Special Room
[道路公団の民営化問題]
小泉内閣は、行政改革の目玉として道路四公団(日本道路公団、本州四国連絡橋公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団)の民営化を打ち出した。
一昨年(2001年)暮れのことである。当初は、膨れ上がる借金をどう処理するかというごく当然の議論であって、それなりにうまく処理できるであろうと他人事のように考えていたのだが、議論が始まるに及んで思いもよらない方向へと進むのをみて当惑したものである。
あまりのことに、当ホームページ「グラス片手に」において感想を述べていたのであるが、もはや酒飲み話しでもあるまいと座視できぬ思いにかられ、この問題のみを別欄に取り出したものである。
これ以上高速道路は要らない。高速道路は自然を破壊している。利権のもとである高速道路建設は止めるべきだ。
日本国民の多くは、この主張に賛意を送っているに違いない。高速道路はまだ必要だと言おうものなら、自民党議員ならずとも抵抗派とされてしまう。
だが、それでもよい。大いにその議論はすべきところである。
ところが、ところがである。その基本的な議論なくして、特殊法人の整理の目玉として取り上げられた道路4公団の民営化問題では、「民営化推進委員会」なるものが勝手に高速道路建設に歯止めをかけている。
「これ以上の建設は行わないとは一言も言っていない」とはいうものの、あまりにすさまじい委員会への反発に、大慌ての上言い訳として取り繕ったに過ぎない。実質これ以上の建設が出来ないような案を作り上げ、そうは言っていないと弁解したとて詭弁というものだ。
小泉総理は各公団の民営化に当たり「道路関係公団民営化推進委員会」をつくり、多くの反対を押し切り、自ら委員を選定して2002年6月ようやく議論が開始された。
しかしながら、この委員会に付託された主旨やその発言から、小泉総理は道路公団を国鉄の民営化にあやかって民間会社とし、その株式を売却することで国の債務を少なくすると目論んでいるようである。
この方針を受けての委員会の議論であるから当初から無理があったところであるが、道路問題におおよそ精通していない委員が占めていることもあって、当初から与党はじめ地方から大反対の合唱が沸き起こった。推進委員の議論半年間、それは労を多とするに目を見張るべきものであったが、ついに委員長が辞任し委員会分裂という異例の事態に至って、「意見書」を提出する。
高速道路問題で、「高速道路は国民の生活に不可欠な国民の財産であって、通行料金だけでの建設運営は無理である」という基本を、これまで国が理解せずにやってきたため、このような議論を引き起こす原因となっている。
簡単な話、四国に3本の橋を架けた。儲からない。
誰が考えても当たり前の話であろう。これを何故つくったかという議論を始めても仕方がない。そういう政策が過去にあっただけのことである。問題は通行料だけではやってゆけないなら、税金を注ぎ込んでつくる外ないだけであろう。いや、本来税金でつくるには負担が大き過ぎるから、通行料で補充しようとするのが正しいものなのだ。
であるから、銀行が無闇に融資して破たんを来したバブルの穴埋めと同じ方式に扱うべきではなく、当初から足りない部分を補うべきであったのだ。行政の不味さである。
以下、感想を過ぎて主張に近い部分は、この基本のもとに論じていると考えてもらってもよい。 |