治体からの補助金だけで作業所を運営するのは難しいという構造的な問題がある。この作業所は、作業収入から必要経費を除いた全額を障害者に支払っており、一人当たりの平均工賃は月額約七千円。一方、職員の給料支払いは、自治体からの補助金では賄えず、障害者からの利用料月額一万円に年間約四百万円のバザーの売り上げ金を加えて、補てんしているのが実情という。

この記事に対して(障害者に「労働」と認定) (2007年4月19日)

 神戸市の社会福祉法人「神戸育成会」(小林八郎理事長)が運営する知的障害者らの就労を支援する3つの作業所で、自立訓練の範囲を超えて「労働」をさせたとして、神戸東労働基準監督署は19日までに、神戸育成会に最低賃金支払いなどの改善を指導した。

 作業所の障害者は一定の条件を満たせば労働法令の適用外となる。しかし、3作業所では作業時間を決めて指導したり、タイムカードも導入しており、作業者が労働基準法上の労働者に当たると認定されたとみられる。

 同日会見した神戸育成会は「現状の収入で最低賃金分の支払いを続けると運営が不可能になる。作業所の運営は現状のままで続けていくしかない」と説明している。

 神戸育成会は知的障害者の就労支援のため、クッキーを作ったり、特別養護老人ホームのクリーニングを請け負う作業所を神戸市内で運営している。

 これに対して、同会は「障害者の作業は『労働』ではない」として、指導書の受け取りを拒否した。

 同会は19日に記者会見し「タイムカードは、遅刻という概念を教えるためで、訓練の一環。全国の作業所に影響する問題なので、指導書は受け取っていない。今後の対応は弁護士と相談する」と説明した。

B(財)全国精神障害者家族会連合会の破産申し立てによる解散

(財)全国精神障害者家族会連合会のホームページより

当会は平成19年4月17日に東京地方裁判所より破産手続きの開始決定を受け、事業の精算手続きを行っております。皆様にはご迷惑をおかけすることとなり、大変申し訳ございません。なお、お客様の個人情報は管理保護されておりますので、ご安心下さい。…以上

 報道によると「申し立ては受理され、全国1600の家族会をとりまとめ、会員数は12万人に上る全家連は解散した。

 全家連によると、債務総額は、約9億6000万円。1996年に温泉ホテルと授産施設を併設した「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)を建設した際の借入金と、その返済のために不正流用した補助金の未返還分が大半を占める。

 厚労省内で記者会見した小松理事長は、つまづきの原因として、「ハートピア建設時、寄付で集めるはずだった8億円が集まらないなど、見通しの甘さがあった」と説明。解散の影響については、「全国の精神障害者の意思を代表して、国や関係団体と折衝する機能が失われる」と述べた。」

 また別の報道によると全家連の今後については、「関係者によると、約50人の精神障害者が働くなどしているハートピアや、全家連本部ビル内などで直接運営していた授産施設と作業所については、今月1日、社会福祉法人などに事業譲渡しており、これらの施設を利用する精神障害者の居場所がすぐになくなるという事態は避けられる見通し。」とのこと。

◎全家連の概要

 財団法人全国精神障害者家族会連合会(略称:全家連)は、全国の家族会が手を取り合って'65(昭40)年9月に結成された全国組織で、'67(昭42)年2月に精神障害者とその家族のための福祉事業団体として厚生省(当時)から許可され、財団法人になった。

 本会は、精神障害(者)に対する社会的理解の促進、精神障害者施策の充実をめざした全国的な運動を展開する。

◎理念

 統合失調症、そううつ病などに代表される精神疾患は、主に思春期・青年期に脳神経機能に生じる病気で、 現在わが国では250万人を越える患者がいるといわれています。 この精神疾患に対する無知、誤解、偏見などにより、多くの方々が日常生活や社会生活に支障を有しています。 本会はそういった障害をもつ当事者やその家族が安心して暮らせる地域社会づくりをめざします。 また、全国各地の家族会活動を通じて、相互支援・学習そして諸施策の向上に向けて活動を実行します。

歌舞伎ジャーナル目次へ  / E-mail