Needlework FAQ: Counted Cross Stitch Tutorial

このページはKathleen M. DyerさんのCounted Cross Stitch Tutorialを翻訳したものです。



Kathleen M. Dyer -- <kdyer@dnai.com>
For rec.crafts.textiles.needlework
June 13, 2000

Copyright 1994-2000 Kathleen M. Dyer
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目次

1. 刺繍布を選ぶ - アイーダ vs. リネン

2. 糸を選ぶ

3. 針を選ぶ

4. 糸の色を定着させる

5. 布を準備する

6. 刺繍枠を使う?使わない?

7. 糸の長さ

8. 何本取りにするか

9. 刺し始める場所

10. 刺し始めの糸の始末

11. ×をステッチする

12. 分数ステッチ

13. 裏で糸を渡す

14. 刺し終わりの糸の始末

15. バックステッチ

16. 糸のねじれやもつれを防ぐには

16.1 レイルロード
16.2 Laying Tool

17. 刺している位置を把握する

18. リネンの刺し方

19. Over One のステッチ

20. 複数の色を使ったステッチ

21. 段染めの糸

22. フレンチナッツ

23. ビーズ

24. 名前と日付を入れる

25. 洗濯と保管

26. 手のお手入れ

27. 額装

28. 肌や髪の色を変更する

29. 特殊な素材へのステッチ

29.1 絹キャンバス
29.2 抜きキャンバス

30. 道具

30.1 針
30.2 丸枠、スクロールフレームなど
30.3 拡大鏡と照明

31. さまざまな議論

31.1 経糸と緯糸
31.2 リネンの表裏
31.3 糸の正しい端

32. クロスステッチに必要な糸の量

A. Needlework FAQについて

A.1 全般
A.2 どこに何があるか

1. 刺繍布を選ぶ - アイーダ vs. リネン Selecting the Fabric - Aida vs. Evenweaves/Linen

クロスステッチにはあまり決まりごとはありません。一番大切なのは、楽しむことです。このページに書かれている内容は、守っても無視してもかまいません。

一般的には、初めてクロスステッチをするときはアイーダを使い、慣れるにしたがってリネン系の布を使うようになります。ニュースグループのコメントからすると、リネンを使うようになるとアイーダよりリネンを気に入る人が多いようです。ただしこれも好みの問題です。クロスステッチ歴の長い人にもアイーダが好きな人がいます。

クロスステッチで使うリネンは、1インチの中で縦・横の目数が同じになっています(縦・横の目数が同じ布のことを英語でevenweaveといいます。特に材質が麻以外のものをそう呼ぶようですが、ここでは特に支障がない限りリネンと同様に扱います)。 縦横のそれぞれの糸の太さは、ばらついていてもかまいません(たとえばリネンなど)が、糸の数は同じです。

まず、昔から言われていることですが、アイーダには刺繍枠を使い、リネンは使わずに刺します。ただ、実際にはみなそれぞれ自分の好きな方法で刺しています。刺繍枠を使うか使わないかについては "6. 刺繍枠を使う?使わない?" を、刺繍枠そのものについては "30.2 丸枠、スクロールフレームなど" を参照してください。

ほとんどのリネン系の布は、アイーダほどごわごわしていません。これが良いか悪いかは好みの問題です。ごわごわしているかどうかは、枠を使うかどうかにはあまり関係しません。

アイーダでは1つの升目ごとに×をひとつ刺します。リネン系の布では通常、over two(2目ごと)に刺します。つまり、28カウント(1インチに糸が28本)のリネンと14カウント(1インチに升目が14個)のアイーダでは、出来上がりサイズが同じになるということです。over twoで刺す方法について詳しくは "18. リネンの刺し方" を見てください。

分数ステッチ(1/4 ステッチや 3/4 ステッチ)は、リネン系の布を使った場合のほうがずっとやり易いです。アイーダの場合、分数ステッチをするには、小さな升目の真ん中を針で突き通さなければなりません。その場合は小さ目のサイズの針を使うとよいでしょう(26番または28番)。リネンの場合、"突き通す"必要はありません。2本の糸の間に針を通せばいいだけです。分数ステッチの詳しい説明は "12. 分数ステッチ" をご覧ください。

リネン系の布とアイーダで、どちらの布の目が見えやすいかは人によるようです。

布を選ぶときには背景での布の見え方も大切です。風合いや色をよく考えましょう。

価格は通常、アイーダの方が安いです。どんな種類の布を選ぶにしても、必ず一番質のいいものを買うようにしましょう。最初にいくらか節約したとしても、その作品に費やす膨大な時間を考えれば、わずかなものにすぎません。

また、繊維の種類(綿、麻など)と、特別な扱いが必要かどうかも確かめておきましょう。繊維の種類については "Needlework FAQ: Fabric" を見てください。


2. 糸を選ぶ

市販のチャートには、どの種類のどの色の糸を使うかが指定されています。キットの場合には糸そのものが入っています。ただし、次のような場合には自分で糸を選ぶことになります。

その一: キットに入っている糸の品質が悪い

運がよければ、キットに入っているチャートに糸のメーカーと色番が書いてあります。ただし、粗悪な糸が入っているキットの場合には、これはあまり期待できません。糸番号の一覧がなければ、DMC や Anchor といった有名メーカーの糸見本帳を入手します。キットの糸と見本帳の色を丹念に見比べてください (この時、自然光の下で見ることが大切です)。チャートの記号の横に必要な色の番号を書き込みます。糸見本帳がない場合は、もとの糸を近くの手芸店に持っていき、そこで色を比べます。このとき、店の照明によっては色が違って見えることがあるので注意してください。

その二: オリジナルチャートを作成した

ステッチに慣れてきて自分でオリジナルチャートを作成する頃には、おそらく自分の経験から糸を選ぶことができるでしょう。市販されている糸のうち様々なものを使ってみましょう。ラメ糸や手染めのシルクなどはどうでしょうか。注意しなければならないのは、ステッチしたものを最終的に何に使うかです。例えば、あかちゃんのよだれかけに色落ちするシルクの糸を使うべきではありません。

その三: 指定されている以外のメーカーの糸を使いたい

チャートによっては、2、3のメーカーの糸番号が書かれています。書かれていない場合には、番号対照表を入手しましょう。市販のものもありますし、"Needlework FAQ: Threads, Fibers, Embellishments"にも対照表があります。

その四: 風合いや仕上がりを違ったものにしたい

ラメ糸や手染めのシルクなど、市販されている様々な種類の糸を使ってみましょう。注意しなければならないのは、ステッチしたものを最終的に何に使うかです。例えば、あかちゃんのよだれかけに色落ちするシルクの糸を使うべきではありません。

その五: 指定されているのと違った色を使いたい

幾何学模様や濃淡のない単純な絵の場合は、好きなように色を変えてみましょう。複雑な図案の場合はもっと注意が必要です。もとの一そろいの色と新しい色を比べて、色の明暗か同じになるようにします。これは、赤いガラスやセロファンを通して見てみるか、白黒コピーをするとよく分かります。

糸の話になったついでに触れておきますが、"Z-twist(右より)" や "S-twist(左より)" という言葉を聞いたことがあるでしょうか。Noeline McCaughan <noeline@styx.equinox.gen.nz> が寄せてくれた定義は次のようなものです。

すこしはっきりさせておきましょう。"Z" と "S" は、毛糸の"より"の方向を表しています。どんな繊維から紡がれているかには関係ありません。太い毛糸を目の前にぶら下げてみてください。よりの方向が右上から左下になっていたら "Z" です(よりの斜めの線と "Z" の斜めの線が同じ方向)。斜めの線が左上から右下に向かっていたら "S" です。

3. 針を選ぶ

布の目を数えてステッチする場合は、クロスステッチ針を使います。クロスステッチ針とは、裁縫用の針よりも穴が大きく、先が丸くなっている針です。先が丸くなっていることで、布を構成している糸の真ん中を突き通してしまうことがなくなります。

クロスステッチ針はさまざまなサイズのものが売られています。クロスステッチでは主に、22番、24番、26番、28番を使います。

一般的な基準では、布が14カウント(1インチ14目)以下の場合は22番の針、16から18カウントの場合は24番か26番、18カウントより細かい場合は26番の針を使います。ただし、それを無視して自分の好きなサイズの針を使っている人がほとんどです。

糸の太さや、何本取りで刺すかによっても、最適な針のサイズは変わります。

ただし、いつもの「ルール」は同じです。自分の好きなサイズを使ってください。

使っているうちに、針が黒ずんでくることがあります。これは見た目が悪いだけでなく、針の使い心地も悪くなります。金やプラチナなどで特別な仕上げをした針も市販されています。値段は高めですが、長持ちします。自分にあったものを見つけるまで、いろいろな仕上げのものを試してみるとどうでしょう。

