Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第86号

<<平成20年8月17日>>

  脳波の検査・脳のMRIと診断について

T 検査実施の目的と経緯

 症状

  この1〜2年の間に、頻度は1ヶ月に1回または、2ヶ月に1回程度、夜、「ひきつけ」を起こした。

  ひきつけを起こす前の状況は、入浴後またはパソコンを長時間行っている最中である。

  予兆は無く、「あっ、変だな」と親が感じたときには、すでに横になっていた。

  ひきつけの状況は全身に力が入ったような震えで、右とか左に傾くことはない。吐き気はもよおすが、吐しゃはない。

  ひきつけの時間は約10分程度続く。その間体温変化はなく、その後眠り、翌朝まで熟睡する。

  翌朝は何もなかった様に普段どおりの生活をする。

 定期的な検診の折り、上記のことを医師に話したところ、脳に異常があるかもしれないということで、『脳波の検査』と『脳のMRI』を実施することとなった。

   

U 実施方法

  脳波の検査は平成20年7月15日。脳のMRIは翌、7月16日に愛知県コロニー中央病院で実施した。

  脳波測定の様子は下のビデオのとおりです。このビデオは、測定終了後、麻酔覚醒前に撮影したものであり、実際は部屋を暗くして測定が行われます。測定時間は約20分間でした。

  写真(左)は機械で(右)はセンサーをつけた様子です。

 

V 検査結果

 @右の天頂部の脳波の波形が『∧』の特徴がある。

 A右のセンサーの「6-8」と「8-10」の波形の間隔が部分的に狭いところがある。

 B脳のMRIには「キズ」や「変わったところ」はない。

 

W 診断

 検査結果及び症状を照らし合わせると「部分てんかん」ではないか。

 脳のごく一部の箇所に発作が始まり、それが脳全般に伝わってひきつけを起こしていると思われる。

X この病気について

下の文章は日本神経学会代表的な神経内科の病気より一部引用しました。

 てんかんは神経内科の代表的な病気です。脳内の神経細胞の異常な電気的興奮に伴って痙攣や意識障害などが発作的に起こる慢性的な脳の病気です。この病気は紀元前から知られており、神聖病とも呼ばれていました。神がかり的な病気とも信じられ、そのため最近まで多くの誤解や偏見があったことも事実です。異常な電気現象を起こす原因はまだ良く解っていませんが、現在世界中で熱心に研究されており、その原因が解明されることも近い将来と思います。病的な電気的興奮が脳の種々な場所に起こるため症状も種々なものがみられます。またこれらの興奮現象は異常脳波として現れるため、脳波の検査は診断には必ず必要です。脳炎や脳腫瘍などでも痙攣は起こりますが、この場合は病名としてはてんかんとは呼ばず、基礎にある病気の名前で呼ぶのが一般的です。てんかんの患者さんの数は人口10万あたりほぼ200〜300人といわれており、比較的多い病気です。

Y この病気の現れる確立

 上の文章でも記載されているとおり、「人口10万あたりほぼ200〜300人といわれており、比較的多い病気です」

 それでは、歌舞伎症候群に当てはめると

  MIM %147920をみても、てんかんとの関連性にはふれられていません。また、歌舞伎症候群の8つの関連特徴にもてんかんは入っていません。ただし、過去に何度も紹介している北米のアンケート結果では30%に発作の経験があると報告されています。 また、ネットワーク内の議論の場で「てんかん」や「発作」はよく話題になります。ただし、内容は明らかに「てんかん」に相当することだと思いますが、英文で「てんかん」に相当する「Epilepsy」は余り使われません。文化の違いでしょうか。

Z 今後の治療方法

 最も大切なことが、今後の対応ですが、いつもお世話になっている愛知県コロニー中央病院のホームページに分かりやすく書かれたページがありますので紹介します。てんかんについて基本的なことはこのページ1枚に上手くまとめられています。ぜひ読んでいただきたいと思います。

 患者さん向け説明用パンフレット

 お薬は「テグレトール」を処方していただきました。

 この病院には、保護者の精神的なサポートまでもされているようで助かります。

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