天体観望を目的に宿泊される方へ

星空は季節によって違う星座が見えます。「春の星座」「夏の星座」「秋の星座」そして「冬の星座」。
富士見山荘の天体観望会は宵の時間帯に行いますので、その季節ごとの星座を見ます。
天体観望で注意しなくてはならないのは、月明かりによって星雲・星団の見え方が変わることです。
宿泊予定日の月の状態を知らなくては、希望通りの星空は見えません。
ここでは、月の状態の予測と、天体の楽しみ方をお話しましょう。

月齢の予測
新聞などの「明日の暦」の欄に翌日の月齢が載っています。月齢は月の満ち欠けが分かる数値で、以下のように
なります。
月齢0→新月  月齢7〜8→半月(上弦の月)  月齢15→満月  月齢22〜23→半月(下弦の月)  月齢30は
月齢0と同じです。
月齢は一日経つと、1増えます。一週間経つと、7増えます。計算して月齢が30を超えたら、30を引いた値になり
ます。
月明かりの影響を受けない暗い星空が見れるのは、月齢19〜3くらいの間です。逆に月を見たいのでしたら上弦
の月(月齢7〜8)頃が良いでしょう。この頃でも星雲・星団が楽しめます。満月前後は明るい月のため、天体観望
にまったく向きません。
計算の一例
10日後に山小屋に泊まろうとして今日の新聞を見たら「月齢24」になっていました。(小数点以下は無視しても大
丈夫です)新聞のは明日の値ですので、今日の月齢は23です。宿泊予定が10日後ですので、23に10を足して
「月齢33」になります。30を超えたので30を引くと「月齢3」で三日月と分かります。
宿泊予定が2〜3ヶ月先になる場合
月齢は30で一回りですが、一ヶ月も約30日です。つまり、日にちが同じなら、一ヶ月経ってもほとんど変わりません。
2〜3ヶ月先なら、月数を無視して当月同日で計算しても、誤差はそれほどありません。

※電話・E-mailでお問い合わせいただいても結構です。電話042−564−3166、E-mailはこちらまで。
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何故、山小屋に天体望遠鏡を設置したのか?
都市や町に近いところでは、市街地の灯りで空が明るくなってしまい、淡い天体は見えなくなってしまいます。また、
町から立ち上ったモヤやスモッグは、標高600〜700メートルのところを棚引きます。そのため、天体観望は最低1000
メートルの標高を超えたところが理想です。富士見山荘は都市部からも離れ、標高は1700メートルありますので、
天体観望には最適の環境になります。

天体観望って、何を見るのだろう?
肉眼で見られる天体は、星座を形作る星々・月・惑星、それと天の川・微かな星雲・星団です。肉眼でも星空はキレ
イに見えますが、天体望遠鏡を使うと更にたくさんの星々が見えてきます。以下、それぞれを説明しましょう。
(月は毎日位置が変わります)
月は肉眼でもよくみえますが、望遠鏡を使うと一つ一つのクレーターまでハッキリ見えます。とくに欠け際のクレー
ターには影ができ、始めて見た人は歓声を上げます。
惑星(惑星も位置が変わりますが、太陽に近いものほど早く動きます)
水星
水星は最も太陽の近くを回る惑星です。そのため地球から見ますと、太陽からほとんど離れません。最も観測条件
の良いときでも太陽のすぐ近くにあり、まもなく見えなくなってしまいます。そのため、富士見山荘では水星の観望
は基本的に行っていません。
金星
金星も地球の内側を回る惑星ですが、太陽から十分に離れるため見つけやすく、そして明るく輝きます。夕方に見
える金星を「宵の明星」、明け方に見えるものを「明けの明星」と呼びます。望遠鏡で見ると、月のように満ち欠けし
ているのが分かります。最も明るいときの金星は昼間でも青空の中に見えています。
火星
火星は地球のすぐ外を回る惑星。太陽−地球−火星が一直線に並んだときを「接近」と呼びますが、火星が楕円
軌道で公転しているため、夏に「接近」したときが最も近く「大接近」と呼びます。火星の模様は淡く、微かにしか分
かりません。
木星
木星は最も大きな惑星。火星より遠くても、望遠鏡で大きく見えます。大気の安定しない夜は縞が2本しか見えま
せんが、条件の良い夜はたくさんの縞が見えてきます。また、4つの衛星(木星の月=ガリレオ衛星)が木星の周
りに見えます。
土星
土星は輪のある惑星。望遠鏡で輪が見えるので、最も人気のある天体です。近くに衛星のタイタンも見られます。
天王星・海王星・冥王星
この3つの惑星は地球から遠いので、一般的には見ても面白みのない天体です。富士見山荘の観望会でも対象
となっていません。
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一等星
明るい恒星を望遠鏡で見ても、点にしか見えません。しかし、望遠鏡では宝石のようにキレイですので観望してい
ます。
二重星
肉眼では一つの星にしか見えないものが、望遠鏡を使うと二つに分かれて見える天体です。二つの星の色が違う
と、とてもキレイに見える天体です。
星団
散開星団
銀河系の中にある、星の密集地帯。宝石箱をひっくり返したように見える散開星団から、砂粒を散りばめたように
見える散開星団まで、いろいろな天体があります。
球状星団
銀河系の周りにある天体。数万個〜数十万個の星が、一ヶ所にギュっと集まったような天体。ボール状に見える
ところから、この名があります。口径の大きな望遠鏡ほど、星が分解して見えます。
星雲
散光星雲
銀河系の中にある水素ガスの雲が光って見える天体。肉眼では白く淡くしか見えませんが、神秘的な輝きです。
有名なオリオン大星雲が最も良く見える散光星雲です。
惑星状星雲
大昔に星が爆発を起こした名残の天体。ドーナツ星雲が有名です。
系外星雲
銀河系の外にある、銀河系と同じような星の大集団。あまりにも距離が遠いので淡くしか見えませんが、渦を
巻いているのが分かるものもあります。銀河系のお隣にあるアンドロメダ星雲が有名です。
その他
見て面白い天文現象があるときは、その観望も行っています。

天体望遠鏡について
望遠鏡とは倍率を上げるものではなく、いかにたくさんの光を集められるかが大切です。暗い天体は多くの光を集
めれば、それだけ明るく見えるわけです。富士見山荘で一番大きな望遠鏡は、口径32cm。踏み台など使わずに
見られるニュートン式反射望遠鏡としては、最大級の大きさです。

天体写真と観望したときで、どうして見え方が違うのか?
天体写真ではたくさんの星が写り、散光星雲も赤い色がついています。しかし、実際に望遠鏡で見ても、色などは
まったく分からずに白くしか見えません。これは望遠鏡では一瞬一瞬の光を見ているのに対して、天体写真では長
時間露出をしているためです。星は地球の回転で動いていますが、その動きをキャンセルする赤道儀という装置に
載せた望遠鏡で撮影するのです。このホームページに載せた星雲の写真は30分の露出をしました。
しかし、淡くしか見えないとガッカリしないでください。遥か遠くから旅をしてきた光を、今見ていると思うと、それだけで
神秘的な気持ちになれるものと思います。たとえばアンドロメダ星雲までの距離は220万光年。望遠鏡で見ている
光は220万年前の光なのです。
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