いすの肘掛けは針を刺しておくには大変便利ですが、そうしてしまうと家族の誰かが思わぬ被害にあうことがあります。素直にピンクッションを使いましょう。Needle safe も便利です。これは小さな平たいケースで、内側に磁石が貼ってあります。値段は、5ドル(米ドル)くらいの小さなプラスチックのものから、30ドル以上もする木と真鍮でできた手作りの上質のものまであります。磁石つきのペーパークリップ(オフィス用品として売っているもの)を使っている人もいます。


4. 糸の色を定着させる

糸は通常色落ちしませんが、大事に残したい作品を刺すときには、暗い色や濃い色については念のため気をつけたほうがいいかもしれません。その場合には次のようにしてください。

当然のことですが、糸が色落ちする染料で染められている場合は、この作業を行ってはいけません


5. 布を準備する

ここで紹介する方法は、伝統的で用心深いやり方です。ここでは念のため、多くの方法を挙げてあります。必ずしもこうしなければならないわけではありません。

布の耳の部分があれば切り落とします。作品を作るときには、耳が側面にくるように、布の縦糸が上下になるようにステッチした方がいいと言う人もいます。どのように縦横を判断するかとなぜそうするかについての説明は "31.1 経糸と緯糸" を見てください。

布を作品のサイズにカットします。上下左右それぞれに3〜4インチ(7.5〜10センチ)の余裕をみておきます。

暗い色や赤い布の場合は、色がにじまないようにあらかじめすすいでおきます。水に色がつかなくなるまですすいでください。当然のことですが、布が色落ちする染料で染められている場合は、この作業を行ってはいけません

しわがある場合は伸ばしておきます。布をすすいだりアイロンをかけたりしてください。

端がほつれないように始末をします。次のような方法があります。


6. 刺繍枠を使う?使わない?

まず、昔から言われていることですが、アイーダには刺繍枠を使い、リネンは使わずに刺します。ただ、実際にはみなそれぞれ自分の好きな方法で刺しています。布がピンと張った状態で刺すのが好きな人は、丸枠ではなく、スクロールバーやQスナップを使うことが多いようです。というのも丸枠を使うと布が傷んだり跡が残ったりするからです。刺繍枠そのものについては "30.2 丸枠、スクロールフレームなど" を、リネンの刺し方については "18. リネンの刺し方" を参照してください。

糸を引く強さをコントロールするのに何を使えばいいかは人それぞれです。自分に一番向いているものを使ってください。

ここでは、布をピンと張るためのもの(丸枠、ストレッチャーバー、スクロールバー、Qスナップ)をひっくるめて、「枠」と呼ぶことにします。

枠を使わない場合の利点:

枠を使う場合の利点: ★Advantages of bars:


7. 糸の長さ

糸の長さは45〜50センチに切ります(ループメソッドを使う場合は半分に折り曲げるので、その倍の長さにします)。半分に折る場合は腕の長さに切る人もいます。ループメソッドについて詳しくは "10. 刺し始めの糸の始末" を見てください。

ラメ糸や手触りの荒い糸は、短めに切って擦れないようにします。

刺繍糸は、撚ってある糸をいったん1本ずつにほぐしてから何本かあわせて使います。そうすることでねじれたりもつれたりしにくくなり、刺した目も均一になります。糸をほぐすには、1本の糸の端を親指と人差し指でつまみます。反対の手の親指と人差し指で、その糸に沿って残りの糸を下に引きおろします。もつれてしまいそうですが、安心してください、うまくいきます。


8. 何本取りにするか

糸を何本取りで使うかは、(クロスステッチは大抵そうですが)個人の好みです。伝統的なステッチでは、背景の布がある程度見えるようにします。けれども、完全に布が隠れてしまう方を好む人もいます。よく使われる本数は、1インチに14目ステッチする場合で2〜3本、18目の場合で2本、11目なら3〜4本です。作品に使う布の切れ端で、その本数で思ったような見栄えに仕上がるかを試してみましょう。


9. 刺し始める場所

さて、これでやっと真新しい布に最初の一目をステッチするところまできました。それでは、どこから刺し始めるのが正しいのでしょうか? 布の真ん中でしょうか。左上ですか、右下ですか?

図案自体は真ん中に来るようにしなければなりません。図案のどこから刺し始めるかは個人の自由です。教室によって教え方は違います。


10. 刺し始めの糸の始末

これは是非守っていただきたいことです。糸の結び目を作らないでください。(もちろん、特別な例外もあります。図案で他と離れた場所にぽつんとあるステッチなどです。)

さて、それではどのようにすればよいのでしょうか? 以下にいくつかの方法を挙げます。大抵の人は、状況に応じていくつかを使い分けています。

糸の下をくぐらせる

刺し始める場所の近くに既に刺した目があれば、裏側でその糸4、5目の下をくぐらせます。くぐらせている途中で2、3つめの目に巻きつけてもいいでしょう。そうするとより固定できます。

明るい色の下に暗い色をくぐらせると、表に透けて見えることがあります。透けないことを確かめてください。

バリエーション──裏糸が縦方向に揃うように刺している場合、かがり縫いをするか裏糸2、3目に糸を縦に巻きつけてみてください。これによって裏側がすっきり見えます。

ループメソッド

ループメソッドは、糸が偶数本のときしか使えません。

2本取りの場合、90センチから1メートルの長い1本の糸を使います。それをちょうど半分に折り曲げます。その糸を針に通し、2本の糸をそろえた側を短く、"わ"になったほうを長くたらします。布の裏からステッチを始め、裏に"わ"が少しぶら下がった状態にします。そのあと針を裏側に戻し、"わ"の中を通して軽く引き締めます。

Knotless Waste Knot

ステッチをしたい場所から3〜4センチ離れたところに、布の表側から針を刺します。糸の端を表に残しておきます(この糸端を始めにいい位置に置くと、ステッチしながら裏で留めつけることができます)。何目か刺したところで糸端を裏に引き出し、(必要であれば)刺した目の下をくぐらせます。

Waste Knot

これは、上の Knotless Waste Knot とよく似ています。一つ違っているのは、表に残す糸端に結び目を作って固定させておくことです。布の表側から針を刺します。この糸端を始めにいい位置に置くと、ステッチしながら裏で留めつけることができます。糸端を裏に引き出し、(必要であれば)刺した目の下をくぐらせます。

Away Waste Knot

これは、上の Waste Knot とよく似ています。表に残す糸端に結び目を作って固定させておきます。布の表側から針を刺します。このとき、糸端がステッチしたときに留めつけられないように、邪魔にならないところから始めます。あとになってから、表側の結び目を取り落とし、残った糸端を裏側で目の下にくぐらせます。Away Waste Knot を使うと糸の引き方を調節しやすく、表の最初と最後の目がきれいに見えます。


11. ×をステッチする

クロスステッチの数少ない決まりごとの一つが、全てのステッチの目の方向が揃っていなければならないことです。×の下糸が/で上糸が\でも、その逆でもどちらでも構いません。ただ、その作品の全ての目の向きが同じになるようにしてください。厳密に言うと、3/4ステッチのように、この決まりにも例外があります。

最初にステッチを始めるときにどちらの方向で覚えるかは、場所によって異なるようです。その方向が重要になることがあるのは、とても複雑な図案を刺すときだけです。分数ステッチが多かったりクロスステッチ以外の刺繍が含まれている複雑な図案の場合、微妙に斜めになっていて、×も決まった方向に刺すように指定されていることがあります。

traditional methodと呼ばれる方法では、一つずつ×を完成させながら進みます:

XXXXXXXX

Danish methodと呼ばれる方法では、まず下糸を刺して進み、帰りに上糸を刺して×を完成させます:


ほとんどの人はこの2つの方法を使い分けています。ほとんどの部分は行って帰ってくる方法で刺し、時々離れたところにある目にだけ1つずつ完成させる方法を使うこともできます。横の列は行って帰ってくる方法を使い、縦に進むときは1つずつ完成させるように教えている教室もあります。そうすると裏糸の方向が縦に揃うからです。

見たところ、1つずつ完成させながら刺したアンティークサンプラーが今日まで残っていますが、それは×がしっかり布を支えていて、×になっている糸自体にもストレスがかかっていないためのようです。1つずつ×を作る方法は、2目ごとに刺している場合 (over two) よりも1目ごとに刺している場合 (over one) の方が有効です。1つずつ×を完成させることで、糸が布の後ろ側に落ち込んでしまうのを防ぐことができるからです。

