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Kabuki Syndrome Network in Japan Newsletter 歌舞伎ジャーナル  第97号

<<平成21年11月11日>>

  歌舞伎症候群における歯の不具合について

 歌舞伎症候群の患者(以下「KS」という)には一定の割合で「欠歯」や「不正咬合(歯並びが悪い状況)」などの「歯の不具合」が現れると発表されていました(原因は不明です)。

 わが子も最初に歯科を受診したとき、「上・右側の犬歯」、「上・左右の第二臼歯」が生えていないと指摘されました。平成21年11月7日、13歳にして初めて歯のレントゲン写真を撮影しました。今回の歌舞伎ジャーナルの大きな目的は、「KSにおける歯の不具合」について学術論文の記載内容とレントゲン写真からわかったことを比較することです(論文は英文の専門用語で書かれているケースが多く、とてもわかりづらい。これを誰でもが理解できるようにトライするのも目的の1つです)。繰り返しますが、歯の不具合についての原因を探るものではありません。

 全体の構成は大枠⇒詳細の順とし、引用する論文の出典は

 "Kabuki syndrome: a review " - Clin Genet. Mar;67(3):209-19 2005 Author: Adam MP, Hudgins L. です。

 (私見ですが、この論文は他の論文をパッチワークのようにつなぎ合わせて構成されているようです。そのパーツに日本の先生が作成された論文が多く使われているようです。)

 

 table1 「KSの臨床的特徴」(この論文の3ページ左側)

 

 この表からKSの68%に「歯の不具合」があると指摘されています。

 これは「Kabuki make-up syndrome: a review (冒頭部分のみ)- American Journal of Medical Genetics Feb 15;117C(1) pp. 57-65 2003 Author: Matsumoto N, Niikawa N 」から引用されています。

 

 table2 「KSにおける器官系の諸問題と評価およびその管理」(この論文の4ページ)

 

 この表では「脳顔面頭蓋と歯」における不具合として、「欠歯」や「不正咬合」が現れるとし、「ある」場合は幼児期からの注意が必要としています(赤のアンダーライン)。

 

 table3 「脳顔面頭蓋と歯」(この論文の5ページ右側)

 

 @「歯」の不具合のうち最も多く見られるケースとして特に犬歯や大臼歯の「欠歯」があるとしています。

 Aこの引用は「Craniofacial and dental characteristics of Kabuki syndrome - American Journal of Medical Genetics Jan 15; 98(2) pp. 185-90 2001 Author: Matsune K, Shimizu T, Tohma T, Asada Y, Ohashi H, Maeda T 」です。

 

 レントゲン撮影の結果は下の写真のとおりです(写真をクリックすると別ウィンドウで表れます)。

x-ray(teeth).JPG

 以前から歯科医師より指摘されていた内容

 @上の歯の大臼歯(7番)が両方とも生えていないこと

 A上の歯の右、犬歯(糸切り歯)(3番)が生えていないこと

 B乳歯は全部永久歯に生え変わっていること

 レントゲン撮影の結果判明したことは

 @レントゲン写真のFに注目してください。歯が生えていないわけではなく、非常に小さい。歯科医師の見立てでは「歯茎から出てくるには少なくとも1年は要する。また、必ず出てくるかどうかわからない」でした。

 A歯の痕跡がありません。(レントゲン写真の上の列の左側にBがありません)

 このときの歯科の診察状況は下のビデオのとおりです。ドクターの検診は、単に「歯」を診るだけでなく「口蓋」の状況、「口」の開き具合、「舌」の色や「くちびる」の動き具合まで入念にチェックしていただきました。

 結論:学術論文の記載内容との比較

 冒頭に、歌舞伎症候群の68%に「歯の不具合」があると記載しました。10人の内、約7人に歯の異常が発生し、その中でも犬歯や大臼歯の欠歯があるとしています。

 わが子もこれに当てはまりました。

 レントゲン撮影の結果、右側上の犬歯が欠歯で、上の左右の大臼歯は成長不足が判明しました。だからと言って、論文記載事項に誤りがあるとは思っていません。

 次に「この治療方法はどうするか」と問われても「特にありません」そして「歯磨きを丁寧に行なう」としか答えようがありません。丁寧な歯磨きを心がければ、欠歯が原因の「不正咬合」も軽く済むと信じています。

 歯のレントゲン写真を撮影する価値は充分にあると思います。

 

 当方が歯の健康にこだわる理由

 歯が健康な人を敬う「8020運動」があります。テレビのCMで「歯が命」というのもありました。人は基本的に口から栄養を摂ります。美味しくご飯をいただき、健康に暮らすには歯が健康でなければなりません。

 歯の手入れに気を使う人の職業として思い浮かぶのは

 @スポーツ選手…パワーを出すためには歯を食いしばらなければなりません。歯が悪くなり現役を引退する人もいます。

 A歌手、俳優やアナウンサー…滑舌の良さが求められます。

 歌舞伎症候群の診断に5つのポイントがあるとこのwebのトップページに記載しています。「歯の不具合」はこの5つのポイントには含まれておらず、関連的に特徴が見られる8つのポイントに入っています。ですから、すべてのKSにみられるものではないことをお含みいただき、活用してください。  

 

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