「うつ状態」における前頭前野機能の低下についてー先月号のつづき
前頭前野の働きー「行動・情動の抑制」「思考」「コミュニケーション」「意欲・集中力」「記憶」「自発性・身辺自立」―の低下は
うつ状態に陥ったときに、どのような症状として現れるでしょうか?
「うつ」の診断根拠として「抑うつ」「意欲低下」が2週間以上続くことが、あげられます。
もちろんこれらの症状も前頭前野の働きの低下によると思われるのですが、ここで注目したいのは、思考・記憶の障害です。
特に「抑うつ」的な感情が表れなくても、「頭がボーっとして、仕事や家事がはかどらない」「記憶力が極端に低下してしまった」
ということが症状の中心であるような「うつ状態」があります。
クリニックを開業して、こういったタイプの「うつ状態」が思いのほか多いことに気づきました。
ところで、同じ前頭前野の機能低下があって「うつ」と「認知症」はどう区別されるのでしょうか?
それは例えていえば、スポーツマンの疲労骨折と老人の骨粗しょう症による骨折の違いです。
使いすぎて疲労してしまった場合と、使わずにいたり老化によって弱ってしまった場合とはまったく異なるということです。
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