ほとんどの人にとって、行って帰ってくる方法の方が早く刺すことができ、そのため今刺している場所を見失うことが少ないようです。

どちらでも好きな方法で刺すので構いませんが、できれば裏側がきれいに揃う方法を使った方がよいでしょう。表がきれいに見えるためには必ず裏が揃っていなければならないわけではありませんが、裏が揃っていた方が表もきれいになることが多いからです。


12. 分数ステッチ

分数ステッチ(1/4ステッチ、1/2(ハーフ)ステッチ、3/4ステッチ)とは、単純に、一部が欠けているクロスステッチのことです。絵を角張らないようにしたり(1/4、3/4ステッチ)、軽く見せるために(ハーフステッチ)使います。

分数ステッチ(1/4、3/4ステッチ)は、リネン系の布を使った場合のほうがずっとやり易いです。アイーダの場合、分数ステッチをするには、小さな升目の真ん中を針で突き通さなければなりません。その場合は小さ目のサイズの針を使うとよいでしょう(No.26またはNo.28)。リネンの場合、"突き通す"必要はありません。2本の糸の間に針を通せばいいだけです。

1/4ステッチをするには、角のところから針を出し、真ん中から針を戻します。

3/4ステッチは通常、短い方の脚を先に刺します(1/4ステッチと同様に)。そのあと、ハーフステッチを刺して出来あがりです。全ての目の方向が揃っていなければならないという決まりがありましたが、3/4ステッチの場合は例外で、長い方の目の向きが/になることも\になることもあります。場合によっては、まずハーフステッチを刺してから1/4ステッチでそれを押さえるようにした方が、思ったとおりの効果を得られることがあります。

1/4ステッチと3/4ステッチが同じ升目の中に同居するのはよくあることです。どちらが1/4ステッチでどちらが3/4ステッチかは、刺すときに決めなければなりません。

どちらにするかは、他のことと同様、好きなように決めて構いません。以下にいくつかの指針を挙げますが、それぞれ見栄えが違ってきます。

図案によっては、ある範囲全体がクロスステッチではなくハーフステッチで埋め尽くされることがあります。特に指定がなければ、ハーフステッチの向きは自分の好きなようにして構いません。つまり、クロスステッチの下糸と同じ向きにしても、上糸と同じ向きにしてもいいのです。下糸に合わせたほうが分かりやすいという人もいます。上糸に合わせたほうが背景に溶け込みやすくなるので、そちらを好む人もいます。図案で向きが決まってくることもあります。例えば、ハーフステッチで羽を表現する場合、ステッチの向きは羽の流れと同じ向きに合わせます。


13. 裏で糸を渡す

離れた目に向かって裏で糸を渡すのは、間に他の目がない場合、短い距離に限ってください。目安は、アイーダなら3、4目、リネンなら布地の糸4本分くらいです。

次の目との間が別のステッチで埋められている(埋められる予定の)場合は、もう少し長く渡すことが出来ます。その距離は、相対的な色の暗さによって決まります。渡す糸は裏糸の下をくぐらせるのですが、明るい色の下に暗い色をくぐらせると、表に透けて見えることがあります。透けないことを確かめてください。また、どんな場合でも、渡していい距離はせいぜいステッチ5つ分か6つ分くらいです。

次の目をステッチするのに長い距離を動き回らなくてもいいように、刺す順番を考えましょう。

周りに何もないところに、単独で目がある場合はどうでしょうか。目が一つずつちらばって、雪を表している場合を考えてください。それぞれの雪片は、色の糸3本取りで暗い色の布に刺します。この場合、糸を目から目へ渡すと、白い糸が布の表に透けて見えてしまいます。どうすればいいでしょうか。

この方法を試してみてください。糸1本取りで、下側のステッチを3回刺します。これで、クロスステッチの下半分が出来上がり、3本の糸が見えています。同じように上側のステッチを刺します。この方法だと、裏で糸を渡しても糸は1本だけなので、3本の場合より透けにくくなります。

また、もう少し大胆になるなら、結び目を作りましょう。これは、結び目を作ってもよい数少ない状況のひとつだと思います。上で説明したように1本の糸を使ってクロスステッチを完成します。それから、糸の両端を本結びにして固定し、糸端を短く切ります。1本の糸で作った結び目はあまり大きくないので、表にひびくこともないでしょう。ただし、作品をコンテストに出すつもりなら、結び目は作ってはいけません。


14. 刺し終わりの糸の始末

当たり前のことですが、刺し終わりの糸の始末は、刺し始めの糸の始末と同じような方法でします。

これは是非守っていただきたいことです。糸の結び目を作らないでください。(もちろん、特別な例外もあります。図案で他と離れた場所にぽつんとあるステッチなどです。)

お勧めの方法の一つは、裏側で糸4、5目の下をくぐらせることです。くぐらている途中の1つの目で一度糸を巻きつけてもいいでしょう。そうするとより固定できます。

明るい色の下に暗い色をくぐらせると、表に透けて見えることがあります。透けないことを確かめてください。

裏糸が縦方向に揃うように刺している場合、かがり縫いをするか裏糸2、3目に糸を縦に巻きつけてみてください。これによって裏側がすっきり見えます。


15. バックステッチ

バックステッチは、周りのクロスステッチがすべて終わってから刺します。何本取りにするかは、図案で指定されているはずです。大抵は1本取りで刺します。

糸の始末は、その場所の近くに既に刺した目があれば、裏側でその糸4、5目の下をくぐらせて行います。くぐらせている途中で2つめか3つめの目に巻きつけてもいいでしょう。そうするとより固定できます。

バックステッチは、左から右、右から左、上から下、下から上、あるいは斜めのどの方向に進んでも構いません。バックステッチの位置次第です。左から右にバックステッチをする場合には、次のようになります(奇数で表に糸を出し、偶数で裏に戻す)。


裏で糸が斜めに渡らないように角を曲がるには、次のようにするといいでしょう(奇数で表に糸を出し、偶数で裏に戻す)。


バックステッチの代わりにダブルランニングステッチ(ホルベインステッチともいいます)をすることも出来ます。これは、他に何もないところにバックステッチがある場合に特に便利です。ダブルランニングステッチをするには、一目おきにステッチをしていき(奇数で表に糸を出し、偶数で裏に戻す)、


そして、間を埋めるようにして戻ってきます。


線がでこぼこにならないように、帰り道で気をつける必要があります。必ず、行きのステッチの片側から糸を出し、反対側から戻します。例えば、7の目の上側から出てきて、8の目の下側から裏にもどるようにしてください。


16. 糸のねじれやもつれを防ぐには

刺繍糸は、撚ってある糸をいったん1本ずつにほぐしてから何本かあわせて使います。そうすることでねじれたりもつれたりしにくくなり、刺した目も均一になります。糸をほぐすには、1本の糸の端を親指と人差し指でつまみます。反対の手の親指と人差し指で、その糸に沿って残りの糸を下に引きおろします。もつれてしまいそうですが、安心してください、うまくいきます。

使う前に、ほぐした糸を湿らせたスポンジに通します。これによって、刺した目がよりスムーズに均一になります。ただし、シルクなど一部の糸は湿らせてはいけません。

自分で糸をねじらせてしまう向きが分かっているなら、一目ごとに反対の方向に針を回すといいでしょう。

糸の正しい側の端を針に通すようにします。詳しくは、"31.3 糸の正しい端" を見てください。

時々針をぶら下げるようにしてねじれをとります。

16.1 レイルロード

レイルロードという方法を使ってねじれを防ぐことが出来ます。クロスステッチの上側の糸を刺すときに、いつも通りまず糸を表側に引き出します。そのあと、出てきている2本の糸の間から、次に刺す布の位置に向かって針の先を通します。そしていつも通りステッチを完成させます。

下の図の中の点は、ステッチを完成させるために針を刺す場所です。


上の説明で分かりにくい場合のために、別の説明もしておきましょう。

Martha Beth Lewis <marbeth@ix.netcom.com>... さんの説明です。

次のASCIIアートを見てください。
                                             #

                                          x




                                     o

「o」の場所で作品の表側に針を出します。次に針を刺す場所は「x」ですが、ちょっと待ってください。

o から出ている糸を、布の上に寝かせます。指で「#」の場所に2本の糸を押さえ、布の上に固定します。糸は o から x の上を通って # へと置かれているはずです。2本の糸がゴルフクラブで、カップの両側に平行に置かれていると思ってください(「カップ」は x にあたります)。

指を # に置いたまま、2本の糸の間を通って x に針を刺します。# から指を離します。

さてここで、糸を完全に裏側に引きます。2本の糸が完全に平行に並んでいるのがわかります。

レイルロードをすることで、糸のねじれが解消され、2本の糸が完全に平行になるのでステッチがきれいにまとまります。糸のねじれは実際には糸端の方に伝えられていくため、通常よりも多くねじれをとる(作品の裏側で針をぶら下げる)必要がでてきます。

また、レイルロードをすると作品の表面が均一になり、布が糸でよく隠れるようになり、人によっては糸の光沢もよくなるといいます。

レイルロードをすると、一目をステッチするのにかかる時間が増えます。コンテストに出る人は常にレイルロードをします。審査員にはその違いが分かるからです。

省略したやり方としては、上糸だけをレイルロードすることもできます。はっきり目立つのが上糸の方だからですが、下糸もはっきりと見えるという人もいます。

自分で試してみてください。レイルロードをするのとしないのを、1、2列ずつ刺してみましょう。明らかに違いがわかるでしょう。では、上糸だけをレイルロードしてみましょう。どうですか? 余分な時間をかけるだけの違いがありますか?

