広  室
 

トップページ
所長室
研究室
職員室
転送室
掲示板
寄贈品保管庫


 

博 士

あー、私が当研究所の所長、奇妙愛博士である。これから当研究所の研究内容ならびに主旨について説明するので、よく聞くように。
 
さて、当研究所はその名の通り「些末事」を研究する。映画や小説などの作品や、世の中の様々な物事の細部に注目し、鋭く、かつディープに研究することを目的として設立されたのである。
 
ん?そこの君、何か質問か?
 
なになに?「そんなことに何の意味があるんですかあ?」「作品のテーマとか、もっと本質的なことについて研究すべきではあ?」「それ、受験とかに役立つんですかあ?」だと?
 
笑止!まったくもって笑止千万。放置した虫垂炎なみに片腹痛いわ。
 
作品のテーマなどというものはな、見ればわかるのだ。例えば戦争映画を見て「この映画のテーマは戦争の虚しさ、人間の愚かさである。」と言ってみたところでそれが何だと言うのか。「そうですね。」って言われて終わりではないか。
 
お、納得していないな。では、テーマを語ることの空しさを示す実例を紹介しよう。
 
あー、映画評論家がいるだろう。何と言ったかな、ヒゲを生やした警察制服フェチのオヤジで・・・おお、水野晴○か。
 
彼はなにかにつけ「この映画で監督が本当に言いたかったこと」を口にしたがる。例えば「鳥」を見て「奢った人類に対する自然の復讐」と言い、「スクワーム」を見て「行き過ぎた文明に対する自然の怒り」とか言うわけだ。「吸血の群れ(カエルが人を襲う映画)」を見ても同じことを言うんだろうな、きっと。
 
だが省みるがいい。そうして作品の「テーマ」に思いをはせ続けた彼が、自分で映画を作ったとき、何ができあがったか?
 
そう、「シベリア特急」である。
 
お?どんな映画か?むう、残念ながら要約は不可能だ。そうだな、「北京原人 Who are you?」と甲乙つけがたい、と言えばわかってもらえるのではないかな?ん?よくわかった?それは結構。
 
ことほど左様に、テーマや本質を追求するなど、実に空しいことなのだ。むしろ、見過ごされやすい「些末事」にこそ、大上段に振りかざしたテーマの陰に隠された真理が存在するのである。ここのところ我ながら論理展開が強引だが気にしてはいかん。早死にさせるぞ。あ、いや、するぞ。
 
何、「木を見て森を見ず」?上等である。人々がぼーっと森を見ている間に、我々は木を、その表面を、そしてそこを動き回る小さな虫を、顕微鏡的に観察し、分析し、曲解し、こじつけ、時には電波を受信しながら、真理を追究するのだ。
 
かつて「神は細部にこそ宿る」と言った奴がいる。なかなか見所のある奴だ。誰だか知らないが。マクロはミクロによって構成され、ミクロを看過することはマクロの理解をも不可能にさせるのだ。え、そこの君、聞いておるのかね。
(演壇を下りて質問者に詰め寄る)
 
ミクロとマクロは等価なのだよ。生命の神秘すら、構成される分子とその反応によって解明することが可能なのだ。わかっとるのかね、そこんところを。ええ?
(胸元をつかんで揺さぶる)
 
言うなれば「些末事」こそ映画や小説を構成する分子といえるのだ。それなくして、いかなる作品も存在し得んのだ。え?聞いとるのかね君は。なんかむいて失礼だとは思わんのかね、んん?
(首を絞める)
 
おお、そして私は、私をないがしろにした学会に、私の研究を「枝葉末節」「本末転倒」と嘲った連中に、思い知らせてやるのだ。
 
おおおおお忘れはせんぞあの屈辱、許しはせんぞあの無礼。何、苦しい?そんなもの私の味わった苦しみに比べれば物の数ではないわ!
 
ふふふふ復讐だ復讐だ。あの無知蒙昧の輩を目の前にひれ伏させ、その頭を便所のスリッパでぐりぐり踏みつけながら高笑いしてくれるわ!
 
わははははははははははははははは

まなも

光になれ!(ピコ♪めきゃっ!)

博 士

へはぶれっ!★(@o@)/ (気絶)

まなも

まったくもう、やかましいったら・・・。あ、失礼いたしました。私、この研究所の助手をつとめております、奇妙愛まなもと申します。よろしく。(にっこり)
 
学生さん、大丈夫・・・じゃないですわね。吹いてるし。あ、キミョウダー(里帰り中)、とりあえずこの方を別室へ。ええ、「改造人間研究室」の方にね。(小声で)帰してはダメよ。うふふ。
 
おほん、失礼いたしました。ウチの所長はその・・・いささか壊れていますので、あまり気になさらないでくださいね。だいたい、いつも肝心なことを忘れる「へっぽこ」な所長が真理の追究なんて、ちゃんちゃらおかしくって、おへそで茶が500ガロンは沸かせますわ。おほほほほほほほ。
 
えー、この研究所は、さまざまな作品や日常の物事にツッコミを入れたり、茶化したりして遊ぼうという、まあ、お気楽なバカ話の場所です。楽しんでいただければ所員一同、たいへん嬉しいです。
 
内容に関するご意見・ご要望、研究テーマのリクエスト、皆さん自身の研究なども、ぜひお寄せください。お待ちしております。では所長、最後に一言お願いします。

博 士

むぎゅう・・・。

まなも

はい、ありがとうございました。