TEXAS BLOOD ORIGINAL WAH
TEXAS BLOODのオリジナルブランドWAHを開発!
かねてより1969年代イタリア製WAHを研究し、この音色を再現することはできていましたが、このVINTAGEクローンWAHをオリジナルブランドのWAHとしても世に出しても面白くありません。すでにいくつかのSHOPからはTEXAS BLOODのmodifyをまねたWAHがオリジナルと称して売られていたりします。
本当にTEXAS BLOODのオリジナルといえるWAHを開発したいという思いから、VINTAGEクローンWAHをさらに進化させたWAHの実現に向けて、この数年研究を続けて来ましたが、ようやく完成しました!!
トロピカルフィッシュ効果
一番頭を悩ませたのがトロピカルフィッシュキャパシターの効果です。トロピカルフィッシュキャパシターをHaloレプリカインダクターと組み合わせて使うと1960年代のイタリアンWAHに迫れますがそれではイタリアンWAHを超えることはできません。
そもそもなぜトロピカルフィッシュキャパシターを使うと良いのでしょうか? 本来キャパシターというのはただのコンデンサー(電気をためる容量)であって理想的なコンデンサーであったら容量成分しかありませんのでどれを使っても音色は変わりません。
ところがどのコンデンサーには寄生的に抵抗成分と誘導成分(コイル成分)があってこの比率でそれぞれに個性を持ってしまいます。 個性が強いのは本来コンデンサーとしてはダメなのですが、WAHの場合にはその個性がプラスに働く場合があり、これがまさにトロピカルフィッシュなのです。
それならばとトロピカルフィッシュの個性(抵抗成分・誘導成分)を合成して作り出してしまうことにしました。
ブルーフィッシュリアクター

写真左がTEXAS BLOOD WAHの内部写真ですがブルーの部品が新たに開発したものでトロピカルフィッシュに対抗してブルーフィッシュリアクターとでも名づけておきます(笑)
このブルーフィッシュリアクターは元々トロピカルフィッシュキャパシターの特性をまねするつもりで作っていたのですがいろいろと面白いことがわかってきました。
左図の一番とがった部分がインダクターとキャパシターの組み合わせで周波数のピークを持った部分です。このとんがり具合はQといいます。 するどくとがっているほうがQが高いのです。
WAHを踏み込むとこの周波数のピークの場所が右(周波数の高い側)に動きます。このときにクゥワーンというのですが、トロピカルフィッシュキャパシター自体が純粋なコンデンサーでないために、それ自身もこれとは別にQをもちます。
これをQ2とするとこのQ2はWAHの踏み込み始めのあたりのWAH効果を強めるように働きます。 ですから1960年代のイタリアンWAHがボーカルWAHと言われるように1KHz以下の割と低い周波数領域ではWAHの効果が効いていますが、1KHzを超えるような高い領域になると、とたんに効果がなくなってしまいます。
1970年代のWAHでは中心周波数を高めに設定することで1KHz付近の効果を厚くしていますがその場合にはボーカル領域では効果が薄くなってしまいます。
大別してボーカルWAHとインストWAHのどちらか2種類になってしまっていたのです。
そこでブルーフィッシュリアクターですが二つのブルーフィッシュリアクターがそれぞれQ2とQ3を持ち、ボーカル領域の強調と、1KHzを越えるような部分のインスト領域の強調との両方が行えるような設定にしました。このため、ボーカル領域ではトロピカルフィッシュ以上に歌いながら、インスト領域でさらに伸びやかにクワァォーンとWAHの効果が広帯域でかかるようになりました。
POT選ばず
ブルーフィッシュリアクターの大きな利点がもうひとつあります。 これまでICARやFulltoneの立ち上がりの鋭いPOTでないとクワァ〜という特徴的な音色が出せなかったのですが、ブルーフィッシュリアクターを使うとこの必要がありません。
これまでこの立ち上がり角の鋭さの_/の部分にトロピカルフィッシュのQ2が重なってこの部分だけが厚みがあったのですが、ブルーフィッシュリアクターを使えばこの部分だけでなく全域で厚みがあるWAHの効果を出すことができます。
言ってみればこのPOTの立ち上がり角の_/がPOTの踏み込みと一緒に上までついてくるような感覚です。
TEXAS BLOOD ORIGINAL WAH仕様
| 1969 イタリア製 V846 | TEXAS BLOOD WAH model V84i | |
| インダクター | Filmcan トロイダル(ドーナッツ状)コイル | Haloレプリカ |
| トランジスタ | 2N5172 | 2N5172 |
| 0.01μFコンデンサー | (アルミ)スチコン | アルミスチコン |
| 0.22μコンデンサー | 誘電体不明フィルム?コンデンサー | キャパシター + ブルーフィッシュリアクター |
| ボリュームPOT | ICAR POT | オリジナルPOT |
| DCジャック | − | ○ |
| トゥルーバイパス | − | ○ |
サウンド
WAHの効果が広い帯域で厚くかかかるので半分ずつ踏み込んで2段階でクワァーァン、キュヒーィンなんて連続フレーズにすることも可能になりました。これはほかのWAHではできない芸当です。
もともとジミヘンやSRVに愛用されていたVOXピクチャーWAHを超えようとはじめたのですが、出来上がってみるとジミヘンフレーズやレイ・ヴォーンフレーズで最高にマッチします。ジミヘンやレイ・ヴォーンが生きていたらきっとピクチャーWAHから乗り換えてくれたんじゃないかと思います。試してもらえないのが残念です。
初ロット10台製作
初ロットとして10台を製作しました。 10台並ぶとちょっと感激!