レイルロードに慣れると無意識にできるようになりますが、それでも作品を仕上げるのにかなり余計な時間がかかります。それだけの値打ちがあるかどうかは、ご自分で判断してください。すでに述べたように、審査員には違いがわかります。

16.2 Laying Tool

laying tool を使うと、複数の糸で刺すときの糸のねじしれをなくすことができます。これには両手を使うため、フレームやスタンドを使うと便利です。

いろいろなものが laying tool として使えます。太いクロスステッチ針や、極細の編み棒、 trolley needle でもいいですし、本物の laying tool もあります。

いつも通りに針を表に出して糸を引いてください。糸を次に行くのと反対側に軽く引っぱります。 laying tool で糸の根元に近い部分をなでつけます。それによって糸が均一に平行に並びます。それから、糸を布に刺し裏側に引きます。このとき、 laying tool で糸を軽く張るようにしながらやってみてください。表の糸が平行に並ぶようになります。


17. 刺している位置を把握する

今刺している位置を把握する方法はいくつかあります。一番やりやすい方法を探してください。


18. リネンの刺し方

リネンには縦横の目数が同じもの(evenweave)と違うものがあります。昔のサンプラーを再現する場合、ときには目数の違うリネンを使うこともあります。しかしここでは、リネンは縦横の目数が同じものとしておきます。縦横の目数が同じ布には、他に綿のものや化繊のもの、混紡のものがあります。

アイーダとリネンのどちらを使うかについては、"1. 刺繍布を選ぶ - アイーダ vs. リネン" を参照してください。様々な布の繊維の種類については "Needlework FAQ: Fabric"を参照してください。

まず、昔から言われていることですが、アイーダには刺繍枠を使い、リネンは使わずに刺します。ただ、実際にはみなそれぞれ自分の好きな方法で刺しています。刺繍枠を使うか使わないかについては "6. 刺繍枠を使う?使わない?" を、刺繍枠そのものについては "30.2 丸枠、スクロールフレームなど" を参照してください。

リネン系の布では通常、over two(2目ごと)に刺します。つまり、28カウント(1インチに糸が28本)のリネンと14カウント(1インチに升目が14個)のアイーダでは、出来上がりサイズが同じになるということです。

リネンを使い慣れた人は、布の経(たて)糸の隣からステッチをはじめるように勧めています。これは絵で説明した方が早いでしょう。

クロスステッチの下糸を/の方向に刺す場合は、


X の場所で針を表に出し、Y で裏に戻します(あるいはその逆)。下糸の向きが逆(\)の場合は、こうなります。


経糸の隣から刺し始める理由は次のようなものです。

[訳注] ここでいう「経糸」とは、布を織ったときの経糸のことで、刺している図案の方向とは関係ありません。なお、The Best of Teresa Wentzler Fantasy Collection の説明では「経糸がステッチを支えるように」と書かれています。


19. Over One のステッチ

"over one" とは、図案をリネン系の布に、布の一目ごとに刺すことです。このとき糸は1本取りにすることが多く、その場合は "one over one" と言います。

前に、28カウントのリネンに "over two" でステッチすると、14カウントのアイーダと出来上がりサイズが同じになると言いました。ですが、28カウントのリネンに "over one" でステッチすると、刺した図案の面積は四分の一になります。

"over one" のステッチでは、ステッチした糸が布の裏側にもぐりこんでしまうという問題が起きることがあります。これは、×をひとつずつ完成しながら進んでいくことで、ある程度防ぐことができます。また、その他にこれを防ぐ方法を二つ紹介します。

下の図で、奇数番号で表に糸を出し、偶数番号で裏にもどすように刺してください。

それぞれの×は、布のたて糸とよこ糸のが交差する点を1つ、またぐことになります。交差する点では、たて糸かよこ糸のどちらかが上になっています。

クロスステッチの下糸を、1で表に出て2で裏に戻るように刺したとしましょう。布のよこ糸の上にステッチしたことになります。そのため、次には裏側で横向きに進んで、上糸をステッチするようにします。つまり、3で表に出て4で裏に戻るように刺すわけです。

次のステッチの下糸を刺します。先ほど4で裏に戻ったので、次は5で表に出て6で裏に戻ることになります。ステッチはたて糸の上になっています。ですから、こんどは裏側で縦に進んで上糸をステッチします。つまり、7で表に出て8で裏に戻ります。


もう1つの方法は、横一列を下糸だけを刺しながら進み、上糸を刺しながら戻ってくる方法で刺す場合です。ステッチした糸が布の裏側にもぐりこまないようにするためには、ハーフステッチではなくコンチネンタルステッチを使います。これは表からはハーフステッチのように見えますが、裏側では長く斜めに糸が渡ることになります。次の図で、奇数番号で表に糸を出し、偶数番号で裏にもどすように刺してください。

行きには次のように刺し、


帰りは次のように刺して、×を完成させます。



20. 複数の色を使ったステッチ

tweeding、または blended needle、blended thread とは、2色以上の糸を同時に針に通してステッチすることです。

実際に2色の糸が刺したときにどう並ぶかは、あなた次第です。全てのステッチで同じように並ぶ方が好きな人もいますし、各ステッチで自然にほうっておく人もいます(ただし、ねじれてしまってはいけませんが)。


21. 段染めの糸

段染めの糸を使うと、面白い効果が得られ、世界で1つしかない作品が出来上がります。気の向くまま好きなように刺して構わないのですが、参考になる使い方もいくつかまとめられています。そのうちの1つを以下で紹介しますが、これだけではありません。他のものについては、DMC のパンフレット #15235 "Cross Stitch with Variegated Floss" を見てください。

糸を枷から取り出し、ヤード尺(1ヤード=0.9144mの長さの物差し)に縦方向に巻きつけます。メートル法を採用している国の人は、メートル尺から数センチ分切り落とす必要があります。糸を、真ん中と両端で注意して切ってください。これで、4束の糸ができます。全体的に、2束が明るめの色で、2束が暗めの色になっているはずです。明るい方の2束と暗い方の2束を、それぞれ1つにまとめます。ステッチをする時には、×をひとつずつ完成させながら進んでいってください。


22. フレンチナッツ

このページはクロスステッチに関するものですが、他に説明した方がいいステッチがあります。フレンチナッツです。多くのクロスステッチの図案で使われています。

フレンチナッツは次のように刺します。


23. ビーズ

ビーズを使った図案も多くあります。ビーズは、クロスステッチとバックステッチが終わってからつけてください。

糸は、ビーズ用のものを使っても構いませんし、背景の布の色かビーズの色に合わせた刺繍糸を使っても構いません。また、キルト用の糸や、何か透明な糸を使ってもいいです。使う糸によって、明るい色の糸だとビーズの色が明るくなったり、暗い色の糸だとビーズの色が鈍くなったりと、見え方が違ってきます。

針は、ビーズ用の針か28番のクロスステッチ針を使います。

ビーズをつけるいちばん簡単な方法は、ハーフステッチか 1/4 ステッチを使うことです。

ビーズが寝てしまったり動いてしまうのを避けるには、糸を2本取りで使います。まずビーズをハーフステッチでつけます(最初の穴から針を表に出し、ビーズを通して斜めの位置の穴から裏に戻します)。そのあと、最初の穴から再度針を出し、2本の糸がビーズの両脇を通るようにして2つ目の穴から裏に戻します。

