Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第80号

<<平成20年4月1日>>

  小学5年生の通知表

 小学5年生が終了し、通知表をいただきました。下の画像は通知表をjpg化したものです。

 通知表については、歌舞伎ジャーナルでも数回報告しました。歌舞伎ジャーナル 第72号<<平成19年8月1日>>『独自の通知表の紹介と実証』をテーマに。また、歌舞伎ジャーナル 第56号<<平成18年9月8日>>『今年も特別な通知表を作っていただきました』をテーマに報告しました。今回5年生終了を契機にもう一度通知表を見直します。

 子どもが通級する特別支援学級の通知表は、次の2つの性格を持っていると考えています。

 @ 学校が作成した『処遇計画とその成果報告』を保護者に示すもの

 A その時の精神遅滞の程度を理解するもの

 @をもう少しわかりやすく説明すると

 処遇計画とは…子どもを評価し、それぞれの子どもの能力に見合った授業を計画し、実施すること。この評価には小学1年生から4年生のことが基盤の上に成り立っていることは言うまでもありません。

 成果報告とは…年度初めに立てられた計画(「学習の様子」)の達成度が"◎","○"," "で表されています。年度初めに立てられた計画のため、1年度の間に『方向転換』や『ブレ』は許されません。また、"◎","○"は説明が不要ですが、" "には原因説明が必要となってきます。そしてこの結果が6年生に送られ、また新しい『処遇計画』が作られます。

 Aについても、もう少し説明を加えると

 精神遅滞(知的障害)の程度を測る統一フォーマットが存在しない以上、通知表は保護者が精神遅滞の程度を知る最も手っ取り早い方法です。通知表の「国語」や「算数」などの教科の「学習の様子」欄に記載されている事項は現実的な目標到達点です。その設定された目標値で保護者は先ず精神遅滞の程度を理解すべきでしょう。少々大胆な仮説ですが、小学5年生の「学習の様子」が保育園の年少児の一般的なレベルであれば、3歳÷10歳×100=30→「IQ=30」となり、この場合は重度の知的障害となります。ただし、今までに何回も書いてきたように知的障害の程度は「国語」や「算数」などの教科のみで判断できるものではありません。また、「学習の様子」のレベルが一般的な年齢児に相当するのかという判断も必要になってきます。

 以上のことを理解したうえで、通知表を見てください。

 

 

 具体的なポイントを検証してみます

 生活単元・自立活動

 ・スプーンを使ってこぼさないように食べる…どうしても早食いのため、こぼします。

 ・教師の支援で給食後の食器などを片付ける…最近、家でもすることがあります。

 ・教師の指示でズボン・紙パンツの脱着をする…家では、「甘え」でしません。

 ・指示されてランドセルから用具を出し机の中へしまう…父親が1年間訓練しました。

 国語

 ・絵本や紙芝居を関心を持ってみる…毎朝、本読みをしているときは一生懸命他の子達と一緒に聞いてます。

 ・簡単なひらがなの文を音読する…出来るときと出来ないときがあります。

 ・ものの名前や簡単な語句の意味が分かる…カードゲームで実践しています。動物の絵が書いてあるカードを数枚用意します。他方、動物の名前がひらがなで書いてあるカードも数枚用意します。お互いにマッチングさせるゲームで、本人も気に入って積極的に取り組んでいます。猿知恵がついたのかわざと間違え、注意されることを期待していることもあります。

 算数

 ・1〜10までの数を認識している…これもカードゲームです。1枚の紙に複数の動物や「もの」の絵が書かれたカードを数枚用意します。他方、数字が書かれたカードも数枚用意します。お互いにマッチングさせるゲームです。また、1枚の用紙に複数の動物や「もの」を左側に書き、右側に縦に数字を並べ、「絵」と「数字」を鉛筆で結ぶものです。これも本人は気に入ってます。

 ・1〜5までの数を2つ使った足し算ができる…足し算はまったく出来ません。

 社会

 ・沖縄と九州の県名が分かる…東北地方は食べ物と一致させて理解しているようです。

 ・主な果物(みかん・りんごなど)の産地が分かる…上と矛盾しています。

 音楽

 ・音楽を自分にあった方法で楽しむ…家でも突然思い出したかのように鼻歌を口ずさんでいます。またYouTubeのドラエモンやオバQなどをリクエストし、部分的に曲に合わせて歌います。

 ・歌に合わせて簡単な動作や身体表現をする…歌に合わせて勝手に振り付けをして踊ります。

 図工・家庭

 ・教師の支援で身近な材料を使い、簡単な工作を作る…ほとんど先生にお任せです。

 所見

 ・運動面では、高いところを歩くことに以前より抵抗があるようです。

 ・学習に対する好き嫌いをはっきりと示すようになってきています。

 …保護者の言葉で簡単に表現すると「1回目の反抗期」です。最近、家でも「やだやだよー」と言うようになりました。少し成長したと思います。

 

 

 通知表の内容をこのように勝手に解釈する親がいます。教員の仕事は本当に大変だと思います。

 次の夏休みになってから、小学1年生〜6年生までの通知表における『学習の様子』を体系的に紹介したいと思います。お楽しみにしてください。

歌舞伎ジャーナル目次へ  / E-mail