Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第66号

<<平成19年5月5日>>

  ビデオクリップ「レインボー・キッズ・ドキュメンタリー」の紹介

 平成19年4月27日に歌舞伎症候群の関係者にメールで紹介したこのビデオクリップ(長さ:8分7秒)は内外での反響が大きかったため、改めて歌舞伎ジャーナル第66号にて紹介させていただきます。なお、このビデオはカナダで作成されたため、言語は英語が使用されています。みんなさんに満足はいただけないとは思いますが、あらすじなどを日本語にて紹介させていただきます。

 最初に、このビデオを理解しやすくするために欧米諸国(カナダを含む)の障害児教育の潮流と日本の障害児教育の違いをごく簡単に紹介させていただきます。

 世界中のノーマライゼーション化の中で、教育のノーマライゼーションが求められました。平成6年のユネスコによるサラマンカ宣言は、万人のための学校をうたい、包み込む教育(=インクルージョン教育)を提唱しました。通常の教育環境の中で障害のある子どもの特別なニーズにこたえていこうとするものです。アメリカでは特別の場を含め10%以上の子どもが特別の支援を受け、イギリスやカナダでは20%を目標に整備していると言われています(この状況下でビデオが作成されました)。この制度に日本の現状を当てはめると、特殊教育の制度を利用する児童生徒の割合は、義務教育段階のすべての子どもの1.6%に留まっています。ただし、養護学校などの制度利用者は含まれていませんので当てはめること自体意味のないことかもしれません。(ノーマライゼーション 障害者の福祉 2006年12月号「特別支援教育への期待と課題〜金子 健」より抜粋)

<ビデオ上映 >←または↓をクリックしてください(同じビデオです…時間経過の表示に違いがあります)。

 場所:カナダ国オンタリオ州ニューマーケット(トロントの北方約30キロ)。 <地図はNew Market, Ontario, Canada >です。

 ビデオの内容:日曜日の午後、<ボランティアグループ>が障害児を集めて、体育館の中でサッカーを教える活動のドキュメンタリー

ビデオ作成:保護者の強い思い入れで作成されたものではなく、プロの映像製作者が作成したものである。

主な登場人物(登場順)

@背番号11の赤いジャージを着た小柄でちょっと太めな少年(8歳)=歌舞伎症候群=名前はZachary(ザックリー)

A水色のシャツを着た少年=アスペルガー症候群=名前はAJ(エージェー)

BAJ(エージェー)の母親=名前はSharon Kamo(シャローン・カモ)

Cボランティアでサッカーを教えるレインボーチームの責任者=名前はSilvie Thickett(シルビー・チケット)

Dサッカーチームの監督=名前はRon Carson(ロン・カールソン)

Eオレンジ色のタートルネックを着た黒髪の女性=歌舞伎症候群のZachary(ザックリー)の母親=名前はVivian Zuliani(ビビアン・ツリアニ)

F背番号16の赤いジャージを着た少年=自閉症=名前はKevin(ケビン)

GKevin(ケビン)の父親 =名前はJim Price(ジム・プライス)

 はじめに:保護者は傍観者として出てくるのみで、このプログラム実施に積極的にかかわっているわけではない。感想を述べているだけである。→このあたりの状況が私たちの住んでいるところとはかなり違う。私たちの住んでいるところは、まず、養護学校などに通っている障害児の家族が集まって、会を組織し、事業の企画・運営をしなければならないのが現状で、ボランティアさんやNPOなどによる事業実施に参加する形態までにはいたっていません。寄せられた意見の中で「カナダのこういう環境がうらやましい」というものがありました。

・・・毎週日曜日の午後、ニューマーケットでは、ボランティアグループが知的障害者の子ども集めてサッカーを教えている。目的は社会生活に馴染むこととしている。これを「レインボー・サッカー・リーグ」と呼んでいる。知的障害者は自閉症やダウン症や他の発達障害児の子どもがいる。

・(0分33秒)最初にAJ(エージェー)の紹介…アスペルガー症候群で普段は無口。興奮すると口数が増える。

・(1分58秒)レインボーチームの責任者の発言…特別なニーズが必要な障害者にサッカーを通じて、エキサイティングやフィーリングなどの感情を身をもって体験させることの重要性や保護者が子どもが楽しんでいる場面を見る重要性などを説く。

・(2分56秒)体育館の中でレインボーチームの責任者がスタッフの紹介などをする。

・(3分9秒)監督がこのような機会を得られたことについて「楽しんで、笑ってプレイして欲しい」と抱負を語っている。

・(3分46秒)歌舞伎症候群のZachry(ザックリー)の紹介。特別な少年である。

・(4分12秒)Zachry(ザックリー)は毎週参加して楽しんでいる。

・(4分51秒)「レインボー・サッカー・リーグ」に参加したすべての子どもが適合しているわけではない。

・(6分19秒)「レインボー・サッカー・リーグ」の日ごろの活動が評価され、ニューマーケットから感謝状が贈られた。

・(6分37秒)Zachry(ザックリー)の母親とAJ(エージェー)の母親による、レインボーチームの責任者の評価「彼女は心温かく、子どもを愛している」「責任感が強い」「子どもたちも彼女が好きである」など。

7分28秒から後の部分をよく見て欲しい。終りのシーンは名画に勝るとも劣らない。

このビデオは最終目的ではなく、参考にすべき通過点の指針になると思います。

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