もう1つの方法は、ビーズを列に並べてつける場合に使えるものです。まず列に沿ってハーフステッチでビーズをつけます。列の向こう端まで行ったら、糸を布の表側でビーズの穴に順に通して、元の位置まで戻ってきます。

また、別の方法としてクロスステッチでつけるものもあります。まずビーズをハーフステッチでつけ、さらにクロスステッチの上糸をステッチするときにもビーズの中を通します。下糸と上糸の順番や通す向きで、ビーズの方向が縦になるか横になるかが決まります。


24. 名前と日付を入れる

作品には名前や日付を入れるべきでしょうか? コンテストに出すつもりの作品であれば入れない方がいいかも知れません。まず規則を確認してください。出すつもりがなければ、是非入れましょう。自分の作品に自信を持ってください。名前を入れておいたほうが、年月が経つにつれて作品が価値のあるものになります。

サンプラーの場合は、刺した人のイニシャルと刺した年を図案に織り込むのが普通です。それ以外のデザインなら、ちょっと工夫をしてみましょう。

耐久性のあるインクで、作品の端の楽屋マットで隠れる部分に名前を書き込む人もいます。私個人的には、どうして名前を隠さなければいけないのか分かりません。

人によっては、小さな文字で(over one または over twoで)名前や日付をステッチしています。端切れに何パターンかステッチしてみて、気に入ったものを探しましょう。

年は略さない方がいいです。つまり、"'00" ではなく "2000" のようにしましょう。作品はあなたがいなくなってから長い間残るかもしれませんし、あなたはその作品を大したことはないと思っていても、後世の人は大事だと思うかもしれないからです。

名前を、見えるけれども目立ちすぎないようにする方法はいくつかあります。例えば、糸の色を布より一、二段暗い色にするとよいでしょう。あるいは、影の中にその色で紛れ込ませることもできます。何かの物の下に同じ色で差すのもいいでしょう。図案の一部になるようにしてしまいましょう。


25. 洗濯と保管

当然のことですが、よだれかけやタオル、テーブルクロス、ナプキンを洗うときには、汚れを取るためのことはなんでもしましょう。洗濯機に放り込んで潜在と漂白剤を入れる必要があれば、そうしましょう。

しかし、大事に残したい作品の場合には特別な扱いが必要です。でなければ、「大事に残せなかった作品」になってしまいます。ここで紹介する方法は、伝統的で用心深いやり方です。ここでは念のため、多くの方法を挙げてあります。必ずしもこうしなければならないわけではありません。

ステッチをするときの注意点:

Pam Holmes <holmesp@erols.com> さんは次のように言っています。

私は右利きで、普通は左手で作品を持ちます。シミができないように、左手に白い綿の手袋をはめています。効果は抜群! ちょうどベルプルを仕上げたところですが、6ヶ月もずっと触っていたのに、シミはどこにもできていませんでした :}

ステッチが終わったあと:

大惨事

大惨事が起きたときには、上記の注意点はすべて無視して、必要なことはなんでもやってください。このニュースグループに入っている人の中でも、合成洗剤や漂白剤、過酸化水素、Goopや氷などを使って、ソーダ水やさび、かび、嘔吐物、ケチャップ、にじんだ染料などを落としています。

色のにじんだ糸

完成に6ヶ月もかかったすばらしいクロスステッチの作品を眺めてみました。すると恐ろしいことに、ある1色の糸の色が布ににじんでいるではありませんか。どうすればよいでしょうか。

糸が洗濯できないものであれば、運が悪かったとあきらめるしかありません。ですが、洗濯が可能な場合、または、にじみがあまりにひどくてこれ以上悪くなることがないと思った場合には、以下のやり方を試してみてください。

にじんだのが洗濯中なら、乾かしてはいけません。作品をすすぎ、冷たい水につけます。すすぎの水がきれいになるまで、水につけたりすすいだりを繰り返してください。この作業は数分で終わることも、何時間もかかることもあります。

乾いた作品でにじんでいる場合は、冷たく冷やした水を、台所のシンクか平たい金属製でないバットに入れます。水の量は、シンクの底に平らに沈めた作品がちょうどつかるくらいにし、そこに氷を入れます。こすらず、そのまま付けておきます。必要なら、水や氷を取り替えてください。

さび

melaina が友達のアカウントから投稿してくれた、さびを落とす方法:

...新しい白い綿のセーターを椅子にかけて乾かそうと思ったんだけど(バカでした)、それは20箇所ほども錆びていて、大きなものは1インチ四方ほどもあったの。とにかく、ママが昔のガイドから対処方法を見つけてくれて、なんと、うまくいったのです!!!!! まず、色がにじんだりあせたりしないことを確かめてください。実際のやり方はこうです。

蓚酸小さじ1杯を1カップのお湯に混ぜます。

きれいな布を液につけて、それで汚れの部分をたたくと、だんだん色が取れてもとの真っ白に戻りました。乾いた後、洗濯をしてすべて終了。そのあと2、3回、セーターを洗っているけれど、その汚れが出てきたりはしていません。この方法が刺繍の作品にも使えるか、色が変色したり布が傷んでしまったりしないかは分かりませんが、試してみる価値がある場合もあるでしょう。

えっと、蓚酸は薬局で買えます。そんなに高いものではないです(25グラムで0.79カナダドルくらい)。

鉛筆

鉛筆の汚れには、画材店で売っている美術用の消しゴムを使ってみましょう。

その他さまざまな汚れ

Mary L. Tod <mtod@umabnet.ab.umd.edu> から、The Stitching Postのオーナー Barbara Knaupf さんに感謝しますということで、以下の方法を紹介されました。

これは、the Stitching Post から貰った秘策です。"Angel of Grace" を額装に出そうとしたときに、作品が緑のしみだらけになっているのに気づいたのです。(これは、私が新品の洗濯したことのない緑のタオルで作品を乾かしたという失敗のせいです)。その時には、もうだめだと思いました。けれども、この秘策が魔法のように効いたのです。作品も私も助かりました。やり方はこうです。

Ivory Snow(おしゃれ着洗いの商品名) 小さじ2杯
Snowy Bleach(商品名) 小さじ1杯
温かいお湯 1ガロン(約3.8リットル)

布がたっぷりつかるだけの液を作って、一晩、あるいは必要なだけつけておきます。私の場合は24時間くらいでした。これが蛍光マーカーにも効くかどうかはわかりませんが、だてに「魔法」と言っているわけではないでしょう。

さらに他の方法

Tyrie J. Grubic <telilah@teleport.com> が Washington は Bellevue の Cross Stitch Corner で見つけた、最後の最後、どうしようもない汚れを落とす方法です。

とにかく、うまくいきました。作品もだめにならなかったし、色もにじまなかったし。やり方はこうです。

まず、Goop(接着剤の商品名)は冷蔵庫にしまっておきましょう。開封後室温で保存したものは数ヶ月で悪くなってしまいます。悪くなったものは使ってはいけません。

きれいな平らなところに、作品を表を下にして広げます。作品全体にGoopを塗り広げます。泡立ててください。特に汚れている場所や刺繍が密集しているところには、表からも塗りつけます。そのまま30分待ってください。30分で戻ってこられない場合には、ビニール袋に入れておきますが、口は閉めないでください。口を閉めるとかびてしまいます。長い間袋に入れておくのはやめましょう。

冷たい水とマイルドな液体洗剤で Goop を洗い流します。水の汚れがなくなるまで、繰り返し冷たい水ですすいでください。

その後は、先に紹介したように、きれいな白いタオルで乾かします。

[訳注] このあたり、かなり固有の商品名が出てきていますが、日本の同様の商品でうまくいくかどうかは分かりません。


26. 手のお手入れ

ステッチをするときに手をきれいにしておこうとすると、手が荒れてしまうことがよくあります。

クリームやローションを使わざるを得ないこともあります。気をつけていれば、作品には影響しないでしょう。クリームを選ぶときに一番大切なのは、脂を含んでいないことです。

[訳注] 以下外国製品の話で、国内ではあまり役に立たないので、原文のままにしておきます。

People on the newsgroup recommend Au Ver a Soie Hand Lotion, Acid Mantle Lotion, and Udder Cream.

Udder Cream was developed for use on cows' udders, hence the name. It is available in feed stores and, increasingly, needlework shops.

There is sometimes confusion about what is and what is not Udder Cream. It is not the same as Bag Balm. In fact, different products are sold under the name of Udder Cream, and not all are kind to needlework.

Excerpted from a posting by Tara R. Scholtz <tara@wam.umd.edu>:

...I've found three! And all have green metal tins!!! The one with the strawberries (?) is the greasy stuff. It's also yellow (the strawberry tin that is). The strawberry tin and its bigger counterpart is marked trademarked by one company (forget which one) and that is only mentioned in *some* publications, I couldn't find that trademark - but the name is used by other companies anyways. Farnham has its own bag balm - the green tin for that also says bag balm. Real confusing.

...Not always - the blue Udder Cream (same name, different company) is *very* greasy. In my horse & livestock catalogues and stores I have so far found about 5 different concoctions of "Udder Cream." If you want the non-greasy stuff (and want to make *sure* it is the non-greasy stuff before buying several pounds of it), just stick to the little cow-decorated jars found in stitchery stores.

...Horse products don't seem to undergo *any* sort of regulation (ya'll gotta go see the horse shampoos and conditioners, they're almost outnumbering the drug stores! I about *died* when Jeri Redding jumped in on the bandwagon & produced his own line of equine shampoo, etc.). Many items are not trademarked and are considered fair game by other companies when it comes to naming a product. Hence, livestock supply catalogues list the manufacturer as well as the product name. (Which is why I spent a fortune trying to find "Udder Cream" - only to find I can only get the one produced by Redex at the stitchery stores near me.)

...If you want Bag Balm, watch out for the YELLOW stuff - that's greasy and no good for stitching. Still great for hands though.

If you want Udder Cream - get Redex Industries. It SHOULD be WHITE. AVOID BLUE & YELLOW.

Excerpts from another posting by Tara R. Scholtz <tara@wam.umd.edu>:

The white stuff by Redex Industries, Inc. is used as hand lotion. It is greaseless and stainless but does contain lanolin & allantoin (which causes problems for some people)...

There are other hand lotions available in the needlework market which are also touted as greaseless and stainless but does NOT contain lanolin. One is called "Creative Hands" (with aloe vera)...


27. 額装

刺繍の作品はすべて絵のように額装するわけではありません。クッションにしてもいいし、ナプキンやテーブルクロス、箱のふた、装飾品、電気のスイッチプレートなど、いろいろなものにできます。

自分では、昨夜遅くに仕上げた20個のオーナメントがたいしたものではないと思っていても、他の人はそう思わないかもしれません。これから50年も経って、誰かの宝物になっているかもしれません。また自分でも、誰かが作った値段のつけようのない21世紀初頭の刺繍のコレクションをだめにしたいとは思わないでしょう。

作品を額装するつもりであれば、以下の項目を考えてみてください。これらは伝統的で用心深いやり方です。ここでは念のため、多くの方法を挙げてあります。必ずしもこうしなければならないわけではありません。お店で額装してもらうのなら、長く保存できるような額装をしているかをお店の人に聞いてください。以下の点を配慮されていることが大切です。


28. 肌や髪の色を変更する

時には、図案の人物の肌や髪の色を誰かに合わせて変えたいことがあります。図案によっては変更するための糸の色を載せているものもありますが、まだ稀です。図案で肌や髪の色をいくつか載せていることが多いのは、結婚式をテーマにしたものです。

Lavender & Lace、Butternut Road、Told in a Garden のデザイナーの Marilyn Leavitt-Imblum さんは、いくかの図案に肌の色を変更するための色を載せています。アジア人、アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカンのリストは、彼女のメイン州のオフィスで入手できます。

以下に、Marilyn Leavitt-Imblum さんのご好意で、rec.crafts.textiles.needlework にポストされた文を引用します。

明るい色から暗い色の順に並んでいます。上のほうが明るく、下が暗い色です。(DMCの糸番号)
   アフリカ系アメリカ人:
      Skin... -   3772
              +   632
              E   632+898
              くちびるは 356 で、輪郭は 632+898 のブレンド
              目と眉は 3371 で縁取る
      Hair... ほとんどの図案では髪に 4〜6 色で濃淡をつけています。
              濃い 2〜3 色には、私は 310 の黒を使います。中間の色には 3371 を、
              一番明るい色には 3031 を使います。
   ネイティブアメリカン:
      Skin... 明るいものから順に
                950
                3773
                407
                3772
                632
      Hair... 明るいものから順に
                3781
                3031
                3371
                310
図案で指定してある色を調べて明るいものから順に並べます。上記の色番号と対応させて、チャートの番号を書き換えてください。

29. 特殊な素材へのステッチ

29.1 絹キャンバス

絹キャンバスにステッチするのは、実際にはプチポワンの一種になります。しかし、クロスステッチに慣れた人には、絹キャンバスにステッチするのでも問題は起きないはずです(見えにくいことはあるかもしれませんが)。

この布は、特別なシルクのメッシュで、もともとはやけどの治療をするための医療用品です。メッシュのサイズはいろいろですが、もっともよく使われているものは40カウントのものです。つまり、1インチ(2.54センチ)あたり40目、1インチ四方あたり1600目になります。絹キャンバスは大変高価で、1ヤード300米ドルほどします(そうです「さんびゃく」ドルです!)。幸い、少し買っておけばながもちします。ステッチ用のものは、厚紙に取り付けられていることもあり、5インチ×7インチなどのサイズで売られています。厚紙につけたままステッチし、終わってから取り外します。

糸は、綿の刺繍糸かシルクのものを使います。1本取りです。あまり長くする必要はなく、25センチくらいで充分でしょう。

針は小さく鋭いものを使います。細めの crewel needle などがいいでしょう。

チャートはクロスステッチのものとほとんど変わりません。ただし、1/4ステッチはできません。また、ビーズのようなものをつけるのも、大きすぎてむりでしょう。背景は、ニードルポイントよりもクロスステッチ風で、特にチャートに指定が無い限り刺し埋めることはありません。絹キャンバスは見えてもいいのです。

ステッチは、クロスステッチではなくコンチネンタルステッチにします。これは表からはハーフステッチのように見えますが、裏側では長く斜めに糸が渡ることになります。次の図で、奇数番号で表に糸を出し、偶数番号で裏にもどすように刺してください。


刺し埋めない部分に裏で糸を渡すのはやめましょう。表に透けて見えます。

布目が見えにくければ(見えにくい場合が多いですが)、拡大鏡のついたランプを使ったり、絹キャンバスの下に暗い布を置いたりしてみてください。

29.2 抜きキャンバス

これは、縦横の目の数が同じではない布にクロスステッチをするためのものです。抜きキャンバスは、縦横の目数が同になった特殊な布で、いろいろな目数のものが売られています。「特殊な」というのは、糸が糊で固定されているためです。縦横の目の数が同じではない布(トレーナーの胸の部分など)に仮に縫い付けて使います。これでクロスステッチをするための升目ができます。ステッチが終わると、抜きキャンバスを湿らせてキャンバスの糸を固定している糊をとり、糸を一本ずつピンセットで抜き取ることができます。


30. 道具

30.1 針

これは Wombat <wombat@clark.net> からのコメントです。

教室に行くときに10番の針が必要だと思ったのですが、結局、10番の尖った針が必要で、私が持っていったのは10番の crewel 針だったのです。28番のクロスステッチ針でもよかったので、家に帰ってから調べてみました。

穴: 針の穴には丸いものや楕円のもの、細長いものなどがあります。丸いものが一番小さく、細長いものが一番大きくなります。楕円のものは、丸いものに近いですが、ずっと膨らんでいます。穴が大きいほど通した糸がこすれにくくなります。パールコットンや刺繍用の毛糸を使う場合は、針の穴は楕円のものでないといけません。裁縫用の針は丸い穴で問題ありません。針のサイズが大きくなると穴も大きくなりますが、基本的な形は変わりません。

直径: 直径によって針のサイズが決まります。針が太いほど、番号は小さくなります。サイズの範囲には2種類あり、1から15までと、13から28までです。いずれも番号が大きいほど針は細くなり、細くなると短くなります。番号が小さいほど、穴の大きい、長く太い針です。

針先: クロスステッチ針は先が丸くなっており、他の針は尖っています。皮ぬい針は先が三角で、縁が小さな刃になっており、使うと皮に三角の穴があくようになっています。帆布用の針も同様です。ビーズ針も先は尖っていますが、非常に細いため見分けにくいです。

形: すべて長細い形をしていますが、穴の部分が膨れているものもあり、バリオンノットやフレンチナッツをするときに違いが出てきます。バリオンノットをするのは、まっすぐな針のほうが簡単です。穴が丸い針のほうがよりまっすぐです。楕円の穴のものは膨らんでいます。じゅうたんや家具用の針は曲がっていて、裏に突き通せない場合に布を"すくって"刺せるようになっています。

長さ: ビーズ針や帽子用、人形用の針など、針には非常に長いものがあります。また、betweenと呼ばれる1インチ(2.54cm)以下の縫い針のように、考えも及ばないほど短いものもあります。針の長さは目的によって異なりますが、同じ種類の針であれば、小さいサイズのものに比べて、太いものほど長くなります。つまり、18番のクロスステッチ針なら、24番のクロスステッチ針より、長く太くなっています。

それでは、これらの情報を針の種類ごとにまとめてみましょう。

クロスステッチ針: 楕円の穴(小さいサイズの場合、細長い楕円になります)、中くらいの長さ、丸くなった先。サイズは13から28。主な用途は、クロスステッチ、ニードルポイント、counted thread work

刺繍/クルーエル針: 楕円の穴、中くらいの長さ、尖った先。サイズは1から13。主な用途は、毛糸刺繍、リボン刺繍、特殊な糸を使ったスモッキング。

シャープ針: 丸い穴、中くらいの長さ、尖った先。サイズは1から13。主な用途は、手縫い、バリオンノットやフレンチナッツ、スモッキング。

ビトィーン針(キルティング用): 丸い穴、短い、尖った先。サイズは1から13だが、7より大きいものはあまりない。主な用途は、ハンドキルティング、シャドウワークやFrench hand sewingといった繊細な針仕事。

ビーズ針: 丸い穴、大変長い、尖った先。サイズは13から28の系列で10から15。主な用途は、ビーズやスパンコール付け。

メーカーによって、穴が少し大きくなったり、太かったり長かったり、材質や仕上げが違ったりします。ここに挙げたのは、一般的な針の特徴をリストしたものです。

Wombat
(G-Street Fabrics Notions departmentのマネージャ Joan と Bernina department のマネージャ Brabara が役に立つ記事を教えてくれました。感謝します)

30.2 丸枠、スクロールフレームなど

まず、昔から言われていることですが、アイーダには刺繍枠を使い、リネンは使わずに刺します。ただ、実際にはみなそれぞれ自分の好きな方法で刺しています。布がピンと張った状態で刺すのが好きな人は、丸枠ではなく、スクロールバーやQスナップを使うことが多いようです。というのも丸枠を使うと布が傷んだり跡が残ったりするからです。刺繍枠を使うか使わないかについては "6. 刺繍枠を使う?使わない?" を参照してください。ここでは、枠やフレームを使うものとして話を進めます。

ヒント -- 枠やバーには、作品を裏向きにセットします。つまり、へこんだ形にセットするということです。そうすることで枠を置いたときに、作品の表側が周りのものに触れないようにできます。また、作品の裏側が外に出るため、糸端の始末が楽になります。

スタンド

この後で述べるほとんどの枠は、スタンドにセットして使うことが出来ます。スタンドを使うと両手を使って刺すことができます(片手を作品の上に、片手を作品の下において刺します)。長い時間作品を持っているのがつらい人には、スタンドは便利です。腱鞘炎、関節炎、痙攣などの症状を軽減することができます。

ラップスタンドには、膝の両側に脚がくるものと、片側で固定して太ももの下で押さえるものがあります。場所を取りますが、フロアタイプのスタンドもあります。チャートホルダーやランプ、マガジンラックがついたものもあります。

その他にもスタンドのいいところは、作成中の作品が一目で見えて、お世辞を言ってもらえたり、"早く刺して"と(作品に)呼ばれたりすることです。困ったことに、スタンドは飼い猫のお気に入りの場所でもあるようです。

丸枠

一般的な丸枠は、木かプラスチック製で、安価でよく売られています。円形のものがほとんどですが、楕円形のものもあります。変わったものでは、外側の輪がプラスチックで、内側に金属のスプリングか輪がついたものがあります。

丸枠の主な問題点:

枠が汚れていないように気をつけましょう。プラスチック製のものは食器洗い機で洗うことができます。

ステッチをするとき以外はも枠を取り外しておきます。

スクロールフレーム

スクロールフレームは、木の2本の横棒と2本の縦棒からできています。布は横棒(細く丸い棒)につけます。縦棒は横棒の間を空けて固定するためのものです。縦棒と横棒は蝶ナット(安価)か木のノブ(より高価)でつながれます。

布を取り付ける方式はいくつかあります。1つは、横棒に丈夫な布が留め付けられているものです。作品に使う布を、キルトやカーペット用の丈夫な糸でその布にしつけ縫いして使います。2つ目は横棒に長い切れ目が入っていて、そこに布の端を挟みこんむものです。3つ目は横棒に溝が切ってあり、細い棒でその溝に布を固定します。

縦棒/横棒ともに、さまざまなサイズのものが市販されています。横棒は、作品の幅より少し広めのものを選んでください。縦棒より長い部分の布は、横棒に巻きつけられます。

丸枠を使うときよりも広い範囲が一目で見えます。布を張る強さは縦横で異なりますが、きつく張った場合には気になるほどではありません。

スクロールフレームの基本的なセットが安く売られているので、自分に合うかどうか試してみるといいでしょう。

提案 -- 布をフレームの中心に取り付けるために、横棒の真ん中に印をつけておくと便利です。布を取り付けるときには、中心から外に向かって縫い付けてください。

Qスナップ

Qスナップは、米国テネシー州Parsonsの Q-Snap Corporation の製品です。直径1インチほどの4本の白いプラスチックの筒を、四隅でつなぎ合わせて正方形または長方形にしたものです。プラスチックのシェル(筒にそって湾曲した形のクリップ)で、布を四方に留めつけます。

Qスナップは4本の筒がセットで売られていて、長さは6、8、11、17インチなどがあります。これを自由に組み合わせて、たとえば8×11インチの長方形などにして使います。

これは、融通が利くので好まれています。丸枠と違って、布がしわにならないようです。布の張り具合は、スクロールフレームと違って縦横に均一です。

ストレッチャーバー

ストレッチャーバーは木製で、2辺がセットになって売られています。サイズは4インチから40インチのものがあるようです。それを組み合わせて四角にして使います。

ストレッチャーバーを使った場合、作品全体が常に一目で見えることになります。ストレッチャーバーを硬い布のときだけ使う人もいますが、やわらかいリネン系の布に使う人もいます。

布端は、なんらかの方法で補強し、ほつれないようにしなければなりません。しつけ縫いや縁縫い、binding tapeなど、人によって方法はさまざまです。その後、布をキルト用の鋲やステープルでフレームに固定します。まず、各辺の中央を止め、角に向かって張っていきます。布はぴんと張りますが、ゆがまないように気をつけます。スクロールフレームと違って、布を張る強さは縦横に均一になります。

30.3 拡大鏡と照明

照明(強さ、色など)によって、糸の色を分けるときや細かい布目を見るときなどには大きな違いが出ます。一番よいのは自然光ですが、昼間にしかステッチしないというわけにもなかなか行きません。

この話題についての投稿をいくつか紹介しましょう。

Gillian Cannon <gillian.cannon@solar.org>より

白熱灯と同様、蛍光灯にもいろいろな色があります。蛍光灯の Designer Warm White は、本当の"日光"の色です。蛍光灯の色がおかしければ(ちゃんとした色のものはなかなかありません)、大きく色が違って見えます。これは、インテリアデザイナーをしている娘から聞いた話です。
また、初めに言ったように、白熱灯の場合、熱も大きな問題になりますし、拡大鏡と一緒に使った場合、光の焦点が合って火事になってしまう危険もあります。

Gillian Cannon <gillian.cannon@solar.org>より

クロスステッチなど"本当の"色が必要とされる作業で使う電球については、いくつかのカンファレンスで討議されています。

照明の専門家に相談してみると、次のように言われました。「人工の光の中では、蛍光灯が一番"自然光""に近いですよ」

丸型の蛍光灯(Dazorで使われているものなど)の場合、Design 50 が 5000 ケルビンで、自然の日光に一番近いです。Designer Cool White も自然光に近いですが、丸型のものは売られていません。

次にいいのはハロゲンで、Daylight ランプは 6500 ケルビンです。

よく使われている明りで一番よくないのは白熱灯ですが、照明の専門店では日光の色に補正した電球も手に入ります。

拡大鏡もたいへん便利です。メガネに留める安いタイプもありますし、首にかけて胸の部分でつっぱるものもあります。また、ヘッドバンドにつけるものもあります。

どのタイプのものであれ、拡大鏡を使うときには気をつけて欲しいのですが、使わないときには直射日光の当たらない場所に置いてください。拡大鏡によって日光が集中し、火事になる恐れがあります。保管用に布のカバーをかけておくだけで充分です。

ランプと拡大鏡が一体になったものもあります。Dazorが有名です。

拡大鏡つきランプのいい点:

拡大鏡つきランプの悪い点:


31. さまざまな議論

このFAQのあちこちで気づかれたかもしれませんが、ステッチのプロでも意見が一致しないことがらがいくつかあります。

ここではそのうちよく議論になるものをとりあげます。

31.1 経糸と緯糸

クロスステッチの作品を作るときに、布の経(たて)糸/緯(よこ)糸の向きを考える必要はあるでしょうか。

布を織るときには、経糸が上下に、緯糸が左右になっています。耳は上下方向、つまり経糸と同じ方向になります。

ステッチをするときに、経糸が上下方向になる、つまり耳が右(左)の辺にくるようにした方がいいという人がいます。作品が、ベルプルのように縦に吊るすものであれば、違いが出るかもしれません。

経糸と緯糸の方向は、一般的にクロスステッチに影響するものでしょうか。これは意見が分かれます。自分で違いが分かるなら、いいと思った方にしてください。

耳がついていないリネンのたてと横を見分けるには、

31.2 リネンの表裏

リネンに表裏はあるでしょうか。あるとしたら気にする必要はありますか。

「表裏がある」派:

「表裏はない」「表裏があるが気にする必要はない」派:

31.3 糸の正しい端

糸の「正しい端」「正しい方向」について聞いたことがあるでしょうか。この意味と、気にしなければならないかどうかを考えてみましょう。これも、専門家の間で意見が分かれるところです。

いろいろな教室の説明をまとめてみました。

教室1: 糸には正しい方向があり、気をつけなければならない

教室2: 糸には正しい方向があるが、気をつけなくてもよい

教室3: 糸には正しい方向はない


32. クロスステッチに必要な糸の量

作品に必要な糸の量は、人によってまちまちです。以下に挙げる表は、大体の目安と考えてください。複雑な図案を刺すときや、目をゆるくステッチする人の場合には、同じ糸の量でも刺せる目数が減ってきます。

この表の値を計算するための式は、後で説明します。

左側の縦の列からカウント数(1インチあたりの目の数)を探し、横に進みます。何本取りで刺すかを一番上の横の列から探し、下に進みます。交わったところにある数が、1枷で刺せる目の数です。

 
 
 
 



糸の本数
  1 2 3 4 5 6
6 1530 765 510 382 306 255
7 1785 892 595 446 357 297
8 2040 1020 680 510 408 340
9 2295 1147 765 573 459 382
10 2550 1275 850 637 510 425
11 2805 1402 935 701 561 467
12 3060 1530 1020 765 612 510
13 3315 1657 1105 828 663 552
14 3570 1785 1190 892 714 595
15 3825 1912 1275 956 765 637
16 4080 2040 1360 1020 816 680
17 4335 2167 1445 1083 867 722
18 4590 2295 1530 1147 918 765
19 4845 2422 1615 1211 969 807
20 5100 2550 1700 1275 1020 850
21 5355 2677 1785 1338 1071 892
22 5610 2805 1870 1402 1122 935
23 5865 2932 1955 1466 1173 977
24 6120 3060 2040 1530 1224 1020
25 6375 3187 2125 1593 1275 1062
26 6630 3315 2210 1657 1326 1105
27 6885 3442 2295 1721 1377 1147
28 7140 3570 2380 1785 1428 1190
29 7395 3697 2465 1848 1479 1232
30 7650 3825 2550 1912 1530 1275
31 7905 3952 2635 1976 1581 1317
32 8160 4080 2720 2040 1632 1360
33 8415 4207 2805 2103 1683 1402
34 8670 4335 2890 2167 1734 1445
35 8925 4462 2975 2231 1785 1487
36 9180 4590 3060 2295 1836 1530
37 9435 4717 3145 2358 1887 1572
38 9690 4845 3230 2422 1938 1615
39 9945 4972 3315 2486 1989 1657
40 10200 5100 3400 2550 2040 1700

詳しく知りたい方のために、表の計算の仕方を説明しましょう。おわかりになるように、かなりの部分を概算で出しています。

1枷の糸は、約8.5ヤード(1ヤード=36インチ=約0.9メートル)です。糸は長さ18インチに切って使うものとします。つまり、1枷から17本とれることになります。

糸を一本取りで刺すことはあまりありません。枷になっている糸は、6本の糸を撚ってあります。つまり、上記の17本は、それぞれ6本ずつの糸が含まれていることになります。

18インチのうち3インチは、刺し始めと刺し終わりの始末などに使うものとします。つまり、18インチのうち、利用できるのは15インチになります。

さて、ひとつのクロスをステッチするのに、糸は何インチ必要でしょうか。ピタゴラスの定理で14カウントの布にハーフステッチしたときの長さを計算し、裏側での縦の糸の長さとゆとりを少しみると、6/カウント数(1インチあたりの目数)になります。(かなりの部分が概算です!!)

ですから、計算式は次のようになります。

1枷で刺せる目の数 = 17 * (15 / (6/カウント数)) * (6/何本取りで刺すか)

この式をPerlスクリプトで計算して、上の表を作っています。


A. Needlework FAQについて

A.1 全般

ようこそ。これは、インターネット上のrec.crafts.textiles.needlework Usenetニュースグループの Needlework FAQ ドキュメントのひとつです。

これらのFAQでは、さまざまな針仕事をする人の役に立つような情報を集めたものです。雑誌の一覧や通信販売の会社、ギルド、イベントなどの情報から、糸番号の変換テーブルまで含まれています。ここで紹介したヒントや助言は、多くの人がrec.crafts.textiles.needleworkに好意で公開してくれた知識を集めたものです。

このFAQの情報が正しいことを確認するように気を配ってはいますが、このドキュメントは内容が保証されたものではありません。市販の製品やサービスは、読む人に便利なように載せてあるだけです。何かを推薦したり価値判断をするものではありません。

コメントや訂正などがあれば、私宛にお送りください。

Kathleen M. Dyer
mailto:kdyer@dnai.com

日本語版に関しては、mailto:kuc@bc4.so-net.ne.jpまでご連絡ください。

これらのFAQは、1994年4月20日に以前のrec.crafts.textilesニュースグループにポストした"Counted Cross Stitch FAQ"を書き直したものです。メッセージや投稿を直接引用させてくれた皆さんに感謝します。そして、元の"Counted Cross Stitch FAQ"を読んで意見を下さった方にも感謝します。

A.2 どこに何があるか

Needlework FAQは、rec.crafts.textiles.needleworkニュースグループに定期的にポストされています。

編著: Kathleen Dyer mailto:kdyer@dnai.com
頻度: 月1回。15日以降の最初の週末。
Webページおよびテキスト形式: <http://www.dnai.com/~kdyer/faq.html>

Needlework FAQ: Activities and Events
ネット上の活動や、実際のショーや教室について
Needlework FAQ: Competitions, Selling Designs or Needlework
コンテストに出たり、作品や図案を売ったりするためのヒント
Needlework FAQ: Computer Software
図案をデザインしたりデータベースをメンテナンスするための、20ほどのコンピュータソフト会社と製品の紹介。
Needlework FAQ: Counted Cross Stitch Tutorial
布の選び方から額装までのすべてについて。
Needlework FAQ: Creating Cross Stitch Charts
オリジナルチャートを作成するためのさまざまな方法。
Needlework FAQ: Designers and Design Companies
世界中の刺繍のデザイナー。
Needlework FAQ: Fabric
6カウントから45カウントまでのリネン系の布についての情報(材質など)。
Needlework FAQ: Threads, Fibers, Embellishments
色の名前と変換表。DMC、Anchor、J&P Coates、Marlette、Medicis、Madeira、Au Ver A Soie、Mill Hillビーズ、デンマークの花糸、DMCの花糸、Ginny Thompsonの花糸、Kreinikのラメ糸。
Needlework FAQ: Magazines
北米、ヨーロッパ、オーストラリアの手芸雑誌の情報。
Needlework FAQ: Manufacturers and Distributors
大小さまざまなメーカーや代理店の連絡先。
Needlework FAQ: Organizations
北米、ヨーロッパ、オーストラリアの手芸ギルドや組織について。
Needlework FAQ: Retailers
シンガポールからテキサスまであらゆるところの手芸店や小売店について。
Needlework FAQ: Stitching and Embroidery Techniques
さまざまな刺繍の手法についての簡単な説明。

編著: Kathleen Dyer mailto:kdyer@dnai.com
頻度: 週1回。
テキスト形式: <http://www.dnai.com/~kdyer/faq.html>

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